医師カルピンチョ先生
このブログでもすでに何度も紹介させていただいてますが、糖質制限ダイエットをなさっておられるカルピンチョ先生という医師がいらっしゃいます。
本名・吉田尚弘先生としてヘルスプレスで記事を書いてくださっています。非常に分かりやすいです。ちなみに「カルピンチョ」とは、カピバラのことなんですよ。
そんなカルピンチョ先生のブログに、真面目に糖尿病の治療に励んでいる患者さんたちの悲劇を描いた悲しい物語「ぼくのおうちのはなし」が掲載されています。
以下は先生のブログ記事からの引用です。
昔、ぼくのおうちは暖かくて楽しかったんだよ。
お父さんは働き者でかっこよかった。
お母さんはいい匂いがして綺麗で素敵だったんだよ。。。
ひたすら悲しい…
こんな暖かい語り口で始まる物語ですが読み終わった時、涙が出ました。
物語の展開についてはリンク先でじっくり読んでいただくとして、なぜ、医師の言うとおりにきちんと頑張っていた患者さんたちが、悲惨な目に遭わなければいけないのでしょう?
現在の日本では、毎年3000人が糖尿病網膜症で失明し、3000人が足を切断し、16000人が糖尿病腎症が原因で新たに人工透析を開始しています。
これらの方々が、すべて糖尿病の治療をまじめに行っていなかったとは思えません…
そして、糖尿病の治療を行っていた方が失明しようと死亡しようと、いちいちそのことが報道されることもありません。芸能人でない限り…
これだけ多くの方が合併症が悪化してしまう現実。いま一般的に行われている治療方法では、糖尿病と合併症の悪化を止めることができないということの証拠だとは思いませんか?
そして、「糖尿病という病気はそういうものだから仕方がないのかなぁ…」と思って諦めるしかないというのは何とも悲しいことです。
標準的な治療を行って病気が悪化して失明したり人工透析になったとしても、医師は別に罪に問われるわけでも何でもありません。もちろん、医師にもまったく悪気などありません。患者さんのために最善の方法だと信じて治療をしてくれているはずです。
治療をしているのに糖尿病合併症が!?
内科医の水野雅登先生のブログを読んでいると、気になる記事を見つけました。インスリン注射やDPP-4阻害剤を使用している糖尿病患者さんの場合、HbA1cは低めなのに眼底出血や腎症が起きることがしばしばあるそうです。
これは、高インスリン血症による臓器障害と考えられているそうです。確かに、血糖値が比較的良好なのに合併症が進むというのはおかしいことですよね。
インスリンには細胞を増やす作用があり、これが網膜の異常な血管やガン細胞をも増やしてしまうのだと…
東北大学名誉教授の後藤先生は「理由ははっきりとわからないが、最初は無かったのにインスリン注射による治療開始後に患者に眼底出血が起こった例がある」と報告していらっしゃいます。
その疑問に対する答えが水野先生のブログ記事であり、新井圭輔先生の著書「糖尿病に勝ちたければ、インスリンに頼るのをやめなさい」ではないでしょうか?
よっしーはかつてインスリン注射もDPP-4阻害剤も使用していましたが、これらを始めてから新たに糖尿病網膜症が出てしまいました。しかし主治医からは、こういうことが起こる可能性があるという説明はまったくなかったですよ…
その頃宗田哲男先生と出会い「あなたはもうインスリン注射もDPP-4阻害剤も中止できるでしょう」とアドバイスをいただき、おそるおそるやめてみたら大丈夫でした。あのまま継続していたら、どうなっていたでしょうね?
糖尿病薬にも色々あります…
よく考えてみたら、真面目に糖尿病の治療に通っているのにジワジワと悪くなっていく方はかなり多いですよね。
決して、好きなものを食べまくっている不良患者だけが糖尿病合併症になっているのではありません。そのことは、色々な方のブログを見ていると分かりますよね。
糖尿病は血糖値が高くなる病気ですが、そこで「じゃあどんどんインスリンを分泌させて(または注射でインスリンを補って)血糖値を下げればよい」と思うか、それとも「インスリンをたくさん出せないのだから、あまりインスリンを分泌しなくてもいいように糖質摂取量を減らそう」とするかの違いです。
インスリンの分泌を促す糖尿病薬は、DPP-4阻害剤、SU剤など。メトホルミンはインスリンの効きを良くしたり肝臓での糖新生を抑制する薬で、インスリン分泌量を減らします。
SGLT2阻害剤は余計な糖を尿の中に捨ててしまう薬なので、やはりインスリン必要量を減らすことが期待できます。
もしどうしても糖尿病薬を使用しなくてはいけない場合は、インスリンの分泌を促す薬ではなくインスリン必要量を減らす薬を使用するのが低インスリン療法です。
血糖値「だけ」に注目していてはいけません
高インスリン血症は認知症、ガン、動脈硬化、糖尿病合併症などのリスクを上げます。
糖尿病合併症を防ぐためには血糖コントロールが重要だと言われます、それは確かにその通りだと思うのですが、血糖値「だけ」に注目すると、大切なことを忘れてしまうのではないでしょうか。
どんなに糖質を食べても、その分インスリンをたくさん注射すれば確かに血糖値は下がるでしょうね。しかし、体内には大量のインスリンが循環することになってしまいます。
もっとも、1型糖尿病の方はどうしてもある程度の量のインスリンは注射しなければいけません。糖質を制限すればいっさいインスリンを打たなくてもいいとは限りません。それでも減らすことは出来ます。
アメリカの1型糖尿病の医師バーンスタイン先生も、1日数回インスリンは注射していらっしゃいます。ただし食事は糖質制限食なので、打つ量はかなり少ないので合併症にもなっていないのです。
それどころか、30代の頃にはすでにいろいろな糖尿病合併症が出てしまっていたのが現在はすべて治ってしまったそうですよ。先生は80代の今も、現役の医師として活躍なさっています。
まとめ:こんな悲劇は2度とあってはならない!
日本の医療は「進んでいる」はずだと思われていますが、なぜ現状はこうなのか…「ぼくのおうちのはなし」は長いですが、小学生でも十分に理解できる内容です。
どうかじっくり読んで、どうしたらいいのか考えてみてください。このまま、真面目にお医者様の言うことを聞いていて、それでいいのかどうか…
病院に行かず、好きなものを好きなだけ食べまくって糖尿病が悪化していくような患者は問題外です。何が起きても自業自得かもしれません。
でもそうではなく、一生懸命医師の言うことを聞いているのにじわじわと悪化していく人が多くいて、しかも「なぜだろう」と思いながらもそのままの治療を続けるしかないだなんて…