子供の時に糖尿病と診断されたら心血管疾患のリスクが高い?どうしたらいいの?

1型糖尿病と診断された子は心血管疾患のリスクが30倍!

少々ショックな話なのですが、10歳までに1型糖尿病と診断された子供はその後、心血管疾患の発症や早期死亡のリスクが高いそうです。

健常者と比較すると、10歳までに1型糖尿病と診断された患者では冠動脈疾患や急性心筋梗塞の発症リスクは約30倍で、26~30歳で診断された患者では約6倍でした。

この結果を踏まえて研究者は「子供の頃に1型糖尿病と診断された場合は早いうちからスタチンや降圧剤などの薬を服用させるべきだ」と考えているみたいですね。

でも本当に薬を飲まないといけないのでしょうか?必要に応じて薬は飲まなければいけないこともあると思いますが、もっと他にできることがあるのでは?

そしてこのことは、なにも1型糖尿病患者だけの問題ではなく2型糖尿病患者も一緒だと思うのです。ただ1型は子供の頃に発症することが多いので、羅病期間が長くなるのでいろいろ問題が起こりやすくなるのでしょう。

今回は、子供や若年で糖尿病を発症したらその後心血管疾患のリスクを下げるためにどうしたらいいのかについて考えていこうと思います。

にゃご
えーっ!冠動脈疾患や急性心筋梗塞の発症リスクが30倍!?それはショックだな…

よっしー
親御さんの気持ちを考えるとすごく辛いわよ、私自身も2型とは言えかなり重症だし…💦

糖尿病患者が心血管疾患になりやすい理由とは

今回の研究は1型糖尿病の子供についてですが、1型だけではなくすべての糖尿病患者は心血管疾患のリスクが高いです。

それはなぜかというと、糖尿病患者は動脈硬化が進行しやすいからなんです。これは「糖尿病予備軍」と言われる段階からすでに進行していることが分かっています。

動脈硬化が起きても、かなり進行するまではほとんど自覚症状がありません。血管内にできる「プラーク」という塊は、いきなり破裂し血栓を作り、血管内部をふさぐことがあります。

今まで元気だった人が突然、脳梗塞や心筋梗塞の発作を起こすことがあるのはこのためです。よっしーは入院中に頸動脈エコーを受けましたけど、みなさんは受けたことがありますか?

いわゆる糖尿病の3大合併症(神経障害・網膜症・腎症)はHbA1cが高くなればなるほど発症率が高くなりますが、心血管疾患はHbA1cが7%未満でもかなり起こります

では、糖尿病患者がなぜ動脈硬化が進行しやすいのか、そして何をどうすればいいのかを考えてみることにしましょう。

動脈硬化を進行させるのは何?

まず、血糖値(特に食後血糖値)が高いことが動脈硬化の原因となります。空腹時血糖値が高いが食後高血糖の無い人よりも、空腹時血糖値が正常で食後高血糖がある人の方がリスクが高いです。

糖質をたくさん食べて食後高血糖になると、血管内皮にキズが付き、そこからコレステロールがもぐりこんでしまいます。

これは血糖値が高くなる時に起こるので、LDLコレステロールが正常値でも食後高血糖があれば動脈硬化が進行することを忘れないでください!

また内臓脂肪型肥満だと、高脂血症・脂肪肝・糖尿病を引き起こして動脈硬化が進行しやすくなってしまいます。

果糖の過剰摂取は中性脂肪の増加や動脈硬化の原因となります。果糖はブドウ糖の約4割しか糖尿病患者の血糖値を上げませんが、その代わり中性脂肪に代わりやすく、AGEs(最終糖化産物)を作りやすいです。

AGEsは動脈硬化の原因となるほか、老化・シミ・シワ・白内障などの原因にもなることが分かっています。

「果物にはビタミンやミネラル、食物繊維が豊富なので体にいいんだ!」という声もありますが、ビタミン・ミネラル・食物繊維は他の野菜などから摂取できますからね。

「ジュースよりは果物の方がマシ」ぐらいに考えましょう。ちなみによっしーは子供の頃から果物が大好きで毎日欠かさず食べていたんですよ。みかんとかリンゴとか。

アメリカなどでは規制されている「人工のトランス脂肪酸」もまた動脈硬化を進行させます。これはマーガリン・ファットスプレッド・ショートニング・サラダ油などに含まれています。

学校給食のパンやファーストフード、多くのお惣菜や外食、スナック菓子など、日本ではトランス脂肪酸の表示義務がないので野放し状態と言っていいでしょうね。

そしてこれが最も重要かもしれないのですが、「高インスリン血症」が動脈硬化を進行させます。いわゆる耐糖能が正常でも、インスリン抵抗性があるとインスリンがたくさん分泌されており動脈硬化が進行している可能性があるそう。

高インスリン血症になる原因は何なのでしょうか?

高インスリン血症が動脈硬化を進行させ、いろいろな糖尿病合併症の原因にもなっているというのはとてもショックなことです。

だって糖尿病患者さんの多くは病院で「インスリン注射(またはインスリンを分泌させる飲み薬)を使えば普通に好きなものを食べられますよ」と言われたことがあるでしょう?

でも高インスリン血症が動脈硬化をもたらすことは、少なくとも30年前には日本の医師たちはご存知でした…患者には説明しないだけです💦

糖尿病患者に高インスリン血症が起こるのはどういう時かというと、まずインスリン抵抗性がある、つまりインスリンの効きが良くないのでその分インスリンを大量に分泌してカバーしようとしている時です。

これは肥満の軽度2型糖尿病患者や妊娠糖尿病患者さんに起こっていることです。肥満はインスリンの効きを悪くしますし、妊娠中は胎盤からインスリンの効きを悪くするホルモンが出ます。

妊娠が進むと普段の2倍もの量のインスリンを分泌しなければいけませんが、もともとインスリンを分泌する能力が低い人はこの2倍の需要に対応しきれないので血糖値が上がってしまうのです。

肥満の2型糖尿病患者はまずダイエットをして標準体重まで痩せましょう、それだけでインスリン抵抗性がなくなって劇的に血糖値が改善する方もいらっしゃいます。

妊娠中はインスリンの効きを良くする飲み薬などは使えないので、普通はインスリン注射をすることになります。

しかし最近では糖質制限でインスリンなしでコントロールできる方が増えています。詳しくはこちらの記事をお読みください。

問題は1型糖尿病患者さんです。たまたま太め体型の方が2型ではなく1型糖尿病を発症するケースはありますが、原則として1型の方はインスリン抵抗性がありませんよね。

1型糖尿病患者さんに起きがちな問題は?

肥満の方を除けば、1型糖尿病の方はインスリン抵抗性がないので「どうしても自分のすい臓のベータ細胞が分泌できないインスリンを外から注射で補っているだけ」ということになります。

「なーんだ、それなら健常者と何も変わらないでしょ?」と思ってしまいそうですが、やはり同じとは言えないのです…

じつは、重い低血糖が起こると心筋梗塞や脳卒中が起こりやすくなることが分かっています。これは1型でも2型でも同じように起こることです。

健常者の方は決して重い低血糖を起こすことはありません、インスリン分泌は絶妙な量とタイミングで調整されているからです。

でもインスリン注射をしている糖尿病患者は、しばしば低血糖を起こしてしまいます。「インスリン打てば健常者の方と何も変わらない」ということではないんです。

これはよっしーの印象ですが、1型糖尿病患者さんで糖質制限をなさっている方は2型よりも割合として少ないように思えます。

2型糖尿病の方は糖質制限で完全にインスリンフリーになれる方が多いのに対して、1型の方は生きていくためにどうしてもインスリン注射が必要です。

そのため「どうせ注射が必要なのだから好きなものを食べたい」と思うのは当然のことですし、ましてお子さんなら学校給食もあるので他の子と同じものを同じだけ食べたいでしょうね。

糖質制限で心血管疾患のリスクを減らせるか?

糖尿病ではない健常者でも、食生活が心血管疾患のリスクを上げます。29年間の追跡の結果,日本人女性では糖質の割合が少ない食事をとっていた人ほど心血管疾患による死亡リスクが低いという有意な関連が認められました。

もちろん糖尿病患者においても、糖質を多く摂取すればそれだけ心血管疾患のリスクは上がるでしょう。

しかも1型糖尿病患者や食事用のインスリン注射をしている2型糖尿病患者は低血糖を起こしやすいのでこれが心筋梗塞や脳卒中のリスクを上げます。低血糖時には眼底出血も起こりやすくなります。

インスリン注射をしていない軽度2型糖尿病患者も、特に肥満体型でインスリン抵抗性の強い方や糖質を好んで大量に食べる方は高インスリン血症により動脈硬化が進行します。

12歳で1型糖尿病を発症したリチャード・K・バーンスタイン先生は糖質制限をなさっており、インスリン注射量はベーサル6単位+ボーラス10単位(1日あたり)とかなり少ないので低血糖が起こりにくく、84歳の今でもお元気です。

これは人それぞれ自分で決めることですけど、子供の頃に発症して羅病期間が長くなってしまい糖尿病合併症が心配なお子さんの今後のことを考えるとき「なるべく血糖値の乱高下を起こさない」ことが大事ですよね。

自分ではどうにもならない血糖値の乱高下はあるにしても、少しでもそのリスクを小さくするために何が出来るのかを考えなくてはいけません。

それは1型の子だけの問題ではありません。2型糖尿病の女性が肥満ではない小学生のお嬢さんの血糖値を測定したら食後高血糖だと分かったという話を聞きました。

1型の子も2型(予備軍)の子も、長い人生を健康に生きていくためには気を付けないといけないことがあります。よっしーも、私の体質を受け継いだかもしれない息子たちの食事に気を付けています。

食べたいものを食べる楽しみを失ってはいけませんが、「インスリンさえ打てば(薬さえ飲めば)なんでも好きなだけ食べても大丈夫」というのも違う気がします。

健常者でさえ、好きなものを好きなだけ食べることは心臓に良いことではないのが明らかです。まして糖尿病の子供たちは…

食べる楽しみを大事にしながら健康を守っていくためには何をどうしたらいいのか、大事な子供たちのためにじっくりと考えてみませんか?

にゃご
糖尿病だから避けられない運命ってわけじゃなく、防ぐ手段があるんだね!

よっしー
そうよ!どこまでやれるかは個人次第だけどね♪

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