痩せている方はどうやって糖質制限しながらカロリーを確保する?
昨日、江部康二医師のブログに「私は糖質制限で長年の不調が劇的に改善したけれど、もともと少食で痩せているのでどうしたら効率よくエネルギーを摂取できるか?」という旨の相談が紹介されていました。
痩せ型の方の糖質制限ってなかなか難しい問題なんですよね。糖質制限を勧めておきながら「痩せている人はダメです」という専門家もいらっしゃいますし。
日本では痩せ型の2型糖尿病患者も多いのですが、そう言う方は「自分は体重を増やすために糖質も食べなければいけないんだ」とおっしゃることも多いです。
上の記事で、江部先生の京都高雄病院に勤務していらっしゃる管理栄養士さんのアドバイスは次のようなものでした。
糖質オフでなおかつカロリーの高い食材(脂身のついた肉、青魚、大豆製品、生クリーム、アボカドなど)を多用し、油を上手に利用する。間食を取り入れる。
しかし困ったことに、長年あまり肉などを食べない生活を送ってきた方は肉を消化する能力が落ちてしまっているので、肉が必要にもかかわらず肉を食べられない状態になってしまっています。
このような場合は、グルタミン摂取と天然の出汁を利用した汁物に貝や卵などの具を足したものから少しずつ慣らしていくのが良いそうです。
今回は、痩せ型の方が糖質制限をする意味とそのやり方について考えていくことにしましょうか。
痩せているからどんどん糖質を食べてOKとは限らない
よくありがちなのが「太っている人は仕方ないけど、私は痩せているから糖質をいっぱい食べても平気だもんね~♪」という思考です。
実は、よっしーも独身の頃はこんなふうに思っていたんですね…太らないのは、摂取している食事量と運動量のバランスがちゃんと取れているおかげで、健康上何も問題が無いと。
しかし、長男を妊娠したら妊娠糖尿病になってしまいました…決して太ったせいではありません。妊娠中はお菓子も食べずジュースも飲まず、体重は出産までに5kgぐらいしか増えていません。
よっしーと同じ経験をされた女性なら分かってくださると思うのですが、はっきりいって自分はこんなに気を付けているのに妊娠糖尿病で、他の人はうんと太っているのになんともない…って悔しいですよね。
糖質をたくさん食べるとインスリンが大量に分泌されて、インスリンの作用で糖質は中性脂肪に変わります。同時に摂取した脂質も中性脂肪になります。
激しい労働や運動などで肝臓や筋肉にたくわえたグリコーゲンという糖質を使ってしまった場合は食べた糖質はそれを補充するために使われますが、そうでない場合は大部分が余ります。
皮下脂肪にもたくわえきれない余ってしまった中性脂肪は行きどころがなく、最終的には肝臓にたまって脂肪肝になったり筋肉に沈着してしまいます。
じつは、うんと太った方は皮下脂肪に中性脂肪をたくわえる能力が高いので、ある意味健康(?)と言えるかもしれません。糖質をたくさん食べてどんどん太れるが意外に病気にならない人たちです。
しかしアジア人にはこの能力が低い人が多く、そういう方はあまり太れないので余った中性脂肪が脂肪肝につながりやすく、糖尿病にもなりやすいのです。
みなさんのまわりにも、痩せているのに脂肪肝という方がいらっしゃるでしょう?よっしーは独身の頃めちゃくちゃ運動しまくっていたのでなんとかカバーしていただけで、妊娠してそれまでのように過酷な運動を行えなくなった途端に限界を超えたのかもしれませぬ。
日本人で欧米のように極端に太った人が少ないのは、和食がヘルシーと言うよりは「そこまで太ることができない人が多い」からだと思いますよ。
糖質を食べると太りやすいかもしれないけど健康的か?
糖質を食べると、確かに比較的簡単に太ることができると言われていますよね。脂肪と糖質を同時に摂取すれば特に簡単だとも。
でもそうやって糖質をたくさん食べて太っても、それは健康的な太り方と言えるでしょうか?筋肉を増やすためには、タンパク質が不足しているとまず無理ですよね。
摂取エネルギーが不足していると痩せていきます。だから体重を増やすためにはエネルギーを多めに摂取しなければいけないのは当然です。
ただそれは必ずしも糖質である必要はないんじゃいの?ということです。痩せ型糖尿病の方の場合、太るために糖質を食べて血糖値を乱高下させる必要はないでしょう?
「糖質を摂らないと筋肉が落ちてますますガリガリになるんじゃないか」と心配する方もいらっしゃいますが、そんなことないです。よっしーは糖尿病発覚時より筋肉量増えています♪
肉をたっぷり、それからナッツや野菜を食べていたがお米なんてまったく食べていなかったはずのネアンデルタール人は、現代人よりずっと筋力があってたくましかったそうですね。ま、そういうことです。
まとめ:糖質以外でエネルギーを補っていきましょう
食べすぎてもあまった中性脂肪をどんどん皮下脂肪としてたくわえてしまう人たちと違い、食べてもそこまで太れないタイプの方は高脂血症や脂肪肝になりやすいのです。
だから体重を増やしたいと言っても、糖質に頼るのは考え物です。良質の脂質や間食をうまく取り入れて、血糖値を上げずにエネルギーを増やすことを考えましょう。チーズなどもお勧め。
糖質をたくさん食べなくても筋肉を増やすことは可能です、糖尿病合併症のある方は運動制限があるので必ず医師の指示を守り、無理のない運動を行うようにしましょう。
タンパク質や良質の脂質を豊富に含んだ食材の中で、自分が好きでこれなら食べられそうだと思うものをなるべく多く見つけるといいですね。