【漫画】知らないと大変!『糖尿病性ケトアシドーシス』

糖尿病性ケトアシドーシスの体験を描いたエッセイ漫画

私が「糖尿病性ケトアシドーシス」という危険な状態に陥って緊急入院したのは、ちょうど8年前の朝です。

長男・次男を妊娠した時に妊娠糖尿病になった私でしたが、2回とも産後はいったん血糖値が正常化したのと、当時は今ほどきちんとした指導が行われていなかったので「定期的に検査に来るように」との指示はいっさいなかったのです。

また当時はようやく息子たちが少し成長して手が離れたので数年ぶりにスポーツクラブでパートを再開した時期でしたが、パートスタッフには健康診断はなく、自治体から健康診断の案内もまだ来ない年齢でありました。

 

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↑↑↑インフルエンザからウイルス性胃腸炎?とも思える症状ですが、じつは糖尿病から大変なことになっていたのです。

糖尿病性ケトアシドーシスは1型糖尿病患者さんがインスリンを打ち忘れた時に起こると思われがちですが、インスリンを注射していない2型糖尿病患者にも起きます

 

 



 

何が何だかわからないまま「糖尿病なのでこのまま入院して下さい」ということになりました。

まだ小学生の息子達を置いて主婦が長期間入院するというのは大変なことです。病気のことと家族のことが心配でとにかく不安でした。

 

 

私は野菜もたっぷり食べる玄米食をしていたので、病院の給食を見て正直「これで本当に良くなるの?」と不安になったのです。

同じ2型糖尿病の方から「私は果物や甘いものが大好きで糖尿病になった。あなたも今までの生活を反省しなさいね」などと言われ、なんだか罪人のようで嫌な気持ちでした。

「あなた、これまでに1度も不摂生したことがないと言える?」と質問されたら、自信満々で「言える!」と答える方ってほとんど居ないと思うんですよね…もちろん、私も例外ではなく。

 

 

この時は眼底検査は異常なしと言われましたが、わりとすぐ小規模な眼底出血が起こったようです。半年後に何気なく受診したら「眼底出血の跡がある、糖尿病網膜症、黄斑もむくんでいる、眼圧が高い」と言われ治療が開始されました。現在はほぼ寛解しています。

勝手に眼球が揺れる症状に関してはおそらく糖尿病神経障害のせいではないかと思いますが、この症状も現在は消失しています。

そして、数年前から知っては居たけれど「お米」が好きでどうしても実践できなかった「糖質制限」を今こそやるべきではないかと思い始めていました。




 

インスリン注射は少しも痛くありませんでしたが、ふと「この先ずっとインスリンを打たなければいけないのか?」と考えました。

看護師さんに「頑張ったらインスリン注射をやめられるのですか?」と質問しましたが「減らせる可能性はあるけど、完全にやめるのは無理だと思う」とのことでした。3ヶ月ぐらい後に主治医にも同じことを言われたのです。

糖質制限開始後、少しずつインスリン注射の必要量は減り、7ヶ月後にはとうとう完全に注射をやめることができました。

一般的には、2型糖尿病であっても持効型インスリン(食事とは関係なく打つ方のインスリン)を注射するようになった患者が完全に注射をやめることは難しいようです。だからこそ看護師も主治医もあんな風におっしゃったのでしょう。そういう患者さんを見たことがなかったのでしょうね。

糖質制限をすれば、食事用のインスリン注射を減らすことが出来るのは当たり前です。でも、食事とは無関係のほうのインスリンまでやめられるというのは我ながら驚きでした。

 

 

とにかく糖尿病合併症が怖いので、食事のたびに病棟内ウォーキングをするようになりました。主治医の「頑張りすぎてはいけない」という言葉がとても印象に残っています。

そして何を食べてもいい他の病気の患者さんを羨ましく思ったりもしましたが、皆さんどこか悪いからこそ入院しているわけで、それぞれ違った苦労があるんですよね…

 

 



 

退院の日が近づき、その後のことを考えなければいけなくなりました。病院食を食べてインスリンを1日4回注射しても血糖値はイマイチだったので「糖質制限をしてみたい」と申し出ました。

若い主治医は「じゃあ、2日間やってみて結果が良ければ退院後もやっていいですよ」と。結果は上々で「これなら大丈夫だね!」と主治医。

当時はまだ病院の売店にも低糖質パンやサラダチキンなどは置いてなかったので、家族にお願いして買ってきてもらいました。

 

 

主治医から糖尿病合併症についての説明がありました。「まだお子さんたちは小さいのだから、なんとしてもこれ以上悪くならないように食い止めなければいけない」と言われ、その通りだなと…

今死ぬわけにはいかない、と思えばこそ、危険をおかしてでも糖質たっぷりの料理を食べたいとは思わなくなりました。

退院後に、現在は糖尿病腎症が悪化して人工透析をなさっている方から「僕のようになってはいけないよ」と言われたことも励みになっています。

 

 

16日間も入院していたので「退院して、ひとりでやっていけるだろうか」と不安でしたが、何とかやっています。もう8年も経ちましたが元気です。

私の場合は妊娠糖尿病からいつの間にか2型糖尿病に移行してしまっていて(多分、わりと早い時期にそうなっていたと思います)気づかないまま糖尿病性ケトアシドーシスで発覚…というひどいケースでした。

2型糖尿病は会社の健康診断などで引っかかって発覚する事が多いと思いますから、私のような方は少ないかもしれません。

しかし若い主婦の方や漫画家、小説家など会社勤めではない方は健康診断を受ける機会がないまま放置して…ということもあり得るので、気をつけてほしいのです!

 

 

にゃご
にゃご

気をつけないといけないね!

よっしー
よっしー

そして、どんな状態からでも立て直せるのよ!諦めないで。

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