糖尿病と診断されても危機感が薄い方たちもいる
アメリカ糖尿病学会のサイト、なかなか面白いです。英語が好きじゃない方は翻訳機能を使えばいいですが、かなりヘンな日本語になります(´・ω・`)
目の糖尿病合併症について説明されたページを読むと「糖尿病患者は健常者と比べて緑内障になる確率が1.4倍」「糖尿病患者が白内障になる確率は1.6倍」などと書いてあり、かなり凹みますorz
でも、これは現実としてきちんと受け止めた上で「ではどうしたらいいのか」を考えないとね。
正直、同じ糖尿病患者でもずいぶん温度差があると感じています。よっしーは糖尿病と分かった時すでに重度で合併症も出ていましたけど、早期発見してまだ合併症が何もない軽度の方はどうしても油断しがちじゃないですか?
というわけで今日は、糖尿病合併症の神経障害・網膜症・腎症すべて経験済のよっしーが「糖尿病合併症の恐ろしさ」についてお話したいと思います。
症例写真がありますので、苦手な方はここから先の閲覧はお控えください。文章だけだとどうも合併症の恐ろしさが伝わらないみたいなので、あえて使わせていただきます。
体中の神経がおかされていく…
血糖値が高い状態が続くと、神経細胞の中にソルビトールという物質が蓄積され、少しづつ神経が障害されてしまいます。
また高血糖が続くと細い血管の血流が悪くなり、神経細胞に酸素や栄養が行きわたらなくなることからも神経障害は起きるとされています。
手足の神経が障害されると、しびれや痛みが起こります。よっしーは糖尿病と診断された時、足の指がしびれたりチクチクすることがありました。
そのまま放置すると今度は感覚が鈍くなり、足の裏に画びょうが刺さったまま気付かずに1日歩き回っていた方もいるそうです。
目を動かす神経の異常で、眼球が動かせなくなったり、ものが二重に見えることもあります。
血糖コントロールが良くないと、神経障害、血流障害、感染症などにより足に潰瘍が出来たり腐ってきてしまい、最終的には切断しなければいけなくなってしまいます。下の画像は生活習慣病ナビ様のサイトからお借りしました。
また、高血糖は自律神経をも傷つけます。自律神経とは、自分の意志とは無関係に体を制御しています。
自律神経障害になると、胃や腸、膀胱などが正常に動かなくなり、吐き気・便秘・下痢・排尿障害などになることがあります。男性の方はEDにも高い確率でなってしまいます。
また心臓の拍動の調整もうまくいかなくなり、運動中に突然死なんていうこともあるんです。激しい運動が好きな糖尿病患者は特に気を付けなければ…
神経障害は、初期のうちであれば血糖値が改善されれば治ってしまうことが多いそうです。よっしーも、足の指のしびれはすぐに治り、安静時の脈の異常も1年以内に消えました。
目が見えなくなったら大変です!
糖尿病になると、細い血管から障害されていきます。目の中の血管は細く、高血糖によるダメージを受けやすいのです。
糖尿病で目が見えなくなる、ということは多くの方がご存じだと思いますが、実は手遅れになる寸前までほとんど自覚症状が無いことも多いのです。
上の図はメディマグ糖尿病様のサイトからお借りしました。よっしーは「単純網膜症」でして、白い砂利をばらまいたようなヤツ(硬性白斑)が10個ぐらいあったのですが、ようやくすべて消えてくれました。
単純網膜症の段階であれば血糖値の改善により完治もありますが、それ以降の段階になると完全に元通りの状態に戻すことは難しくなってしまいます。
糖尿病網膜症の女性が妊娠すると、妊娠中に網膜症が悪化することがあります。また高強度の運動により眼底出血が起こることがあるので、網膜症のある方は激しい運動は禁忌です。
上のグラフは、さけみ眼科様のサイトからお借りしました。糖尿病と診断されてからまだ5年以内の方では、網膜症ではない方のほうがずっと多いですし、あったとしても無症状の段階であることがほとんどです。
でも、発症してからの期間が長くなればなるほど網膜症は出てきますので、くれぐれも油断しないでくださいね。
また緑内障や白内障などの病気は糖尿病ではない人もかかりますが、糖尿病だとぐっとかかりやすくなります。
白内障は手術で視力を回復できますが、緑内障は40歳以上の日本人の20人にひとりがかかっていて(糖尿病患者だけならもっと多いです)、しかも進行するまでは無症状です。
上の図は健康長寿ネット様のサイトからお借りしました。いったん視野が欠け始めると、もう元通りに治すことは出来ません。自覚症状がまったくないうちに気付いて治療を開始しなければ…
よっしーもたまたま眼科で「眼圧が高い」と言われてラタノプロストという目薬を1日1回さし、正常眼圧を保っています。
緑内障は恐ろしい病気で、少しづつ視神経が押しつぶされ、最後には失明してしまいます。緑内障と糖尿病網膜症は日本では後天的な失明の原因のトップを占めます…
人工透析は大変な負担を強いられます
目と同じように、腎臓もまた高血糖によって障害されやすいです。腎臓は血液をろ過して老廃物や塩分を尿として体の外へ出してくれます。血圧の調整もしています。
だから、糖尿病によって腎臓の機能が低下することは非常に深刻な問題なのです。
上の表はメディマグ糖尿病様のサイトからお借りしました。よっしーは糖尿病と診断されて入院した時、「両方の腎臓が腫大している」と言われ、タンパク尿と血尿が出ていました。
最初の1年間は時々タンパク尿や潜血にひっかかることがありましたが(糖尿病腎症第3期A)、その後は微量アルブミンが出るだけになり(腎症第2期)、前回の検査ではnormalとあったので、このまま第1期に戻れるといいなと期待しています。
以前、主治医に「降圧剤とか飲まなくていいんですか?」と不安になって質問してみたんですけど「今のところはまだいいんじゃない?」との返事でした。それでなんとなく改善してきたみたいなので、良かったです。
糖尿病腎症第3期Aの方は「中強度の運動のみOK」第3期B以降の方は軽い運動しかしてはいけないそうです、お気を付けください。
腎臓の機能が失われてしまったら、人工透析を開始しなければいけません。上の図は神戸中央病院様のサイトからお借りしました。これはもっとも広く行われている血液透析という方法です。
手術によって、前腕の動脈と静脈を皮下でつなぎ合わせ、シャントと呼ばれる血液の取り出し・戻し口を作り、そこに針を刺して血液を循環させるのだそうです。
月に12~13回通院し、1回の透析には4時間ほどかかるそうです。グレート義太夫さんも人工透析をなさっていますよね。これだけの時間を取られるだけでも、かなりの負担になるのではないかと思います…
まとめ:糖尿病を甘く見る者は合併症に泣く
いかがでしたか?あまりにも長くなりそうだったので、代表的な糖尿病合併症の恐ろしさについて簡単に説明してみました。
「いたずらに恐怖心を煽るんじゃないよ!」と思われるかもしれませんが、よっしーは糖尿病合併症と戦う当事者です。
他人事ではないからこそ、他の人たちには本当に気を付けてほしいのです。
「見ないふり」「聞こえないふり」をしても何にもなりませんから…
「糖尿病だけど~今のところ何ともないし~今日もあれ食べちゃお、あのサプリを飲んで運動もすればきっと大丈夫よね♪」なんて呑気なことを続けていると、大変なことになりますよ…本当に。
糖尿病というのは、本当に怖い病気です。どうかみなさん、油断しないでくださいね。そして一病息災で元気に長生きしましょう!