ボンカレーはどう作ってもうまいのだ
先日、ブロガー仲間の方とマンガ「ブラック・ジャック」の話になりました。BJは外食に行けばカレーライスとコーヒー、自宅でもカレーライス、カップラーメン。
外食時は「ミニッツステーキなどいかがで?」「上エビのフライもございますが」と勧められても「カレーライスとコーヒーだ!!」と返し、「ヘッ、貧乏人め…」と店員に言われていました。お金なら山ほど持っているはずなんですけど、よっぽどカレーライスが好きなのでしょう。
そして無免許医療でブチ込まれたときもピノコからボンカレーとカップヌードルばかリ差し入れてもらい「ボンカレーはどう作ってもうまいのだ」なんて呟いています(*´艸`*)
で、そんなBJはまだ若いし太ってもいませんけど、このままの食生活で将来、糖尿病になったりしないか心配です…
BJにはたった1人、クッシング症候群で2次的に糖尿病になった女性が手術で治ったというエピソードがありますけど、1型糖尿病や2型糖尿病が「治った」という回はないんですよね。
天才無免許外科医BJにも「治す」ことはできないのが糖尿病なのですが、治る場合もあります。今回はそんなお話です。
妊娠糖尿病とソフトドリンクケトーシスなら完治し得る
以前にも書きましたが、よっしーが通っている病院の糖尿病内科のベテラン医師に「糖尿病が治ることってあるんですか?」と質問してみたところ「GDMとソフトドリンクケトーシス以外は無理だねぇ」とのことでした。
また、ろんり~うるふ様の主治医もやはり「急激に良くなる人はいますが完治したわけではなく生活習慣が乱れればまた数値は上がります」「私の経験では完治した人はいないです」とおっしゃったそう。
いわゆる普通の2型糖尿病の場合、はっきりと「あなたは糖尿病ですね」と医師から診断されるよりもずっと前から、すい臓のベータ細胞は少しづつ減り始めています。
糖尿病と診断された時点でベータ細胞の何割かはすでに死んでいるので、それから努力しても完全に発症前の状態に戻すことは不可能です。もしできたら、ノーベル賞モノでしょう。
まだ境界型糖尿病の段階であれば、1年間のゆるやかな糖質制限食で7割の方が完治したというデータがありますけど、ガチの糖尿病になってしまうと…iPS細胞で糖尿病が治る日が来るのを待ちたいですね。
妊娠糖尿病は一時的な耐糖能異常
妊娠すると胎盤から出るホルモンの働きでインスリンの効きが悪くなります。通常であればインスリンを多めに分泌できるので大丈夫なのですが、もともと糖尿病になりやすい素質を持った女性の場合、対応しきれなくて血糖値が上がってしまいます。これが妊娠糖尿病です。
よっしーも独身の時は糖尿病を指摘されたことは1度もなかったですが、妊娠したら空腹時血糖値が上がり、医師に「父が糖尿病です」と告げるとすぐにOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)を受けましょうと言われ、妊娠糖尿病と分かりました。
産後は何もしなくてもいったん正常型に戻りましたが、再び妊娠するとまた妊娠糖尿病になりました。
よっしーの場合、独身の頃に糖尿病ではなかったのは「糖尿病を発症しないギリギリのライン」を保っていただけだったのかもしれませんね。そのギリギリのラインが、妊娠によって崩壊したと…
妊娠期間は短いので、通常は妊娠糖尿病になったとしてもベータ細胞が死んでいるわけではないので出産後はほとんどの方が正常型に戻ります。つまり完治します。
でも残念ながら、そのまま境界型糖尿病や2型糖尿病に移行してしまう方もいらっしゃいます。よっしーのように、いったん治っても数年後に2型糖尿病になる方も多いです。
妊娠糖尿病になるということは、極度の肥満などで発症した方以外は、もともと糖尿病になりやすい素質を持った女性だということだからです。
夏に多いソフトドリンクケトーシス
ソフトドリンクケトーシスは「ペットボトル症候群」とも呼ばれ、もともと糖尿病ではなかったり軽度の2型糖尿病だった肥満体型の方が清涼飲料水を大量に飲み、高血糖になるのでのどが渇き、またのどの渇きのために清涼飲料水を飲んで高血糖になるという悪循環にはまります。
清涼飲料水だけではなく、みかんやアイスクリームの食べ過ぎで発症した例も報告されています。
それですい臓のベータ細胞が短期間で急激に疲弊し、インスリンをうまく分泌できない状態になり、血糖はたくさんあるのに体はそれをエネルギーとして利用できない状態に陥ります。
こうなれば吐き気、嘔吐、体重減少、呼吸が苦しいなどの自覚症状がかなり強くなり、強いケトーシスになり(体が血糖を利用できないので、代わりにケトン体を作って何とかしようとするためです)、そのまま放置すると昏睡状態になって死亡することもある危険な状態です。
入院して治療すればこの状態は速やかに解消されます。もともと糖尿病ではなかった方の場合、「完治」することが多いそうです。
ただし、いくら糖質の摂りすぎという原因があるとしても、やはり「糖尿病になりやすい素質」を持った人でないとこの状態にはなりません。
日本人の5人にひとりは糖尿病または糖尿病予備軍になりますが、逆に言えば5人のうち4人までは、一生糖尿病とは無縁というわけです(糖尿病にならなくても、他の病気になる可能性は大いにありますけど…)。
だから、治ったからと言って油断しているといずれまた同じことを繰り返す可能性がありますよね。
まとめ:妊娠糖尿病やソフトドリンクケトーシスは警告です
妊娠糖尿病や一時的なソフトドリンクケトーシスであれば、高血糖だった期間が短いので、出産が終わったり治療をして清涼飲料水をやめれば「治る」ことが多いです。
しかし、これらを発症するということ自体、その方が糖尿病になりやすい体質だということです。つまり体からの警告と言えるでしょうね。
本当に何ともない方であれば、生涯を通じて糖尿病とは無縁なので…
だから、妊娠糖尿病やソフトドリンクケトーシスが「完治した」と思って油断して元の生活に戻してしまうと、いずれめちゃくちゃ後悔することになるかも…どうか気を付けてくださいね。