子供も糖尿病になることがあります
日本人の糖尿病のうち95%は、2型糖尿病とされています。2型糖尿病は生活習慣病と言われるので、中高年の病気だと思われているかもしれません。
しかし近年、子供の2型糖尿病も増えてきているんですよ。もちろん大人と比べればかなり少ないとはいえ、これは問題ですよね。
小学校低学年であれば2型糖尿病よりも1型糖尿病の子供のほうが多いですが、高学年になると半々ぐらいになり、中学生以上では2型糖尿病の子供のほうが多くなるんですって。
普通の2型糖尿病と思われている子供の中には、MODY(若年発症成人型糖尿病)の子供も含まれているのでしょうね、きっと。
MODYは肥満とは関係なく25歳以下で発症する遺伝の糖尿病で、小学生でも発症するそうです。必ずしも症状が重くなるとは限りません。
2014年の香川県の調査では、小学4年生の児童のうち、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が高かった子は、男子12%、女子10・9%だったそうです。
わずか10歳の子供ですらこうなら、中学生や高校生はもっと…多いんじゃないでしょうか?これは香川県だけの問題ではなくて、きちんと調べれば他の都道府県でも大差ないと思いますよ。
なお、このことを運動不足のせいにしている解説もありましたが、香川県の子供だけが特別運動不足だとは思いません。だいたい、小学生は体育もあるし、極端に運動不足の子がそう多いとも思えないのですが…
思春期にはインスリン抵抗性が生じる
思春期には、成長ホルモン分泌量が増加するのでインスリン抵抗性が生じるのだそうです。成長ホルモンは、インスリン拮抗ホルモンですからね…
もともと糖尿病で治療しているお子さんも、思春期は血糖コントロールが悪化しやすいのだそうですよ。この時期はインスリン注射の必要量が急に増えたりするそうです。
単純に体が大きくなって体重が増加するからということではなく、体重1kgあたりのインスリン注射量も多くなるのだそうですよ。
この時期、多くの子供はインスリンを多めに分泌することで対応できますが、もともと糖尿病になりやすい体質を親から受け継いだ子供の場合、この時期によろしくない食生活や肥満があると、糖尿病になってしまうこともあるんですよね。
日本人の子供が1型糖尿病になる確率は欧米の子供と比較するとかなり少なく1/20~1/30程度だそうです。しかし2型糖尿病の子供は欧米よりも日本の方が多いそうです。
2型糖尿病を発症した子供は肥満児が多いですが、15%の子供は肥満ではないそうです。遺伝的な体質も大きく関わっているでしょうから、家族に糖尿病患者がいる場合は特に大人が気を付けてあげなければいけませんよね。
糖尿病は、発症してからの経過が長くなるほど合併症のリスクも増えてしまいます。13歳で糖尿病を発症すると、成人するときにはすでに7年も経っていることになります…
もちろん、血糖コントロールをずっと良好に保つことができれば糖尿病合併症の危険はぐっと減るのですが、なかなか大変なことです。
子供を糖質まみれにしないのは大人の責任!
北九州の塾講師・三島学先生は、子供たちに糖質制限食を勧めていらっしゃるそうです。もともとは、糖尿病腎症でタンパク尿が出ていた三島先生が糖質制限ですっかり元気になったのを見て、賢い男の子が真似をし始めたのがキッカケだったそうです。
今では多くの塾生さんたちが成績UP目的で糖質制限をしているとか。勉強に集中できなかった子供や発達障害の傾向のある子供たちまでが食事で変わるとは驚きです。
学校給食のこともあり、実際にはなかなか大人のようなきっちりした糖質制限までは難しいでしょうが、子供たちが糖質まみれにならないように気を付けてあげることは、とても大事ですよね。
「自分は太っていないし食べすぎたわけでもないのに遺伝で妊娠糖尿病(または2型糖尿病)になった」と嘆く女性はたくさんいますよね。
でも、それで自分のお子さんには同じ思いをさせたくないからと食事やおやつの内容に気を付けている方もいれば、自分もお子さんも結局なーんにもしていない、欲しいだけ食べているという方もいらっしゃいます。
「太っていないし食べすぎたわけでもないのに遺伝で糖尿病になった」ということは、何も意識しなければその方のお子さんも将来同じことになる可能性が非常に高いんですけど、分かっていらっしゃるのでしょうか…?
お子さんがそういう体質を受け継いでいるかもしれないのに「甘いものを食べさせないと可哀想だから」などと言って普通に糖質たっぷりのおやつや食事を与え、同じことが繰り返されると思うと残念でなりません。
よっしーの母と祖母は、父が糖尿病になったので私や弟のためにかなり食事には気を付けてくれていました。でも残念ながら、気を付けるべきポイントがズレていたために私も弟も結局糖尿病になってしまいました…
母と祖母が作ってくれる食事は基本和食で、朝食は特に品数が多かったです。無糖ヨーグルト、果物、ごはん、納豆、味噌汁、酢の物、野菜炒め、目玉焼きとか。
基本的に、脂質ひかえめの和食と言う感じでしたね。肉の脂身を食べようとすると「体に悪いでしょ」と叱られました。
おやつは、ふかしたサツマイモか果物が多かったです。特に果物は朝も食べていて、まったく食べない日は1日も無かったような気がします。
でも、母は良かれと思ってしてくれていたので、母を責める気持ちはまったくありません。しかし、今は糖質制限のことを多くの方が知っている時代です。当時とは状況は異なります。
知っていながらあえて子供に糖質をたっぷり食べさせて、将来子供が糖尿病を発症したとしたら…よっしーなら、そのことを知ったらきっとものすごく親を恨むでしょうね!
「そんな人本当にいるの?」と思われるかもしれませんが、よっしーが知っているだけでも数人はいますよ。おじいちゃんかおばあちゃんはガチの糖尿病患者で、自分もすでにヤバイ数値だけど糖質が好きなので何も食事を変えていない、お子さんにも好きなだけ食べさせているという方が。
自分が糖質制限するかしないかは自己責任ですけど、分かっていながらみすみすお子さんに自分と同じ目に遭わせるのかしら…子供には何の罪もないのに。
子供が勉強しないことに腹を立てるよりも出来ることがある
以前、よっしーの知り合いが「うちの息子がちっとも勉強しないので夫が息子を怒鳴るのよ~」と愚痴をこぼしていました。
息子に訊くと、その男の子の家ではお母さんが留守がちで、いつでも好きなだけお菓子やアイスクリームが食べられるのだとか。
それで当時まだ小学生で身長は小柄だったのに体重は70kgぐらいあったみたいで、健康面がとても心配ですよね。やはり、大人の責任は大きいです。子供は、まだ自分の食生活を自分で何とかできませんから…
他にも、専業主婦のお母さんが朝いつも寝ていて朝食を作ってくれないので、自分で食パン2枚だけ食べて登校するというお友達もいました。
みなさんそれぞれいろいろ事情もあるんでしょうけど、もうちょっと何とかしてあげられないものでしょうか…とりあえずお腹がいっぱいになればいいと言うものではないと思います。
よっしーの長男は中学生なので、いくら部活が忙しいと言っても本人なりに自主的に勉強はしています。勉強のお供は、ココナッツオイルとMCTオイル入りのココアです。
子供が勉強しないといって腹を立てて怒鳴りつけるぐらいなら、他に出来ることはいろいろあるのではないかなぁ…と思います。
ただちに子供たちに影響は出ないように見えますが…
糖尿病は、決して中高年だけの問題ではありません。もっと若いころから、糖尿病になってしまう「悪い習慣」のせいで、じわじわと危険が迫っているのです。
体に悪いことをしても、ただちに影響は出ません。以前、ある管理栄養士さんが「小学生や中学生で糖尿病になる子はほとんどいないので、学校給食はとてもヘルシーなんです」というようなことをおっしゃっていました。
でもね、小学生や中学生の段階で朝の空腹時血糖値が検査に引っかかるほど重症の糖尿病になる子はまだほとんどいないのが当たり前でしょ?
空腹時血糖値が170ぐらいにならないと、朝の検尿に糖は出ないのが普通です。大人の糖尿病患者でも、常時そこまで血糖値が高い人ってそう多くないのでは??
でもね、もしかしたら学校給食を食べた後、血糖値がかなり高くなっている子供…少なくないかもしれませんよ?調べてないから分からないだけで!誰か調べてみたことがありますか?
何も知らずにすい臓に負担をかける食生活を続けて、数年から数十年を経て「しまった…」と思ったときにはすでに手遅れかも知れないのです。
そんな悲しいことにならないよう、可愛い子供たちのために気を付けてあげたいですよね。糖尿病合併症に苦しむのは、私たちの世代でおしまいにしたいものです。