糖尿病患者にカーボカウントも教えずにインスリン打たせて大丈夫?

カーボカウントって何でしょうか?

みなさんは「カーボカウント」についてご存知ですか?カーボカウントとは、食事に含まれる糖質の量を計算して食後血糖値を調整する方法です。

実際にはタンパク質で間接的に血糖値が上がる方もいますし、脂質そのものは血糖値を上げませんが消化吸収のスピードを遅らせるので、いろいろと難しい点はありますが…

インスリン注射1単位でどれだけ血糖値が下がるかは個人差もあるのでまずこれを把握し、食事の糖質に合わせてちょうどいい量のインスリンを注射して高血糖や低血糖がなるべく起きないようにします。

病院で一般的に指導される「主食は1日に10単位(1単位は80kcal分)で、果物は1単位で…」というアレも1日に摂取する糖質の量をある程度一定にするという意味ではカーボカウントかもしれません。

しかしここで言うカーボカウントとは、その食事ごとにきちんと食事の糖質量とインスリン注射量をマッチさせる応用的なカーボカウントのことを言っています。

よっしーは糖尿病性ケトアシドーシスで緊急入院して、最初の1~2日目はとにかくしんどくて物事を考える余裕もなく、また食事も絶食でした。

しかし3日目あたりからだんだん体調が落ち着いてくると、退院してからの食事のことを考えなければいけないなぁと思うようになりました。

まじめん
食事に含まれる糖質の量をきちんと把握しないでインスリンを注射するのは、とても怖いことですよね!

よっしー
そうでしょう?インスリン注射には劇薬マークもついているのよ、いったん打ってしまったらある意味取り返しがつかないわけだし。。

いわゆるカーボカウントの指導はなかったです

糖尿病教育入院をした方と一緒に糖尿病教室に参加しましたが、食事に関しては先述のいわゆる普通の糖尿病の食事指導しかされませんでした。

よっしーは「退院したら糖質制限をしたい」と思っていたのですが、最初はなかなか言い出せず…「あのぉ、カーボカウントをやってみたいのですが」と言うのが精いっぱいでした。

糖尿病内科の先生方はそれを聞いて「カーボカウントはねぇ、1型さんの一部の方が熱心にやっているけど、難しいよー?」と。

ちょっと待って、よっしーは退院後も1日4回2種類のインスリン注射(ランタス1回、アピドラ3回)を継続することになっていました。

インスリンを1日4回注射するのに、カーボカウントの勉強をしなくてもいいの?カーボカウントをまったくしないでインスリン注射をしている患者さんがたくさんいるってこと!?

先生は「1型さんの一部」とおっしゃいました。ということは、1型糖尿病の方のうちいくらかと2型糖尿病の方の多くはカーボカウントをしないでインスリン注射をしていることになります。

病院で教わった通り、毎食ごはんの量を一定にして指示された量のアピドラを注射していればそれほど極端な高血糖や低血糖は起こらないかもしれません。

でも、「今日は外食だからちょっと多めにアピドラを注射しようっと♪」と適当に多めに打った時、低血糖を起こすことは珍しくないのではありませんか??

糖質量の「読み」が外れると大変だよ~!

病院で糖尿病患者全員が習う食事方法で、じゃあ昼食で主食を3単位食べましょうと決めたとします。

このとき、ご飯だろうとパンだろうとうどんだろうと、自分の好きな主食を3単位分選べばいいわけですよね。

白米ご飯で3単位摂取すると、糖質は約52.3gになります。これと同じカロリーを食パンから摂取すると6枚切り1.5枚で糖質量は約40.2gになります。

カロリーはまったく同じなのに、これだけで糖質量の差が12.1gも生じているわけです。きちんとカロリー計算する人ならまだしも、アバウトな方ならもっと誤差は大きくなるでしょうね。

アメリカのバーンスタイン医師は1型糖尿病でインスリン自己分泌がゼロの患者さんでもありますが、彼は糖質制限を1型糖尿病患者にも勧めています。

具体的には、朝食で糖質6g・昼食と夕食で12gの合計30gまでに制限します。先生自身はこの食事でインスリンは持効型を1日6単位と食事用を1日合計10単位ぐらいだそう。

「どうせインスリン注射をするんだから糖質制限しなくても注射して好きなものを食べればいいじゃないか」と思われがちですが、それにはちゃんと理由があるみたい。

たくさん糖質を食べてそれに応じた量のインスリンを打って調整しようとすると「うっかり読みが外れた」時の血糖値への影響は非常に大きなものになってしまいます。

でも糖質制限ならもともとわずかな糖質量なので、ちょっとばかり読みが外れてもその影響は最小限で済むというわけです。

ああもちろん、バーンスタイン先生が患者さんたちに糖質制限を勧める理由はこれだけではありませんけど…

外食時など、普段とかなり内容が異なる食事をしてインスリン注射を打つのは大変なことだろうと思います。どうしても読みが外れやすくなります。

普段カーボカウントをなさっている方ならともかく、全然そんなことをしていない方たちが適当に多めに打ったりして大丈夫なのでしょうか?

血糖値さえ測定してない患者も多い

糖尿病教室で理学療法士さんが「低血糖になったと思ったらすぐブドウ糖を舐めましょうね」とおっしゃっていたので、後で「自己血糖測定をしていない方も多いようですが勧めなくていいのですか?」と質問しました。

すると「ご年配の方は機械の使い方がよく分からないという方が多いので、血糖測定器は難しくて使えなかったりするんですよ~」と。

さすがに血糖測定もしないでインスリン注射をしている方はいらっしゃらないと思いますが、経口血糖降下薬を何種類も飲んでいるのに血糖測定をしない方は多いのでしょうね…

よっしーは退院する前に主治医から「低血糖になったらブドウ糖を舐めてね」と言われて3回分出してもらいましたけど、結局1度も使ったことがありません。

しかしインスリン注射をなさっている方たちは、低血糖はかなりよく起こっているみたいです。ツイッターなどでしょっちゅう見かけます。

自分ですぐにそれと気づいて対処できればいいんですけど、睡眠中にそのまま…ということもありますよね。神経障害があると、低血糖の初期症状が出ないこともありますし。

以前エアコン修理に来たお兄さんから「糖尿病のおじが車の中で低血糖で亡くなっていた」と聞かされてぞっとしました!

ちなみに高血糖は良くありませんが、低血糖の時に眼底出血が起こりやすいそうです。高血糖と低血糖を繰り返すことは、とても危険なのですよね。

高齢の糖尿病患者でHbA1cを低くし過ぎると死亡率が上昇するというのは、普通に糖質を食べながら薬やインスリン注射で血糖値を厳格に下げようとすれば低血糖はどうしても起こりやすくなってしまうからです。

糖質制限はカーボカウントより簡単だと私は思います

インスリン注射で恐ろしいのは低血糖ですが、インスリンが多く体内を循環すること自体による健康への害も決して無視できるものではありません。

決して「インスリンさえ打っときゃ、低血糖にさえならなければ何をどれだけ食べても平気よね」というわけじゃないんです。特に2型でインスリン抵抗性がある場合は、高インスリン血症が心配です。

そういうリスクがあることを踏まえて、それでも自分はカーボカウントをして普通にご飯やパンを食べたいという方は別に良いと思います。治療方法の選択は個人の自由ですもん。

ただ、よっしーは個人的にはカーボカウントはかなり難易度が高いと思っています、病院で先生方がおっしゃっていたように。

よっしーのようにズボラな方、面倒くさいことがキライだと言う方は糖質制限のほうがラクで良いかもしれません。

糖質摂取量は少なければ少ないほどいい(理論上糖質ゼロでも問題ないですが実際には無理です、野菜や豆にも入っているので!)ので、細かい計算はいりません。

「主食を抜く代わりに、同じぐらいのボリュームの肉や魚・卵などのタンパク質と脂質のおかずを足す」と覚えておけば基本的にはOKですしね。

肉・卵・チーズのMEC食も、これだけは食べなければ…という量が非常に分かりやすく覚えやすいので初心者の方にもお勧めです。

低血糖になってから対処するよりも予防を!

低血糖の自覚症状が出たらブドウ糖を舐めましょう、ということは病院できちんと教わるはずです。よっしーもそれは習いました。

でも、そもそも低血糖が起こらないような食事や糖尿病治療をしていればいいんじゃないかな…と思うんですけどね~。

糖尿病ではない方も「今朝、遅刻しそうになったので朝食を抜いたから低血糖っぽいわぁ、しっかり甘いもの食べて糖分補給しないとーアハハー」なんて会話、たまに耳にします。

もちろん中には先天的な病気をお持ちの方で、数時間おきに糖質を摂取しないと低血糖になって生命に危険が及ぶ方もいらっしゃいます。でもほとんどの方はそうではないはずなのに。

そのような病気がなければ、低血糖は糖質制限をするから起こるのではなく、普通に糖質を食べてインスリン注射で下げようとするときに起こります

どのような食事や治療方法を選択するかはひとりひとりの患者の自由ですけど、せめて病院ではもうちょっと「糖質量とインスリン注射の量がマッチしなかった時の危険性」を教えていただきたいものですね。

まじめん
インスリンは強い力を持つので、低血糖のことはもっと真剣に考えないといけないんですよね。

よっしー
低血糖になってから対処することは大事だけど、そもそもどうしたら低血糖が起こりにくくなるかを考えて教えないとね!

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