糖尿病を軽く見ないで!命を失うことだってあるんだから。

軽度の糖尿病患者は危機感がなさすぎる!?

糖尿病または糖尿病予備軍と診断されている方はかなり多いのですが、中には「ちょっと血糖値が高いだけで大したことないだろう」と油断しちゃっている方も多いのではありませんか?

糖尿病で何が怖いかというと、糖尿病合併症が起こってくることです。はっきりいって尿に糖が出ることなんて別にどうってことありません、コントロールが良ければ出ませんし。

よっしーの場合、糖尿病性ケトアシドーシスというかなりヤバい状態で診断されたので「今すぐなんとかしないとあなたこのまま死にますよ」状態でした。

でも「去年は何ともなかったけど、今年は会社の健康診断でとうとう血糖値が引っかかっちゃったよ、あーあ」ぐらいの方だと自覚症状も特にないのでは?

 

 

同じ糖尿病患者でも、ものすごく怖い思いをしたことのない方は正直イマイチ病気に対する危機感が薄い方もいらっしゃるのではないでしょうか。

でも、糖尿病はやっぱりとても怖い病気で、時に命を失うこともあるということを忘れてはいけないと思います!

もしあなたの周囲で「ちょっと血糖値が高いだけだから大丈夫♪」などと糖尿病なのにご飯やパンや甘い物を一向に減らそうとしない方がいらっしゃったら、ぜひ今回の記事をシェアしてくださいね。

 

にゃご
よっぽど怖い思いをしない限り、なかなか本気になれない人が多いのかなぁ…

よっしー
そうでしょうね。特にまだ若い方はそうだと思うわ。よほどのことがない限りね。

 

自律神経障害による突然死が多い

体じゅうには神経があり、脳と脊髄にコントロールされています。神経には自分の意志でコントロールすることができる体性神経と、意志とは無関係に働く自律神経があります。

自律神経は心臓の拍動や呼吸、消化、体温の調整など、生きていくのに重要なさまざまなことを調整しています。だからとても大切なものなのです。

糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、神経細胞の中にソルビトールという物質が蓄積されたり神経細胞へ栄養や酸素を運んでいる細かい血管の血流が悪くなります。

そうすると神経がだんだん障害されて正常に働かなくなってしまうんです。神経の中でも自律神経が障害されると立ちくらみ・汗をかけない・便秘や下痢などの症状が起こってきます。

 

 

上の図は糖尿病発症からどれぐらいで糖尿病合併症が出てくるかを示した図です、牟田病院様のサイトからお借りしました。

糖尿病神経障害は網膜症や腎症などと比べても頻度が高く、糖尿病を発症した直後から出てくることがある糖尿病合併症です。

心臓の神経が障害されると、普通はすごく痛いはずの心筋梗塞や狭心症の胸痛を感じません(無痛性心筋虚血)

そのため治療が遅れてしまい、最悪の場合は命を失うことになります…また神経障害があると致命的な不整脈や呼吸停止を起こしやすくなり、突然死の危険が高くなるそうです!

 

何も考えずに糖尿病患者に運動させるのはとても危険です!

心臓の拍動は自律神経によって調整されていて、運動するときは心拍数が増加しますよね?健康な方の場合、呼吸するだけでもわずかに脈は乱れるのが普通です。

しかし、よっしーは糖尿病と診断される前の年、ジムで心拍数を測った時に明らかに異常な状態でした。

まだ運動を始めていないのに心拍数が120もあったり、その後エアロバイクを漕いでも心拍数は120のままほとんど変化しなかったんです。※現在は正常化しています。

そして糖尿病で入院してCVR-R検査(呼吸による生理的な不整脈がどの程度あるかを調べる検査)を受けたところ、健常者が3~4ぐらいなのに1.55しかなく「すごく悪い」と言われました。

 

 

健康な方であれば自律神経がきちんと心臓の拍動を調整し、運動の強度に合わせて心拍数を上手に調整してくれます。

しかしよっしーの場合、自律神経が障害されていてその調整がうまくできなかったのです。この状態で強度の高い運動を行えば、運動中に突然死する可能性もあったんです!!

また自律神経障害があると呼吸が停止して死亡することがあるというのはとても恐ろしいことです。きちんと糖尿病を治療していたのに20代で突然死なさった方もいらっしゃいます。

全身麻酔、鎮静剤、肺炎などがきっかけとなって呼吸が停止することがあるということなので、我々は本当に気を付けなければいけないと思います。

 

糖尿病だと脳梗塞や心筋梗塞になりやすい

さきほど、糖尿病神経障害があると心筋梗塞が起こっても胸の痛みを感じにくいので発作に気付かないことがありとても危険だと書きました。

そして心筋梗塞が起こっても気が付きにくいだけではなく、心筋梗塞や脳梗塞そのものが起こる確率が糖尿病患者は健康な方の2~3倍も高いのです。

心筋梗塞や脳梗塞は、動脈硬化が進行している方に起こりやすいです。では動脈硬化を進行させるものは何でしょうか?

 

 

動脈硬化と言っても、血管壁が老化するために起こるものや動脈の中膜にカルシウムが沈着することで進行するものもありますが、一般的にはアテローム性動脈硬化のことを指します。

アテローム性動脈硬化とは、動脈の内側にプラークが発生して血管の内側がだんだん狭くなっている状態です。

何かの拍子にプラークが剥がれて流れてどこかで詰まったりすると大変です。脳で起これば脳梗塞、心臓で起これば心筋梗塞になるわけです。

よっしーは糖尿病で入院した時に頸動脈エコーを受け、おおむね正常でプラークもありませんでしたが1か所だけ年齢の割に血管壁が厚め(正常値の上限近い)なので気を付けるように言われました。

 

 

動脈硬化の原因は、高血圧・喫煙・糖尿病・肥満・高強度の筋トレ・有酸素運動不足・高インスリン血症・糖質過剰摂取などです。

筋トレに関しては、よっしーももともと大好きでしたし現在も継続していますが、高強度の筋トレ中には最大で血圧が330ぐらいまで上がるそう!

過去には某有名ジムでベンチプレス中に女性が脳出血を起こしたという事故も起きています。糖尿病患者はただでさえ同年代の健常者よりも動脈硬化が進行していることが多いので、強度の高すぎる運動にはくれぐれもご注意を。

健康で若い方が行う運動と、すでに病気になった中年以降の方が健康のために行うべき運動は同じではありませんからね…!よっしーも気を付けなければ。

 

これらのリスクは今からでも減らすことが可能です

今回は糖尿病と診断されていても危機感が無くて好きなものをつい食べてしまう方たちのために怖い話を書いてみましたが、事実はきちんと受け入れなければいけません。

そして、よっしーのように診断時にはすでにこれらのリスクが生じている方もきっと多いでしょう。いったいどうしたらいいのかと恐ろしくなってしまいますよね。

でも安心してください、糖尿病神経障害やアテローム性動脈硬化などはいったんなってしまうと絶対に治らないということはないんです。

 

 

神経障害は、重症でなければ血糖コントロールだけで改善することが多いそうです。CVR-R検査の数値も、特に若い患者の場合は数年後には正常値まで改善することもあるとか。

アメリカの1型糖尿病患者のバーンスタイン医師は、長年糖質制限を継続していて脚のアテローム性動脈硬化が消失したそうです。

またビタミンEは動脈硬化を改善する効果が期待できると言われていますが、すでにプラークのある方が急に大量にビタミンEを飲み始めるとプラークが剥がれたりして危険なので少量から開始するべきだそうです。

糖質、ことに精製糖質や最終糖化産物を作りやすい果糖の摂りすぎを避け、有酸素運動を生活に取り入れ、タバコを吸っている方は今すぐ禁煙しましょう。

 

 

すでに神経障害や動脈硬化が進行してしまっている場合もあり、また改善までにはそれなりに年月もかかるのでせっかく生活を改善しても残念ながら間に合わずに…ということもあり得ますが、今できることを一生懸命やるしかありません。

どうかみなさんには、糖尿病は決して甘く考えてなめてもらっては困る病気だということ、いくら運動が良いと言ってもすでに病気になった人は健康な人と同じではないことを忘れずに頂きたいと思います。

 

にゃご
過去にやっちまったことはもう取り消せないけど、これからできることを一生懸命やっていかないとな!

よっしー
そうよ、油断して何も努力しないのも、逆に落ち込みすぎてただクヨクヨしているのも良くないわ。前向きにいきましょう♪

 

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