糖尿病薬「マンジャロ」は痩せる注射?副作用は?

糖尿病薬マンジャロは痩せる注射?副作用は?
この記事は、2型糖尿病でGLP-1受容体作動薬を使用しているインスリン分泌不全の患者が自分自身の体験を踏まえて糖尿病専門医の主治医から聞いた「GLP-1受容体作動薬のダイエット効果」と副作用について書いた記事です。

糖尿病用の注射薬で食欲をなくして痩せる?

私は日本テレビ『ザ・世界仰天ニュース』という番組が大好きで毎週観ています。昨日2026年2月17日の放送は糖尿病当事者として言及せざるを得ないテーマだったので記事にすることにしました。

2型糖尿病患者が使用する「マンジャロ」という注射薬で痩せようとした女性が腸閉塞で緊急搬送されたという話です。

その女性は「まだ糖尿病というほどではないけど血糖値が高めです」と健康診断で指摘され、バランスの良い食事やジムで運動しても痩せなかったのでGLP-1受容体作動薬を出してもらうことを思いついたとか。

 



 

彼女は「糖尿病予防」の名目で医師にオゼンピックを出してもらい、0.5mgでは体重にも血糖値にも効果が無かったので1.0mgに増やしてもらいました。

5か月経ち、体重は2キロしか減らないのに腸は少しづつ詰まっていったということです。元々便秘だったのに注射で腸の動きがさらに悪くなり、しかも食欲はおさまらなかったのでそうなったとか。

オゼンピックと同じ「GLP-1受容体作動薬」である「マンジャロ」がさらに痩せる効果が高いと言われているようでネットでも話題に上がることが多いようですが、安易に手を出すと大変なことになるかも!?

吐き気、嘔吐、下痢、便秘、腹痛、腹部膨満感、消化不良、食欲減退などが多く挙げられるGLP-1受容体作動薬の副作用ですが、「食欲減退」をダイエットに利用しようというわけですよね。

なごみ
なごみ

痩せるために注射するなんて考えただけでも怖いですが💦

よっしー
よっしー

そこまでするなら他に出来ることがありそうだしね。

ぶっちゃけそこまで効果はないですよ!?(実体験)

私も3年前から「ある目的」のためにオゼンピックを打っています。最初はより効果がマイルドと言われるビクトーザ(1日1回注射)から始め、週1回で済むオゼンピック0.25mgに切り替え、0.5mgで維持しています。

3年前にうっかりケトアシドーシスを起こしてしまい、いつも通っているのとは別の病院に入院して「飢餓性ケトアシドーシスです」と言われたものの、今思うとあれは慢性的なインスリン分泌不足に気づかずにメトグルコ、スーグラを飲んでいて血糖値がカバーされてしまっていた背景があったのだと思います

 

そのケトアシドーシスの原因は本当に糖質オフ・断食だったか?
糖質制限や断食を行うとケトアシドーシスになる?

 

メトグルコとスーグラを飲んでいた時、何度か気持ち悪くなったことがありました。また尿中ケトンもかなり多く出ていました。

これは私が主治医に相談すべきだったのにしなかったのが悪いのです。糖質制限するからといって基礎インスリン不足を放置してもいいわけではなく、食事とは無関係に基礎インスリン不足は注射で補わなければいけません。

1型糖尿病患者さんが糖質制限するからと急にインスリンを減らしすぎてケトアシドーシスになった症例を読みましたが、これは糖質制限が悪いのではなく、適切なインスリン注射量の調整をしなかったことが悪いんですね。私もあれから元気ですもん。

 

2023年3月 糖尿病内科定期診察 退院後の初外来!
ケトアシドーシスで退院後初めての糖尿病内科外来に行ってきました。

 

↑↑↑当時の主治医とのやり取りです。ケトアシドーシスで一時的にかなりインスリン分泌不足&インスリンの効きも低下していたので最初は多めにグラルギンを打ちましたが、GLP-1受容体作動薬との併用ですい臓のβ細胞を保護し、少しずつグラルギンは減らしていけるでしょうとのことでした。

GLP-1受容体作動薬は食後に血糖値が上がる時だけインスリン分泌を促す薬剤ですが、インスリンを分泌するすい臓のβ細胞の細胞死を防いだり増殖を促す効果もあるとされます。

私は2型糖尿病患者の中でもかなりβ細胞が減ってしまっているはずです。いわゆる糖尿病家系だと早期からインスリン分泌不全になりやすいですし、11年前に糖尿病と診断された時点ですでに「発症に何年も気付かず放置してしまっていた、だからすでに合併症があった」わけですからね。残念ながら「今年の健康診断で初めて引っかかった」方とは重症度が違い過ぎました。

だから当時の主治医に「β細胞保護の働きに期待したい」と話したところ「それはいい考えね」ということになり「インスリンは少しづつ減らしていく方針で…」となったわけです。

 



 

「もし辛い副作用が出たり体重が減りすぎたりといった困ったことになったらやめましょうね」と言われましたが、ぶっちゃけダイエット目的の皆さんが期待するほどの食欲減退効果はなかったですよ!?(私の場合は)

家族で焼肉食べ放題に行ったときに「お母さん、もういいの?」と言われる程度。テレビ番組でやっていたような劇的な効果は全然ないです!

「世界仰天ニュース」で取り上げられていた女性も、私と同じ注射を同じ量(糖尿病治療用としては標準的な量の0.5mg)打っていた時は全く食欲も血糖値も下がらなかったそうですね。

その倍の量の1mgに増やしたらようやくほんの少し体重が減り、深刻な副作用が出てしまったとのことでした。

 


 

一時、オゼンピックやマンジャロが「ダイエットに良い」と言われて品薄になった時に主治医に「そんなに効果があるんですかね?私はそうは思わないんですけど」と言うと主治医はこうおっしゃいました。

「普通の量(0.5mg) では大して痩せないわよ(笑)」

「もともとかなり大食いな方には効果があるかもしれないけど」

…残念!過度の期待はしないほうが良さそうです。番組では「外国から取り寄せたやせ薬で食欲がなくなり、1か月で10キロ痩せた」という方のエピソードもありましたが、標準体重に近い方はたとえ断食しても1か月で10キロは痩せないと思います。

 

 

もともと痩せる余地がありすぎた方のエピソードを見て「自分も同じように痩せられる!」と思ってはいけません。

「GLP-1でダイエット!」をうたうクリニックのサイトを見ると、オゼンピック0.5mgで効果不十分な場合は1mgへの増量を考えるようですね。副作用も金額も心配になっちゃいます💦

 

すべてのクスリにはリスクがあることを忘れないで!

オゼンピックで不治の視神経症リスク2倍超 | Medical Tribune
デンマーク・Odense University Hospital/University of Southern DenmarkのJakob Grauslund氏らは、同国の患者登録データを用いた前向き縦断的コホート研究で2型糖尿病患者42万...

 

当たり前ですが、どんな薬にも副作用があります。狙った効果「だけ」を得られればいいのですが、現実はそうではありません。

2025年、42万人以上の2型糖尿病患者を5年間追跡した結果として「オゼンピックを使用すると重度の不可逆性視力障害に至りやすい非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)の発症リスクが2倍以上になる」と発表され、ちょっとした騒ぎになりました。

なおこれはオゼンピックだけの問題ではなく、マンジャロでも同じことが起きると考えられるそうです。

どういう機序でそうなるのかは、まだよくわかっていないらしいですが、NAIONは眼の奥(眼底)で光を脳に届ける神経に栄養を届ける動脈が狭くなることで起こります。

 


 

一般的に動脈が狭くなる原因として「動脈硬化」が挙げられますよね。なぜGLP-1受容体作動薬でリスクが上がるのかは分かりませんが、このようなリスクがある薬をメリット(全員に同じように効くわけではない!)にだけ注目して使うのはとても危険かもしれないと心得ましょう。

持病がある者でさえ、どうしても必要な薬を医師の指示のもとで慎重に使用しなくてはいけません。まして健康な方が安易に使うのはどうもね…

「バランスよい食事とジムでの筋トレ、有酸素運動で痩せなかったので」というテレビの女性は糖質オフを試されたのかどうかが気になります。

 

なごみ
なごみ

番組では胃を切るとか怖い事を紹介していましたが、それしか方法がないのかどうか考えたほうがいいですよね。

よっしー
よっしー

そうね、もともと健康な方は特に慎重になってほしいわ。

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