糖質の多いものを食べる行事は多い…
日本には、七草がゆや冬至のカボチャ、節分の恵方巻など、糖質の多い食材を食べる行事がかなり多いです。
でも、よっしーは糖尿病、それも重度の。よっしーの主治医ならきっと「1度ぐらい血糖値が上がっても死ぬわけじゃないんだから食べればいいよ~」とおっしゃるでしょう。
また「このサプリを飲めば何を食べても大丈夫です」という方も「好きなものを食べて食後に運動すればいいじゃないか」と思う方もいらっしゃるでしょう。
でもよっしーは、残念ながらサプリや運動では「何を食べても大丈夫」とまで食後血糖値を下げることは出来ませんでした。それでも運動は大事だと思うので適度に運動はしていますけど。
よっしーは昔から、日本の伝統的な季節行事は欠かさず行ってきました。「無病息災を願って〇〇を食べる」って行事は多いですよね?でも糖尿病になりました。
今でも初詣に行きますし、神様に守ってほしいと言う気持ちがないわけではないです。ただ、なーんにも努力しないでただ「神様守って~!」とお願いするよりも、自分でできるだけの努力をした上で神様のご加護を…そのほうがいいと思います、よっしーは。
下の子のお友達に幼少時からお米アレルギーの子がいますが、その子がお米を食べられないからと言って神様が意地悪してその子を守ってくれないとは思いません。そうでしょう?神様って、そんなに心が狭いでしょうかね??
自分が患者だからこそ…
医師・管理栄養士・糖尿病療養指導士など「糖尿病患者と接するプロ」の方の中には、糖質制限が大嫌いな方もいらっしゃいますよね。
「日本人は農耕民族なのになぁ」「バランスが大事だと思います~」「お米はジュースやお菓子とは違う」等々。
よっしーはおおむねバランスの良い和食を心がけていて運動もしていたのに2型糖尿病になりましたけどね。そんな中、藤川徳美医師のブログを読んでいて「お!」と思う記事を見つけました。
かつて故・三石巌先生は糖尿病を発症して、患者の立場としてものを考えることが出来ました。故・ライナス・ポーリング博士も病気で死にかけた経験からオーソモレキュラー療法を考案されたそうです。
糖質制限ドクターの江部康二医師や宗田哲男医師は、ご自身が2型糖尿病患者でいらっしゃいます。江部先生のご両親は、ともに2型糖尿病です。
糖尿病ではないドクターにも素晴らしい方はたくさんいらっしゃいますけど(よっしーの主治医も糖尿病ではないです)、やっぱり糖尿病患者の気持ちは、当事者でなければ分からないと思います。
仕事として糖尿病患者と接するのと、自分も糖尿病患者で…というのとでは、やっぱり切実さが違うと思いませんか?後者の場合、決して他人事ではないんですから、真剣にならざるを得ませんよね。
よっしーの通っている病院には、糖尿病専門医の先生が何人かいらっしゃいます。主治医は「結果が出ているから、まっいいよ」という感じで、糖質制限については理解をしてくれています。
自分も軽い(?)糖尿病だという別の医師は「糖質制限って効果的だけど、続けるのが大変でしょう?」と心配してくれたことがあります。
よっしーの夫だって、理解してくれようとしてるとは思います。でもやっぱり、当事者の気持ちは夫には理解できないと思います…自分がその立場を経験してみないとどうしても分からないことってあると思うんです。
いくら糖尿病患者さんたちと接しているプロの方だからと言って、自分が糖尿病でもないのに本当に患者さんの気持ちになることができますか?無理ですよね…
子供を産んだことのない人に「つわりなんて大したことないんでしょ?」と言われても困りますし、子供が3人いるけどいずれもつわりがめちゃくちゃ軽かったという女性が、「つわりは甘えだ」と言うのも変です。
何しろ、つわりが重症で入院する女性もいらっしゃるんですから…自分がどうってことなかったからといって他の人も自分と同程度だと決めつけられたくありませんし、まして未経験者には…そうでしょう?
ちなみに、よっしーは普通程度(?)につわりがありました。1日3回嘔吐してました…ご飯が炊けるニオイで気分が悪くなったりしました。
つわりと言えば、カルピンチョ先生がとても興味深い記事を書いていらっしゃいます。ぜひ読んでみてください。
色々な人がいるんだということを忘れずに
家族に糖尿病患者がいても、自分が当事者でなければやはり分からないことはあるはずです。自分が糖尿病でも、ごく軽度の方には重度の患者の苦労は分からないでしょうし、糖尿病合併症のない方には合併症のある患者の気持ちはやっぱり分からないでしょう。
よっしーは2型糖尿病の患者の中ではかなり病気の程度が重いほうだと思いますが、1型の方の苦労はやっぱり分からないこともあります。分かりたいと思いますが、やっぱり当事者でなければ分からないことは少なくないです。
だからこそ、自分の経験だけがすべてだと思って「自分はこの方法で効果があったので他の人も同じはずだ」などと言うべきではないと思うんですよね。
よっしーが日頃から「自分の場合はこうだったけど、必ず血糖測定をして確認してみてくださいね」と書いているのは、そういう理由です。
「テレビの健康番組で偉い先生がこう言ってました~」っていうのも、すべての方に当てはまるとは限らないんですよね、残念ながら。
もっとも、権威に弱いタイプの方は「〇〇大学の先生がテレビでこう言ってた」というだけで信じちゃいそうですが…同じことをしても、すべての糖尿病患者に同じ効果があるとは限りませんからね。
やはり、誰かの体験談はあくまでもひとつの体験談、それ以上でもそれ以下でもないということで参考程度にとどめておくのが良いようです。
教科書に書いてある糖尿病の治療法で誰もが改善するなら苦労はしません。教科書に書いてあることと違う指導を勝手に行ってはいけないのは理解できますが、標準治療で効果が出ない患者の気持ちをどうか分かってくださいませ。
糖尿病ではない方から糖質制限を頭ごなしに否定されたくありません。「日本人だからお米を食べろ」と言われても困ります…誰かの事情よりも自分の健康のほうが大事です。
プロの言うことをきっちり守りさえすれば誰もが糖尿病が改善して合併症も絶対進行しないと言うなら、よっしーだって従いますよ。
でもね、現実はそうじゃないですよね。遺伝ではなく暴飲暴食で発症した肥満体型の方なら、簡単に効果が出ると思いますが…それ以外の患者は運が悪かったのだと諦めるしかないですか?
相手のことを分かろうとすることが大事
糖尿病じゃない人には、糖尿病患者の気持ちは分からないと思います。また、糖尿病患者であっても、早期発見してすみやかに改善した人には、糖尿病合併症と戦っている患者の気持ちはやはり分からないと思います…
ただ、分からないのは仕方がないとしても、大事なのは「少しでも分かろうとする気持ちがあるかどうか」ではないでしょうか。
世の中には自分とは違う人たちがたくさんいて、自分は何とも思わないことでも、ある人たちにとってはそれがすごく重大なことなのかもしれない。そう考えることができる人なら、何かにつけ無神経な発言はしないと思うのです。
糖尿病専門医・管理栄養士・糖尿病療養指導士・スポーツトレーナー・薬剤師・看護師など糖尿病患者と接しているプロのみなさんにお願いがあります。
糖尿病治療はとても大事ですし、みなさんが学校で勉強した教科書に書かれている方法で血糖値が改善する患者もいらっしゃいますが、全ての患者がその方法で改善するとは限らないことをどうか知ってください。
標準治療で治らない患者に「教科書に載っている標準治療以外は絶対にダメですよ!」と言われても本当に困ってしまいます。あなたの大事な家族が同じ状況になった時、同じことが言えますか?
また糖尿病患者が高強度の運動をやたら行うと危険なことがありますが、多くの指導者はそのことをよくご存じないのでは?
糖尿病患者の運動療法には危険を伴う場合があること、運動するからと言って何を食べてもいいわけではないこと、フィットネスの現場で働く皆さんに知っておいてもらいたいです。
プロのプライドはこうであってほしい
これまでにいろいろな専門家の方たちを見てきましたが、中には「自分はプロだ、専門知識があるんだ!素人どもはだまって私の言うとおりにしろっ!」的な方もいらっしゃるんです。
プライドを持つのは結構ですけど、どうせなら「自分はプロだ!」じゃなくて「自分の受け持ち患者さんたちの中から一人の糖尿病合併症も出さないぞ!」というようなプライドを持っていただきたいなぁと。
最近ではマニュアルにとらわれず、糖質制限をはじめとして実際に自分の体で試してみて良かったと思うことを日々の指導に生かしているというプロの方たちも少しずつ増えてきましたよね。とてもありがたいことです。
とはいえ、大きな病院に勤めている方たちは特にマニュアル通りの指導しかできないと複数の方から聞いています。マニュアルそのものが変わる日はそう遠くはないでしょう。