糖尿病患者がスイカを食べても大丈夫?
まだまだ暑い日が続きますが、この季節はスイカがとても美味しいですよね。以前にも記事にしましたが、糖尿病患者がスイカをどの程度食べてもいいかは大いに気になるところです。
カロリーSlism様のデータでは、Sサイズのスイカ1/8玉の糖質は20.7gです。食物繊維は0.68gしか含まれていません。
食べごろを迎えたスイカの場合、フルクトース(果糖)が約38%・グルコース(ブドウ糖)が約17%・スクロース(ショ糖)が約45%だそうです。
果糖はブドウ糖と比較すると血糖値は上がりにくいとはいえ、糖尿病患者ではブドウ糖の39%ぐらい血糖値を上げるのだそうです。
またショ糖は砂糖の主成分で、果糖とブドウ糖がくっついたものです。Sサイズのスイカ1/8玉を食べる時、計算上の血糖値の上昇は実質糖質13.0g分ぐらいに相当するのではないかと思われます。
スイカが好きな方なら、Sサイズ1/8玉なんて普通に食べられちゃう量ですよね?いくらスイカはヘルシーっぽいイメージがあるといっても本当に大丈夫なのでしょうか。
果物が大好きな女性が糖尿病を発症!
実は、果物を食べすぎたのが原因で急激に糖尿病になった方はいらっしゃいます。ある日本人女性は毎朝4単位分(320kcal)の果物を食べ、さらに冬は毎日10~15個のみかんを食べて発症なさいました。
カロリーSlism様のサイトで調べたところ、みかん15個あたりのカロリーは506kcal、糖質は124.9gです。
よっしーが糖尿病で入院していたとき、食事制限のない患者さんたちの病院食は1日あたりの糖質は300g前後でしたからそれと比べたら意外に大したことない??
ところが、果物に多く含まれる果糖は血糖値を上げにくいですがインスリン抵抗性を生じさせ、糖尿病や高脂血症の原因になるそうです!
果物を大量に食べる方が糖質制限をしているわけもありませんから、そういう方は果物の他にご飯やパンも普通に食べているはず。
大量の果糖摂取によってインスリン抵抗性が生じ、その他の糖質もしっかり摂取するので脂肪肝や高脂血症になり、食べた糖質量以上に糖尿病が悪化するわけです。
みかん15個分に相当する糖質は、Sサイズのスイカ1/8個を6個半食べれば摂取できてしまいます。朝食時に1切れ、昼食時とおやつにも1切れ…なんてことをしていると危険かも。
しかもこの症例は急激に糖尿病状態になったケースです。ここまで大量に食べなくても「普通の2型糖尿病」になるには十分だと思いますよ。
よっしーは以前から果物が大好きで、子供の頃から毎日2単位は必ず食べていたと思います。「果物はヘルシーよね」と思っている方はぜひ考え直していただきたいです。
果物は血糖値だけの問題ではないのです
先に挙げた女性のケースは、主にみかんの食べ過ぎで糖尿病を発症した例でした。みかんにはβークリプトキサンチンという成分が含まれています。
βークリプトキサンチンには2型糖尿病や脂質異常症を予防する効果があると言われていますが、それでも大量摂取すれば糖尿病の原因になるわけです。
それはβークリプトキサンチンの「良い効果」以上に果糖が「悪い効果」をもたらすからに違いありません。みかんが好きな方はその他の糖質も摂取しているはずですし。
糖尿病に良い(?)と言われるみかんでさえこうなのですから、スイカやその他の果物の食べすぎには十分に気を付けなければいけません(スイカは厳密に言えば野菜ですが、糖質が多いので…)。
子供の頃からスイカが大好きだったよっしーには少々辛い季節なんですけど、昔みたいに欲しいだけ食べるようなことはもうできません。
スイカや果物が糖尿病に良くないのは、単に血糖値が上がる上がらないという問題ではなく、果糖がインスリン抵抗性の原因となるからです。
大昔の人たちが食べていた野生のスイカは今のような甘いものではありませんでした。現在では果物も野菜も品種改良されてかなり甘いものになっています。決して昔と同じではありません。
あらゆるモノに使われている…果糖ブドウ糖液糖って何??
果糖は血糖値の上がり方は少ないですが、前述のようにインスリン抵抗性の原因となります。果物そのものでは大丈夫そうに見えても、その他の糖質との組み合わせで問題が大きくなるんです。
また果糖はブドウ糖の10倍もAGEs(最終糖化産物)を作りやすいと言われており、これが老化・動脈硬化・糖尿病合併症などの原因になります。
清涼飲料水や調味料などに入っている「果糖ブドウ糖液糖」はジャガイモ・サツマイモ・とうもろこしなどのでんぷんを材料に作られた液状の糖です。
でんぷんを酵素でブドウ糖に分解し、さらにブドウ糖の一部を酵素によって果糖に変えてあるので、大量の果糖とブドウ糖を同時摂取することになります。
果糖ブドウ糖液糖はインスリン抵抗性を上げる上、血糖値も上げ、中性脂肪になりやすく体内でAGEsも作りやすいという最悪の糖と言えるでしょうね。
この果糖ブドウ糖液糖、安いしょうゆなどにも使われています。今度スーパーに行ったら、どうか原材料をきちんと確認してみてくださいね。
そして果物に多く含まれる果糖は血糖値が上がりにくいからといって「じゃあ大丈夫だ」と油断しないほうがいいですね。
糖尿病患者だからと言って、それを食べた時の食後血糖値さえ上がらなければいいわけではないということをどうかお忘れなく!