なぜ妊娠糖尿病なのにご飯をたくさん食べさせるの?
昨日、とても賢い妊婦さんとお話しました。現在妊娠糖尿病で妊娠中期の彼女の素朴な疑問は「ご飯さえ残せば食後血糖値は良好なのに、なぜ妊婦への栄養指導ってたくさん炭水化物を摂れというの?」です。
「おかずにも糖質は含まれてるのに、わざわざ(インスリンを打たせてまで)大量に食べさせる必要があるのかなぁ」と。
彼女の知り合いには、妊娠糖尿病になって栄養指導を受けたら今までよりたくさんご飯を食べなきゃいけなくなって一生懸命食べている方たちもいらっしゃるそうです。
妊婦さんたちの中には、後期まで悪阻が長引いてあまり食べられない人もいらっしゃいます。でもそういう妊婦さんたちは「最悪、水さえ飲めればOKだから」と言われるそうです。
確かにマタニティ関連のサイトを見ても「赤ちゃんに優先的に栄養が行くので大丈夫ですよ」的なことが書いてありますよね。
千葉の宗田マタニティクリニックでは妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠の妊婦さんたちに糖質制限指導を行っており、元気な赤ちゃんたちが誕生しています。
よく言われるように「妊婦の糖質制限が危険だ」と言うのが本当なら、悪阻がひどくて何もかもロクに食べられない妊婦はもっと危険なはずなのにおかしいと思いませんか??
肉や魚、野菜などはしっかり食べているのが糖質制限食。しかし重症の悪阻だと、何もかも少ししか食べられなかったり、食べても嘔吐してしまいます💦
白いご飯にどんな栄養が?
日本と言えばお米と言っても過言ではないイメージがありますけど、このブログは健康や病気について考えるブログです。
「日本人なら米を食べなければいけない」とか「神様が…」「政治が…」という話は申し訳ないですが別の所でお願いすることにして、ひとつお米の栄養について考えてみましょう。
下の表はカロリーSlism様のサイトからお借りしました。白いご飯150gに含まれる栄養です。よっしーが糖尿病で入院していたときの病院のご飯が150gでしたので、妊婦さんはもっと多いですよね。
うーん申し訳ないけれど、白いご飯って食物繊維もたったの0.45g(!)しか入っていませんし、モリブデン以外にはあまり栄養が無いんですね💦
そのモリブデンも、他の食材から摂取できますし💦 残念ながら「妊娠糖尿病の妊婦さんがどうしても白米を食べなければいけない理由」は私には今のところ分かりません。
白いご飯に何か特別の栄養が含まれているわけではなく、ほぼ糖質だけです。これが赤ちゃんのために必要だというなら、糖質ならある意味何でもいいのかもしれません。
以前「ご飯は丸い粒なので血糖値が上がりにくいです」と病院の糖尿病教室で若い管理栄養士さんがおっしゃっていて驚きました。この病院に入院していた時のよっしーの血糖値を知らないのかね💦
妊婦さんは赤ちゃんがいる分、余計にエネルギーが必要になります。手っ取り早くエネルギーを増やすためには、糖質を増やすのがもっとも「お手軽」ということでしょうか?
糖質を大量に食べないとケトアシドーシスになる!?
「空腹時はお母さんの血糖は胎児のエネルギー源として優先的に使われ、お母さん自身は脂肪をエネルギー源として利用するためケトン体の産生が増加します」という解説をちらほら見かけます。
この時「過剰なケトン体は糖尿病性ケトアシドーシスの誘因となり危険です」ですって。よっしーは普通に糖質を食べていて糖尿病性ケトアシドーシスになりましたが、現在糖質制限をしていてケトーシスになっていてもアシドーシスにはなりません。
ケトン体が増えるからケトアシドーシスになるというのはちょっと違うんだなぁこれが…ケトアシドーシスになる時は、インスリンがきちんと作用していないんです。
妊婦さんが糖質制限するとケトアシドーシスになるのなら、宗田マタニティクリニックの妊婦さんたちはみんな大変なことになるはずですが💦
縄文時代より前の妊婦さんたちはみなさんどうしていたんでしょうかね…食べたくてもご飯もパンも、もちろんお菓子もうどんもなかったわけですけど。
Twitterの私のフォロワーさんたちの中にも、なるべく糖質に気を付けてインスリンをごく少量にして健康な赤ちゃんを出産し、産後はOGTTで正常型に戻った方が何人もいらっしゃいます。
糖質制限で育つ子供たちの将来は?
宗田マタニティクリニックで糖質制限しているお母さんから生まれた赤ちゃんたちは、スクスク順調に成長なさっているようですね。
Facebookには、糖質ばかりに偏っている日本の離乳食に疑問を感じるお母さんたちがお子さんをMEC食(肉・卵・チーズなどをしっかり摂取する)で育てるグループがあるそうです。
おそらく、糖質制限に反対する団体の方たちは「そんなことをすると子供の成長に悪影響が出るぞ!」とおっしゃるんじゃないでしょうか💦
数年経過してどうやら何ともなさそうだとなれば「今は良くても中学生ぐらいになって身長が伸びなくなるに違いない!」と言い出すかもしれません。
そしてその時期も無事に過ぎると、今度は「糖質制限している女性が妊娠すると赤ちゃんの発育が悪くなる」と言い、それでもダメなら「60歳を過ぎてから急激に老化が進むんだぁぁ!」と言うかも…
あと60年ぐらいは何とかして引っ張れるかな?という感じですね、無理もありません。何しろ昔の日本で「タバコが健康に良くないらしい」という研究が発表されても、多くの人がそれを受け入れるまで何十年もかかったのですからね。
よっしーの予想ですが、生まれた時から糖質制限で育つお子さんたちは最初から脂質をメインエネルギーとして使うことが当たり前になっているので、健康トラブルも少ないのでは?
まずお母さんが健康について考えるところから始めよう
妊娠糖尿病は、もともと持っている「糖尿病になりやすい体質」に加え、妊娠すると胎盤からインスリンの効きを悪くするホルモンが出ることによって発症します。
妊娠糖尿病の方は健康な妊婦さんが食べているのと同じ量のご飯ですらきちんと処理できず血糖値が上がりすぎるのに「インスリン打って食べましょう」「分食して食べましょう」…そこまでして本当に食べないといけないものなのでしょうか?
血糖値が正常値をはみ出すほど血糖が余っているのに、赤ちゃんへ行くブドウ糖が少なくなる心配など本当に必要なのでしょうか。むしろインスリン打ちすぎて低血糖になるほうがずっと危ないよ!
そして赤ちゃんの脳や体は何からできているでしょうか?糖質じゃなくタンパク質や脂質じゃないですか?ヒトの脳の固形成分の5~6割は脂質なんですよ。
ヒトの場合、妊娠中に摂取エネルギーが足りないと赤ちゃんが将来生活習慣病を発症しやすくなるという研究はあります。でもそれはカロリーの話であって糖質じゃないんですよね。ネズミさんはどうだか知りませんが💦
まず肉や魚など赤ちゃんの脳や体の材料をきちんと食べて、エネルギーが不足しないように糖質制限に理解のある医師の指導を受ければいいと思いますよ♪
そして、妊娠糖尿病のお母さんから生まれた赤ちゃんは将来糖尿病になる確率が他の子よりも高いかもしれません、体質は遺伝なので。
でもお母さんがよく気を付けていれば、赤ちゃんもママもずっと何事もなく健康に暮らせるんです。まず成長に必要なものを優先的に食べさせてあげましょう♪