高血糖かつケトン体陽性は危険!
皆様「ケトン体」ってどんなものかご存じですか?脂肪を構成する脂肪酸が肝臓で分解されて生成される「アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸、アセトン」をまとめてケトン体と言います。
一般的には「ケトン体が増えると良くない」と考えられていますよね。私が大学生の時に講義で使用されたテキストにも「ケトン体は危険」という記述があったのを覚えています。
さて、尿に出るケトン体やその他の項目について、札幌の小野百合内科クリニックの小野渉医師が分かりやすい記事を書いてくださっています。↓↓↓
小野先生が解説してくださっている通り「糖尿病で高血糖かつケトン体陽性は要注意」なんです。
私は10年半前にとんでもなく体調が悪化(倦怠感、急激な体重減少、腹痛、吐き気、深く大きい呼吸)して救急外来を受診したら「糖尿病性ケトアシドーシス」と診断されました。
その時はまさに「高血糖かつケトン体陽性」な状態だったわけです。しかし尿ケトンが出たからと言って必ずしも良くないとは限りません。今回はそんなお話です。

尿検査でひとつでも正常値を外れている(?)と不安になりますね。

いわゆる普通の食生活を送っている人は尿ケトンは陰性だからね。
危険な尿ケトンと心配ない尿ケトン
尿ケトンが陽性になると「うわ、大丈夫かな?」と心配になってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし尿ケトンが陽性になるとすべて危険なわけではありません!どういう時にケトン体が増加するのかを考えてみましょう。
何らかの原因でブドウ糖が足りなくなると、体は脂肪酸をエネルギーとして利用しようとします。それでケトン体が増加するのです。
早めに夕食を食べ終わってその後朝食まで何も食べないとしても、多くの方は問題ありません。睡眠中はケトン体が増えますが、そのおかげもあって次の食事まで心臓が止まることはないのです。
糖尿病が悪化すると、糖毒性(高血糖によってすい臓のβ細胞が弱り、インスリン分泌が低下してさらに高血糖になり…という悪循環)により最終的にはインスリンがほとんど作用しなくなります。

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インスリンが働かないと血液中にいくらたくさんブドウ糖があっても体はこれをエネルギーとして利用できないので、血糖値はうんと高いまま。代わりに脂肪酸をエネルギーにしようとしてケトン体が異常に増加します。
これが糖尿病性ケトアシドーシスで、放置すると命にかかわります。インスリンを補充すると血糖値は下がり、ケトン体は出なくなります。
一方、インスリン分泌が保たれている方が断食や糖質制限をすると、ケトアシドーシスほどではありませんがやはりケトン体が増えます。
これは食事からのブドウ糖摂取が少なくなるので、単に足りない分を他から補おうとするための生理的な現象(生理的ケトーシス)で何も問題ありません。私は10年以上ずっと生理的ケトーシスの状態です。
「インスリン分泌が保たれているかどうか」が重要なポイントだということを忘れないようにしましょう。
糖質制限していてもヤバい場合もある!
糖質制限していてケトン体が出るのは生理的ケトーシスで問題ないと書きましたが、あくまでもそれは「インスリン分泌が保たれている」場合です。
たとえば1型糖尿病でインスリン注射が絶対に必要なのに、糖質制限を始めたからと言って食事用のインスリン注射をゼロにしたり基礎インスリン注射を減らしすぎたりすればケトアシドーシスに陥る可能性があります!
なぜなら1型さんでインスリン自己分泌がない場合、たとえ糖質制限食でもある程度の量の食事用インスリン補充は必ず必要ですし、基礎インスリンは食事と関係なく必要だからです。
私は2年半前うっかり「インスリン分泌が不足しているのに薬を飲みながら長期断食をしてしまい」ケトアシドーシスに陥りました。

いかにも甘いものが好きそうな若い医師は「糖質が足りないからです!」と仰いましたが、その後、基礎インスリン注射をしながらさらに長期間の断食を行ったときは全然何ともなかったことから、やはり問題は「インスリンが足りているかどうか」なのだと分かりました。
もしあなたが糖質制限も断食もしていないのに尿ケトン陽性になれば、ちょっと心配。
糖質制限していてインスリン分泌が保たれていて体調も良ければ、それは生理的ケトーシスだから心配はいりません。
そして糖質制限していても高血糖・尿ケトン陽性になればインスリン注射の打ち忘れや不足によるケトアシドーシスを考えて一刻も早く病院へどうぞ!

インスリンがきちんと働いているかどうかがポイントですね!

インスリン不足がなくて糖質制限しているならいいけど、そうでない場合は心配ということね!



