妊娠糖尿病だと出産方法は必ず帝王切開になるの?

妊娠糖尿病の妊婦さんに帝王切開の手術をしようとしている医師

妊娠糖尿病・卵巣のう腫・逆子・臍帯巻絡…

よっしーは男の子を2人育てています。長男を妊娠してから初めて空腹時血糖値が高くなり、OGTT(経口ブドウ糖負荷試験)を受けたところ1時間後血糖値が184で2時間後血糖値が146で妊娠糖尿病と言われました。

当時通っていた産婦人科は医師が何人もいて産婦人科専門の大きな病院でしたが「食事に気を付けましょう」「妊婦健診は引き受けますがうちで出産は出来ません、大きな病院に行ってください」と言われてしまいました。

「食事に気を付けましょう」と言われただけで糖質だのインスリンだのという指導は何もなかったので、いわゆるカロリー控えめの和食にしてできるだけ歩くようにしていました。

妊婦健診でも特に異常は無かったのですが、ある時急に胎児が逆子になり、逆子体操をしても治らず、総合病院で予定帝王切開をすることになってしまいました。

 

妊娠糖尿病だと帝王切開になるのかどうかを説明した漫画

それまで手術を受けたことはなかったのですごく怖かったし、お腹にキズがつくのもイヤでしたが、無事に出産することが何よりだということで納得しました。

胎児は首にへその緒が2重に巻きついていたうえ、妊娠初期に卵巣のう腫も見つかったのでついでに摘出しましょうということになりました。

予定帝王切開の数日前に破水してしまい、緊急で帝王切開になりました。長男は大きめでしたが特に異常もなく元気でした。私の卵巣のう腫も良性で、卵巣そのものは残してのう腫だけ摘出しました。

妊娠糖尿病でも特にトラブルがなければ自然分娩で出産できると思いますが、よっしーの場合はいろいろトラブルがあったので帝王切開になったんですね。

 

なごみ
なごみ

えっ、妊娠糖尿病だと出産を断られるんですか!?

よっしー
よっしー

当時はそうだったのよ…びっくりしたわ。それほど重症の妊娠糖尿病ではなかったはずなのにね。

2度目の出産は予定帝王切開になりました

長男が帝王切開で生まれたので、次の子は予定帝王切開で産むことになりました。1度帝王切開をすると次回の出産も帝王切開にしたほうが安全だと医師から説明されたからです。別に自然分娩にこだわる気持ちはまったくありませんでしたので、それでいいと思いました。

次男妊娠中は、長男を妊娠した時に通っていた産婦人科ではなく長男を出産した総合病院に最初から通いました。前回が妊娠糖尿病だったので医師も気を付けていたはずですが、妊婦健診で1度も尿糖が出なかったせいか、初期と中期は特に何も言われませんでした。

ところが妊娠後期になって、胎児がどんどん大きくなってきたんです。医師も「これは大変だ」というわけで検査をすると、HbA1c6.2(現在の基準に直すと6.6も!)もあり前回よりも重症であることが分かりました。

でもどういうわけか「カロリーに気を付けて」という指導しかされず、インスリン注射をしましょうとか分食をしましょうという指導はまったくなかったです!

 



 

結局、かなり少食にして自分の体重はまったく増えないのに胎児の推定体重だけがどんどん増え続け、予定帝王切開で生まれた次男の体重はなんと4452gも!

弱弱しい産声を3度ほどあげたと思ったら静かになり、手術室に小児科医が血相変えて飛び込んできて…看護師さんから「いま先生が処置をしていますからね!」あの時の恐怖は今でも忘れることがないです。

次男は糖尿病の母から生まれた子に時々ある「新生児呼吸窮迫症候群」でした。体は大きいけれど呼吸の機能が未発達だったため、1週間は人工呼吸器を装着し、1か月間NICUに入院しました。

1か月後、脳波や脳MRIの検査をして異常が無かったのでほっとしました。巨大児で生まれた次男でしたが、その後食事に気を付けたので現在は標準体重ど真ん中です。長男もごく標準的な体重ですね。

 

妊娠糖尿病だと帝王切開になる可能性はやや高くなる

いろいろな理由で、妊娠糖尿病だと自然分娩ではなく帝王切開での出産になる確率は健康な妊婦さんよりも高くなってしまうそうです。

まず第一に、胎児が巨大児になった場合…これは自然分娩だと、赤ちゃんの肩がつかえてなかなか出てこられなかったり、赤ちゃんが骨折することもあるそうです。

そして血糖コントロールが良くない場合は特に、予定日までお腹に入れておくのは危ないと判断されることもあり、その場合は早めに帝王切開で出産したほうがいいことがあるそう。

ママが妊娠糖尿病だからといって必ず赤ちゃんが巨大児になるわけではなく、低体重児になることもあります。しかも単に体重が多い少ないだけの問題ではないです。

 

糖尿病合併妊娠の女性が糖質制限で無事に自然分娩で健康な赤ちゃんを出産した

 

また現在では妊娠糖尿病の妊婦さんはインスリン注射をする方も多いと思いますが、時にインスリン注射で太りすぎることもあり、あまりに肥満だと自然分娩が困難になるので帝王切開になることがあるそうですよ。

怖いことばかり書いてしまいましたが、妊娠糖尿病でも血糖コントロールがうまくいっていて特に問題がない場合は自然分娩で問題なく出産できます。

千葉の宗田マタニティクリニックには、糖質制限をして健康な赤ちゃんを自然分娩で出産したお母さんがたくさんいらっしゃるそうですよ。

 

帝王切開の費用・産後の経過・傷跡はどう?

帝王切開はお腹を切り開くので怖いと思いますが、下半身だけの麻酔だったので赤ちゃんの産声も聞けますし、手術時間も短かったです。医療ドラマではよく「メス」とか言ってますけど、先生は世間話をしながら切ってました(笑)

ただ麻酔が完全に切れるまでは、寝返りを打ちたいのに腰から下がなくなってしまったような、どこに力を入れていいのか分からないような感覚が非常に不快でしたね…

産後は傷跡がひきつるような感じで、後陣痛の痛みもあって辛かったです。傷跡が痛むのに4日目になると看護師さんが「さぁ赤ちゃんの世話をしましょうね♪」と言って子供を連れてきて母子同室に!

でも赤ちゃんの世話をすることで確かに気もまぎれるし、母体の回復にも良かったみたいですね。母乳はあり余るほど出ました。帝王切開だろうがこれは関係ないみたいです。

 

帝王切開の「タテ切り」と「ヨコ切り」

 

総合病院の個室でしたが、出産費用は「え、こんなものなの?」と思うぐらい安かった記憶があります。通常の帝王切開の手術費用は20~22万円ほどで、健康保険が適用されます。

帝王切開はお腹をタテに切る場合とヨコに切る場合があり、ヨコに切ったほうが傷跡が目立ちにくいと言われています。しかしよっしーの場合はタテ切りになりました。

最初の1年ほどは、赤く盛り上がってケロイド状になった傷跡を見るたびため息が出ました。ミミズが張り付いているようで…

でも年月とともに傷跡はだんだん目立たなくなり、現在では赤味は無くフラットになっています。この年齢でビキニを着るわけでもなし、別にいいやと今では思います。ちなみに、2度帝王切開をしましたが傷は1本です。

帝王切開にダメ出しをする方たちもいますが…

昔ほどではないと思いますが、未だに「帝王切開はダメだ」「自然分娩がいい」と言う方たちもいらっしゃるそうです。

なぜダメなのかというと、帝王切開だと子どもと母親の愛情が育たないだの、子どもの発達に悪い影響が出るだの、その他いろいろなことが言われているみたい。

また「帝王切開は陣痛を経験しないのでラクでいいねぇ」とおっしゃる方もいるそうですね。とんでもないことです。そりゃ自然分娩の大変さは分からないけど、ハラを切られて麻酔が切れた後の痛みはきつかったですよ~。

帝王切開は、手術です。確かに「自然」な出産ではないかもしれません。しかしうちの次男は帝王切開でなければ生きることは出来なかったでしょう。

 

 

まだ医療が未発達だった時代、次男のような子を自然分娩で産もうとしてもまず不可能だったはず。昔なら間違いなく子どもは死亡していましたし、母親の命も危なかったのでは?

何事もなく普通に出産された方はピンと来ないかもしれませんけど、帝王切開だからこそ助かる命がたくさんあるのだということを忘れないで欲しいです。

妊娠糖尿病でも特にトラブルがなければ自然分娩で出産できますし、もし医師の判断で帝王切開で出産することになってもそれは赤ちゃんのために最善との判断なわけですから、医師と赤ちゃんを信じてください!

何よりも大事なことは、赤ちゃんが無事に元気に生まれてくることです。そのためには、どうしても帝王切開でなければいけない場合もあるんです。

 

なごみ
なごみ

自然分娩にこだわるよりも、ママと赤ちゃんの無事が最優先に決まっていますよね。

よっしー
よっしー

そうね、赤ちゃんが無事に生まれることと比べれば帝王切開の傷跡なんてどうってことないわ♪

♪よろしければ併せてお読みください♪
→妊娠糖尿病または糖尿病合併妊娠の妊婦さん向けの過去記事まとめ(クリックで記事へ)

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