トンカツは糖尿病患者的にはOKなの?

トンカツで動脈硬化が進行?

糖質制限の江部康二先生のブログのコメント欄に、糖質制限をしたせいで動脈硬化が急速に進行したのではないかという症例を見て不安になったという方がいらっしゃいました。

この症例は以前にも見かけたことがあります。なんでも、トンカツが好きな方だそうですね。

ちょっと前、糖尿病学会の山田悟先生はテレビで「トンカツの衣ぐらいはたいしたことがないので大丈夫です」とおっしゃっていたと思いますし、気にしないで食べている方も多いのでは?

でもね、よっしー、先日(FreeStyleリブレを装着していたとき)お肉屋さんの美味しいトンカツを買ってきて衣を半分はがして食べてみたんですけど、かなり血糖値が上がって、しかもなかなか下がらずにダラダラと高血糖が続いたのでびっくりしたんですよ
(´;ω;`)

カロリーSlismさんのデータではトンカツ1枚あたりの糖質は約8.2gしかなかったので安心していたんですけど、衣半分はがして食べてもかなり血糖値が上がったのは事実です。

セブンイレブンのサクッとメンチは小さいけど、炭水化物13.5gあります。ほぼすべて糖質でしょうね。

大きさを考えても、実際にお店で売られているトンカツはかなり糖質が多いのではないかと思います。糖質が多いソースをかけて食べる人もいるでしょうし。

…スーパーで売られているような安価なトンカツは、中身が小さくて衣が分厚い=高糖質なのでは??

よっしーが買ってきたお肉屋さんのトンカツは、トンカツ自体の大きさがかなり大きめでした。いくら衣を半分はがしたとしても、それでも十分に糖質が多かったのでしょうね!

本当に糖質制限が原因なのか?

では、リンク先で紹介されていた症例について考えてみたいと思います。

BMI21の男性、66歳。母親が40代の若さで心臓病で亡くなっている。
お菓子は特別好きではなく、肉類全般・魚・野菜は好き。
運動をかなりやっていて体脂肪は少ない。
飲酒は3日に1度程度。

5年前から主食を抜き、「豚カツなど肉や脂・油いため・揚げ物を意識して沢山食べていた」

Cr=1.17 LDL=150 TG=396 HDL=36 食前血糖=80
血管にたっぷりとプラークの堆積を認め、脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル4だそうです。

この方を診察した医師は「糖質制限のせいでこうなった」と考えていらっしゃるみたいですね。ではひとつひとつ検証してみましょうか。

Cr(クレアチニン)とは、腎機能を調べる上でのひとつの指標です。筋肉に含まれるアミノ酸の一種のクレアチンが代謝されてクレアチニンとなって腎臓を通して排泄されるのですが、この数値が高すぎると急性腎炎、慢性腎炎、腎不全、腎盂腎炎、尿毒症、尿路結石などの病気が疑われます。

ちなみに、筋トレをよく行っている人は基準値の範囲内で数値は高め、女性は男性よりも低めになるようです。低すぎると筋ジストロフィーという病気の可能性がありますが、低すぎることはめったにないようです。

この症例の方はクレアチニンが正常値の上限をオーバーしています。腎臓の機能が低下し始めていることが考えられます。何が原因でしょうか?

「タンパク質の摂りすぎが腎機能を低下させるのだ!」と思う方も多いでしょうけど、実は、すでに腎臓の病気がある人ならともかく、健康な人の腎臓が高タンパク食によって悪化するという明確なエビデンスはまだ無いのだそうです。

確かに、高タンパク食で腎臓が悪くなるなら、アスリートやボディビルダーの方たちはみんな腎臓がダメになってしまいますよね…!ちなみに、よっしー、上の画像のプロテインを愛用してます♡クッキー&クリーム味がいちばん好き。

体づくりを本格的に行っている方であれば、体重60kgならタンパク質120gは摂取しています。もっと大量に摂取している方たちもいますよ。

では、もっとも腎臓にダメージを与えるものって何でしょう?答えは高血糖です。よっしーは糖尿病と診断されたとき、両方の腎臓が腫大していると言われ、タンパク尿と血尿も出ていました。

タンパク尿と血尿は1年以内にまったく出なくなり、微量アルブミン尿だけになり、現在ではアルブミンの出る量も減って来たかなという感じです。

高血糖により腎臓の細かい血管がダメージを受けますと、本来漏れてはいけない細かいタンパク質(アルブミン)がまず漏れ出すようになり、もっとダメージがひどくなるとタンパク尿が出るようになります。

症例の方は空腹時血糖値が80とありますけど、もし食後血糖値が意外に高くなっていたとしたら?それと何らかの原因で動脈硬化が進行し、腎臓の血管でもそれが起こっていたとしたら…腎機能が低下してもおかしくないですよね。

そしてLDL=150 TG=396 HDL=36というのは、大いに問題のある数値だと思います。とても糖質制限している人のデータとは思えません。典型的な「メタボ」タイプですよね。

よっしーが先週糖尿病内科で検査した時のデータはLDL=107 TG=47 HDL=84でしたけど、どう思われますか?

HDLコレステロールが少なくてLDLコレステロールが多くTG(中性脂肪)が多いというのは、動脈硬化が進行しやすい、もっとも悪いパターンとされています。

この方は運動をたくさんしていて体脂肪率が低く、お酒もそれほど飲むわけではないようです。それなのにこんなに中性脂肪が高いのは、どういうわけでしょう?

食事をすると糖質や脂質が入ってきますが、使い切れなかった分は中性脂肪として蓄えられます。特に、糖質と脂質を一緒に大量摂取すると、インスリンの働きで非常に中性脂肪になりやすいです。

またヘルシーと思われがちな果物に含まれる果糖はブドウ糖ほどは血糖値を上げませんが、ダイレクトに中性脂肪に変わります

きっちり糖質制限をしていて脂質を大量に摂取すると結局、余って中性脂肪になるんじゃないの?と思われるでしょうけど、脂質単独では食べた分がすべて吸収されるわけではないようです。インスリン追加分泌もほとんどありませんし。

というか、脂質単独で太れるほど大量に脂質を摂取するのは困難かもしれません…バケツ1杯のバターを食えと言われても、それは無理というものです。フードファイターの方たちならどうだか知りませんけどね。

糖質だと、そこまでたくさん量を食べなくても簡単に中性脂肪になってしまいます。

この方はかなり運動しているということですが、ちょっと運動したぐらいではチャラにできないところが恐ろしいですよね。

ゆるやかな糖質制限をしている「つもり」が危ない!?

まだ糖尿病ではない方の場合、1食あたりの糖質摂取量が30~40gぐらいの「ゆるやかな糖質制限」で十分だと江部康二先生や山田悟先生は考えていらっしゃるようです。

実際にそれで十分なのかどうかは分かりませんけど、自己流で「ゆるやかな糖質制限」をしている方たちって、いつもきちんと1食あたりの糖質量が30g~40gになるように計算して食べていらっしゃるのでしょうか?

「ご飯さえ食べなきゃ、トンカツやから揚げは大丈夫だから~」とでっかいトンカツをモリモリ食べ、意外に糖質が多い副菜もしっかり食べ、実は合計糖質量は70gを超えてた…なんてこともあるのでは?

外食がちのサラリーマンが「ゆるやかな糖質制限」を正しく実行するのは、じつはかなり難しいことではないでしょうか?

自炊のときはちゃんと糖質をセーブできていても、外食だと驚くほど血糖値が上がることがありますよ、よっしーも。外食って、どんな調味料がどれぐらい入っているか分からないですもんね。ハンバーグも、かなり糖質が多いことがありますね。

中途半端に糖質だけ減らした「つもり」でも、結局インスリンは大量に出ています。追加インスリンが分泌されたとき、食べたものは中性脂肪に変わりやすくなります。糖質をたくさん摂取して、その上たっぷりの脂肪があると、その大部分は肝臓に蓄えきれずに余って中性脂肪になります

糖質だけを食べた時以上に、糖質と脂質を一緒に摂取すると太りやすくなり、中性脂肪が増えてしまい、あり余った脂肪はどこへもいくアテがないので、「異所性脂肪沈着」を起こします。

これは筋肉内など、本来は脂肪ではない部分に脂肪が沈着した状態です。霜降り肉ですよね。これが糖尿病などさまざまな病気の原因になることを考えると、「中途半端な糖質制限もどき」はかえってよくないでしょうね。

トンカツはとても美味しいけれど…

トンカツは、とても美味しいですよね。でも残念ながら、糖質と大量の脂質の合わせ技、それも外食ではどんな揚げ油を使っているのかを考えますと、トンカツはあまり体に良いとは言えない食品と言うしかありません。

よっしーだって、トンカツは好きなのです。でも、好きかどうかと健康に良いかどうかは別なので…健康に関するブログに嘘は書けないです、トンカツ屋さんごめんなさい
(´・ω・`)

「トンカツの糖質なんて大したことない、この程度の糖質をいちいち気にしてどうするんだ!」と言っているあなた、トンカツを食べた後の血糖値を測定したことがありますか?そして血液検査の脂質関連の数値は正常ですか…?

LDLコレステロールが高いから青魚や大豆を食べなきゃ!なんて言ってる方は多いと思いますけど、それで何とかなる方ばかりではないのではないでしょうかね…

今回紹介した症例の方ではありませんけど、空腹時血糖値や体脂肪率が低くて安心していると、大変なことになるかも…しれませんよ!?

糖質制限、やるなら中途半端ではなくきっちりと行ったほうがいいですね。1食あたりの糖質量20gまでがいいと思います、理想的には。

ゆるやかな糖質制限をされる方は、脂質の摂取量や質、血液検査の結果にはどうか気を付けてくださいね。

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