2型糖尿病は自業自得!?
糖尿病に関する説明を読むと「1型は自己免疫疾患などが原因でインスリン分泌細胞が破壊されるもので、2型は遺伝的要因に過食や運動不足などの生活習慣が重なって発症する」などと書かれています。
そのため「2型糖尿病は遺伝というけど、結局は生活習慣が悪いから発症するのであって自業自得じゃないか!」と考える方も残念ながらたくさんいらっしゃいます。
過去に長谷川豊アナウンサーがブログで「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!(以下、過激なので省略)」という記事を投稿して炎上したことがありましたよね💦
2型糖尿病が生活習慣病と呼ばれるようになって以来、2型患者は「努力によって発症を予防できるはずなのにその努力を怠った」と決めつけられ、苦しんできました。
しかし糖尿病内科の医師によれば、少しも太っていない患者さんや生活習慣に問題のない2型糖尿病患者さんもいて、かなり筋肉があるのにインスリン注射が必要になった方もいるそうですよ。私の父も、特別生活習慣に問題があったとは思えませんが若年発症しました。
もちろん「そりゃこんなに暴飲暴食していて運動ゼロなら糖尿病になるわよ…」ということもありますよね。この差はどうして生まれるのでしょうか?
2型糖尿病って言ってもいろいろのようですね。
どのタイプがいいとか悪いとか言うんじゃなくて、違いはあるわね。
インスリン抵抗性とインスリン分泌不全
2型糖尿病の場合「インスリン抵抗性(インスリンは分泌されていても効きにくい)」「インスリン分泌不全(インスリン分泌量が十分ではない)」の2つの要素を考えます。
1型糖尿病ではインスリンを分泌する細胞が破壊されるのでインスリン分泌不全になりますが、2型の場合はどうでしょう?
インスリン抵抗性(インスリンが効きにくい状態)は遺伝しないわけではありませんが、それほど遺伝するわけではないそうです。
しかしインスリン分泌不全は遺伝との関わりが深く、親や兄弟(特に両親共の場合)が2型糖尿病の場合、子が糖尿病になるとインスリン注射が必要になることが多いのだそうです。
2型糖尿病のインスリン抵抗性(原因は遺伝の他に肥満、喫煙、運動不足、ストレス、妊娠など)の部分は確かに特殊な病気を除外すれば自分の努力である程度何とかできるものです。
ですが、インスリン分泌不全が早期から起こりやすい場合、生活習慣を見直すだけではなかなか対応できない事も…そもそも最初から不摂生などしていない方もいますよね💦私の知人にもいます、やはり家族に糖尿病患者が2名いらっしゃる方です。
欧米人に多いのは、インスリン分泌能力は十分にあるのだが肥満、暴飲暴食によってインスリン抵抗性が生じ、血糖値が高くなるタイプです。
このタイプでも長年治療せずに放置すると徐々にインスリン分泌能力は低下してしまいますが、早めに気づいて生活習慣を改めれば寛解しやすいタイプでもあります。インスリン分泌能力はしっかり保たれているので…
一方、いわゆる糖尿病家系の方では早くからインスリン分泌不全になりやすいので「どんなに頑張って運動をして食事に気を付けても、それだけでは糖尿病が寛解しない」ということになります。
みんな同じ治療方法で良いわけがない!
今のところ、糖尿病患者は1型糖尿病やMODY、ミトコンドリア糖尿病などではなさそうだとなれば全部まとめて2型糖尿病と診断されているにすぎません。
全部ひとくくりに2型糖尿病と呼んでいますが、いろいろな状態の患者がいて当然です。ただ暴飲暴食をやめるだけで寛解しそうな人と明らかにインスリン分泌不全がある人、同じ治療方法で良いはずがないですよね💦
インスリン抵抗性は自分の努力でほぼ克服できる事が多いので、思い当たる原因がある場合は努力すべきです。運動ゼロだった方がジムに入会するのも劇的な効果がありそうです。
ただインスリン抵抗性が主の方はそれでいいのですが、インスリン分泌不全はなかなか簡単にはいきません。普通の食事量でも血糖値を正常値まで下げるにはインスリン分泌が足りなかったりするからです。
2型糖尿病で食後の追加インスリン分泌が足りない場合「外からインスリンを注射する」「インスリン分泌を促す薬を飲む」「糖質制限食にする」等の方法があります。
糖質制限食は、少ないインスリン分泌でも食後血糖値が上がりすぎないようにする方法ですね。食事時とは別に24時間分泌されている基礎インスリンがあまりにも不足している場合はインスリン注射が必要になります。
その人の状態によって対応法は違うので、自分とタイプの違う患者さんのサクセス・ストーリーをマネしても同じ結果は出ないかもしれません。自分に合った方法で頑張りましょう♪
インスリンが足りない場合はどうするか…ってことですね!
主治医と相談して自分に合った方法をね!