1食でどれぐらいの糖質を摂取したらいいの?
糖尿病患者の皆さんは誰でも食後血糖値がどれぐらい上がるか気になると思いますけど、では血糖値を上げる「糖質」の量を1食あたりどれぐらいにセーブしたらいいと思いますか?
江部康二医師のスーパー糖質制限は、1食あたりの糖質量を20gまでに制限することになっています。しかしこれは「20gぐらいがちょうどいい、これ以上糖質を減らしすぎると健康に良くない」という意味ではありません。
健康体(きちんと脂肪をエネルギーとして利用できて肝臓で糖を作り出すことができる)であれば理論上、糖質の摂取量はゼロでも良いそうです。
↑こんなふうに、きちんとやってみたこともないのに決めつけちゃう先生もまぁいらっしゃらないわけではありませんが…
ただそれだと現実問題としてまず実行できませんよね、野菜や豆やブラックコーヒーにすら糖質は含まれているんですから。
だから「20gぐらいまでならまぁよしとしましょう」というわけです。実際、糖質20gでは食後血糖値が150を超えてしまうのでもっと減らしている方は山ほど知っていますよ。
糖尿病患者は1食でどのぐらいの糖質を摂取すべきか分からなくて迷っている方は多いものです。中には「ご飯食べたら血糖値が爆上がりした!でも極端な糖質制限は良くないらしいし…」とどうしたらいいか分からない状態の方も。
根拠はよく分からないけどテレビで言ってた、どうしよう~!!みたいにすぐ動揺する人は多いんだよな。
誰が何のためにそう言っているのかな?と冷静に考えてみれば、いちいち振り回されることも無いんだけどね。
同じ量の糖質を食べても血糖値の上がり方には個人差があります
じつは、糖尿病患者でも同じ量の糖質を食べてどれだけ血糖値が上がるかは個人差があります。私は1gの糖質で血糖値が3ぐらい上がるのですが、これは2型糖尿病の典型的な上がり方です。
ガタイのいい体重の重い男性ならもうちょっと血糖値は上がりにくく、小柄でほっそりした女性や子供はもっと血糖値が上がりやすいそうです。1型糖尿病の方は5ぐらい上がる方が多いそうです。
健常者の方は糖質を1g食べても血糖値は1も上がりません。境界型糖尿病と言われる方であれば1.5ぐらいかもしれませんね。
まったく同じものを同じだけ食べても血糖値の上がり方には個人差があるのですから「俺はこのぐらい食べても血糖値はそれほど上がらないのでお前も同じぐらい食べても平気なはずだ」などということは言えないんですね。
こういう個人差を考慮せずに「1食あたりの糖質を〇グラムぐらいにするのはいいけど、それよりも減らすのは極端だから良くないと思う」などと言わないで欲しいのですよね。
糖尿病患者の中にもいろいろな方がいて、軽度の方から見たら極端な方法に思えることをしないと正常血糖値を保てない方もたくさんいらっしゃいます。
また「俺は食後血糖値は180ぐらいでいいや」と思うか「私は140以下を目標にしたい」など、その方によって目指す目標も違ってきますよね。
だから、1回の食事でどれだけの糖質摂取量にとどめるかは「その人によるんじゃないの?食後血糖値を測ってみたらいいんじゃないかなぁ」としか私には言えないですね。
血糖値が上がらなければどれだけ糖質を食べてもいい?
では、自分の食後血糖値が目標範囲内であればギリギリの量まで糖質を多く摂取しても何も問題は無いのでしょうか?血糖値の事だけを考えるなら問題は無いでしょう。
でも問題は、糖質を多く摂取することと関係のある病気は糖尿病だけではないということなんですよね…orz
糖質をしっかり食べていて糖尿病ではないけど中性脂肪が高い方、血圧が高い方、あなたの周囲にもいらっしゃいますよね?
糖質を100gぐらい食べても血糖値はあまり上がらないのに、あえて10gぐらいしか食べてないと言う方たちもいらっしゃいます。彼らは血糖値以外のことも考えてそうしているのだと思います。
私は糖質は多くの方にとっては必需品ではなく嗜好品だと考えています。分かりやすくお酒に例えて考えてみましょうか。
誰かが「完全に禁酒すると、耐アルコール能が低下して次にお酒を飲んだときに酔いやすくなっちゃうんだって!だから禁酒するより毎日適度に飲んだほうがいいんだって」と言っていたら、あなたは信じますか?
生まれつきお酒を飲めない方もいらっしゃいますが、まったくお酒を飲まないからと言って特に体に悪いことが起こるとは思えません。お酒の飲みすぎは確実に体に良くないです!
そして、みんながお酒を飲まなくなると困ってしまう人たちはたくさんいます…糖質制限に関していろいろ言われるのも、このあたりと関係があるんじゃないでしょうかね?
どうしたいのか自分でよく考えて決めましょう
日本は医学が進んでいる国のはずなのに、残念ながらきちんと病院へ通っていても必ずしも糖尿病が良くなるわけではありません。
医師のいうことを聞かずに好きなだけ食べている患者だけが糖尿病が悪化するのであれば、年間に3000名が失明・16000名が新たに人工透析導入・3000名が足を切断ということになるはずがないでしょう。これは日本国内だけの数字です…
世の中にはいろいろな体質の方がいて、またいろいろな商売をしている方もいらっしゃいます。だから糖尿病患者の食事療法ひとつとっても実にいろいろな意見が飛び交うのは当然かもしれませんね。
「いったいどの話が正しいのかわからないじゃないの!」と思ったら、実績を読んでみるといいんじゃないでしょうか。
上の画像の著者の水野雅登先生の患者さんたちの中には、大量に打っていたインスリンを完全にやめられた人がたくさんいらっしゃいます。
普通、食事前のインスリンならともかく、持効型インスリンまで打っていた人がインスリンを完全に中止できることはほとんど無いと言われています。
それをやめることができたというのはどういうことなのか…ですよね♪でも、何を信じて実践していくかはあなた自身が自分でよく考えて決めてくださいね。
自分が信じたいことを信じるのもいいけど、実績がどのぐらいあるかをきちんと判断してみるといいかもしれないニャー。
そうね、継続しやすくても結果が出ないんじゃどうしようもないからね♪