2型糖尿病患者はとりあえずダイエットすべき
何らかの原因によって自分のすい臓のβ細胞が破壊される1型糖尿病と違い、2型糖尿病はいわゆる生活習慣病と呼ばれています。
つい昨日も「2型糖尿病は自堕落な生活のせいだって言うのはやめてほしいよねぇ」と話していたんですけど、中には「そりゃあんた、その食生活では糖尿病になるわ…」という方もいらっしゃる💦
親子で糖尿病だとしても、必ずしも遺伝のせいとは言い切れないんですよね。お父さんが暴飲暴食で肥満体型で糖尿病なら、息子も同じような生活で糖尿病になることもあるでしょう。
そして、肥満ホルモンとも呼ばれているインスリンは、過剰に摂取した糖質を中性脂肪に変えてしまいます。
かなり高度な肥満の方は、もともと他の人よりインスリンを分泌する能力が高い人だと考えることができますよね。だからこそ、そこまで太れたのです。
仮に体重100kgの方がいらっしゃって、食事を減らして体重80kgになったとします。その方の身長から計算した理想的な体重が65kgとしましょう。
この場合、この方は理想体重をまだ15kgオーバーしていて「太め」だとしても、100kgだった頃と比べれば血糖値はかなり改善しているんじゃないでしょうか?
「オレのは全部筋肉だ!」と言っていても、明らかにそうではない方も…それでも、100kgより80kgのほうがずっと改善しているはず。
もともとインスリン分泌能力が高い人は、このようなケースもよくあることだと思います。しかし、体重68kgで糖尿病になった方が同じ65kgになっても、それほど変わらないでしょう。
それどころか、そういう方は57kgぐらいにまで痩せてもある程度以上の血糖値の改善は期待できないかもしれないんです。遺伝による体質というのはそういうことなのです。
ちなみに、体脂肪率により変わりますけど、一般的にインスリン抵抗性が最も下がるのは「標準体重より5%軽い体重の時」なんだそうですよ。
若い2型糖尿病の女性患者は最も痩せにくい!?
うんと太った方がちょいポチャぐらいの体型まで痩せることはそれほど難しくありません。しかし、もともとちょいポチャの方が理想体重まで痩せるのはけっこう大変なものです。
特に糖尿病の女性は、あと少し…がなかなか減らないと悩んでいる方が多い気がします。これはなぜかというと、ひとつは妊娠出産可能な年齢の女性は痩せにくいということがあります。
若い女性は皮下脂肪型肥満が多く、男性及び中年以降の女性は内臓脂肪型肥満が多いです。内臓脂肪は健康に悪影響を及ぼしますが、ダイエットすると真っ先に落ちやすいのです。
そして2型糖尿病ではインスリン抵抗性があります。インスリン抵抗性は肥満によっても生じますが、遺伝など他の要因もあります。
ラットのエサのカロリーをコントロールしても、インスリン注射を行うと体脂肪が増えることとや同じくラットのエサのカロリーをコントロールしても高GI食で体脂肪が増えるということが分かりました。
ヒトはラットではありませんから、この実験の結果をそのまま当てはめることはできませんよね。でも、ヒトとラットは食べるものこそ違いますが、インスリンの働きは同じはず。
同じ体重の健康な女性と2型糖尿病の女性が同じカロリーのダイエット食を食べても、たぶん2型糖尿病の女性のほうが痩せにくいでしょう、インスリン抵抗性がある分、余計にインスリンを分泌しますから。インスリン注射をする妊娠糖尿病の妊婦さんもそうです。
2型糖尿病でも病気が重症になるとインスリン分泌能力は低下しますが、完全に枯渇してしまうことはあまりないのではないでしょうか?
インスリン抵抗性を減らすことから始めよう
2型糖尿病、ことに軽度の2型糖尿病や妊娠糖尿病の女性がなぜ痩せにくいかというと、インスリン抵抗性があるために高インスリン状態になっているからです。
よっしーはここ半年ほど、なぜか太りやすくなったと感じていました。太らないように最大限の努力をしましたが体重は2kg増えてしまい…💦
その原因はどうやらナイアシンの大量服用により糖新生が亢進して高血糖気味の状態が続き、それをカバーしようとしてインスリンが常に多く分泌されていたせいだと思われます。
そのことにやっと気づいたのは3週間前ですが、ナイアシン大量服用をやめたらすぐに血糖値も下がり、明らかに以前より痩せやすくなってきました。
ナイアシンで血糖値が下がる方もいらっしゃいますが、よっしーのように逆に上がる方もいらっしゃるそうです。健常者の方ならほとんど問題にならないのかもしれません。
iHerbのナイアシンのレビューを書いた方の中にも、やはり高血糖になり体重が増えたという方がいらっしゃいました。自分がどちらのタイプかは飲んでみないと分かりませんので気をつけましょう。
その他、喫煙や他の病気の治療薬が原因で血糖値が上がることもあります。タバコはきっぱりとやめてしまったほうがいいですね。
果物に多く含まれる果糖はインスリン抵抗性の原因となりますので、心当たりのある方は果物の食べすぎを控えてください。
2日に1度ぐらい、軽いジョギング30分ほど行うだけでもかなりインスリン感受性は良くなります(経験済)。可能な方は試してみては?
ちょこっと糖質オフにしているつもり…が痩せない理由!?
大櫛陽一医師によると、食事由来の脂質は摂りすぎても必要以上の量は吸収されずに体外へそのまま排出されます。
しかしこの時に大量の糖質を同時に摂取して追加インスリンが分泌されると、余分な量は吸収されないはずの食事の中の脂質は全て体脂肪になってしまいます。
糖質制限ダイエットが流行しているため、コンビニやスーパーでは糖質オフのスイーツが簡単に買えるようになりましたよね。
しかしその中には、たいして糖質オフではない上に脂質がたっぷり…という商品もかなりあります。これらを食べすぎるとどうなるでしょう?
「ゆるく糖質制限しているつもり」でもさほど糖質オフではないのでガッツリ追加インスリンは分泌されますから、同時に摂取した脂質がすべて体脂肪になってしまうわけです。
現在、糖質オフなパンやスイーツをしょっちゅう食べていて痩せないと嘆いている方は、しばらくこういうものをガマンしてみてはいかがでしょう?
あと3kgが難しいんですよね
よっしーの主治医は以前「2型糖尿病患者さんは3kg体重を減らすだけでもけっこう良くなることがある」とおっしゃっていました。
たかが3kg、されど3kg。痩せれば病気にもいいことは明らかなのに、糖尿病だと健常者の方よりも痩せにくい状態になってしまっていることが多いのです。
遺伝または糖尿病発症からの期間が長い方の場合、残念ながらどんなにダイエットしても糖尿病が完全に治ったような状態にまで改善するのは難しいでしょう。
それでも、糖尿病合併症のリスクを少しでも減らせたり、インスリン注射や飲み薬を減らしたり中止できる可能性があるのであれば、ぜひ頑張ってみましょう。
↑インスリン抵抗性があっても、ネズミのエサみたいに食事の量を極限まで減らせば誰でも確実に痩せます。しかしそれでは筋肉は減り、体も心もボロボロになってしまうでしょう。
なるべくインスリン抵抗性を減らし、また必要以上にインスリンを分泌させないような生活を心がけることが2型糖尿病患者のダイエット成功の秘訣でしょう。
何気に慢性的なストレスも血糖値を押し上げ、高インスリン状態の原因となります。ストレスを避けてのびのびと日々を過ごすことも大事ですね♪