私は最初は「アンチ糖質制限」でした?!
ちょっと意外に思われるかもしれませんが、よっしーは若い頃どちらかというと「アンチ糖質制限」でした。
…といっても私は何かの食品がらみの商売をしていたわけではないので、糖質制限している人たちを口汚く罵ったりはしませんでしたけど(;^_^A
職場でダイエットの話題になった時、「夕食だけ主食を抜いてるよ」という同僚がいたので「えー、そんなことしたら筋肉が落ちるんじゃないの?」と言ったことがある程度です。
筋トレ関連の雑誌には「ジャガイモや玄米など吸収のゆっくりな糖質をしっかりと摂取すべきだ」と書いてありましたし。
筋トレ大好きで週5日ジムに通ってたので、当時のよっしーの頭の中には筋肉のことばかり。ジェニファー・ニコール・リーさんのような体型が憧れでした。
フィットネス雑誌の懸賞で高価なアミノ酸が1缶当たった時は、嬉しかったなぁ。
同僚の多くがランチを近所のパン屋で買って済ませている中、よっしーはほぼ毎日お弁当を作って持参してました。中身は、全粒粉のパスタだったり、玄米中心の和食だったりしました。
外食するなら、焼き肉よりも寿司でした。米と魚なので最高にヘルシーだと思って…
玄米食をしていて糖尿病になったから
筋肉のためばかりじゃなく、よっしーはもともとお米が好きでした。特に玄米が好きで、結婚してからもわざわざ小さな自分専用の炊飯器で自分用に玄米を炊き、1食分ずつ小分けにして冷凍保存してました。ちなみに夫は玄米が大嫌いでした…
玄米って、しそふりかけや青魚と最高に相性が良くて美味しかったんです。白米よりもよーく噛まないといけないので、満足感もありました。
だんだん夢中になり、玄米の中に雑穀米を混ぜて炊くようになりました。雑穀が少量ずつパックになった商品があったんです。
子供たちのためにパンを焼くこともありましたが、油脂類をいっさい使っていない「太らないパン」というレシピ本を当時愛用していました。
当時の食事は、高糖質低脂肪食ですね~。途中で糖質制限の本を見かけましたが、糖尿病の父に勧めてみたものの自分はすぐに挫折してしまいました。お米が大好きだったからです。
「あれは糖尿病と診断された人がやるもので、私はお父さんと違ってまだ大丈夫だから」と自分に言い聞かせました。
でも、だんだんのどの渇きや夜間頻尿などの自覚症状が出始め、足の指先までなんだかちょっとしびれたような感じになり、とうとう糖尿病と診断されてしまいました。
あの時、ベッドの上で泣きました。自分では糖尿病にならない健康的な生活を送っていたつもりだったのになぜ!?と。
でも、こうなってしまった以上、もう糖質制限するしかないのかなという覚悟もできました。
運動をしても思ったほど血糖値は下がらなかったから
しかし糖尿病と診断されて16日間の入院生活が始まっても「できればお米を食べながらコントロールできないかな?」という気持ちはまだありました。
だって、しつこいようですが、よっしーはお米が大好きだったからです…
入院生活はとてもヒマでした。糖尿病教室や検査のある時以外はなーんにもすることがないですし、テレビを見る時もお金がかかるのでいつもテレビを見ているわけにもいきません。
だから食後は1日3回、欠かさず運動をしていました。自重筋トレと病棟内ウォーキングです。
病棟内を速足で歩いていると、医師や看護師さんたちから「頑張ってるね」「あんまり無理しちゃだめだよ~」などとよく声をかけられました。
病棟内に「今日の献立」というのが貼ってある場所があったのですが、1日あたりの炭水化物は300gと書いてあったと思います。
これは糖尿病ではない一般の患者さん向けで、よっしーの分は「エネルギー制限食」でしたから、もうちょっと糖質量は少なかったと思います。
一生懸命運動していてインスリンも打ってるのに、食事のたびに血糖値は爆上がりで、とてもガッカリしました。
インスリン注射をやめたかったから
入院中は2種類のインスリン注射(ランタス、アピドラ)を打っていました。アピドラは青い容器に入っていたので「アピドラえもん」なんて呼んでみたりして、少しでも前向きに楽しく考えようと思っていました。
注射は少しも痛くありませんでした。でも、入院時には目の検査で異常が無かったのに、インスリンを打ち始めてからしばらくして左目の視野の一部分が3か所ほど白っぽく抜けて見えることがあって、後日眼科で検査したところ糖尿病網膜症と診断されました(視野の抜けは一時的なもので、現在は解消しています)
インスリン注射の副作用についてネットで調べたところ、ランタスにもアピドラにも「0.1~5%未満 糖尿病性網膜症の顕在化又は増悪」とあり愕然としました…
副作用は、出ない人のほうがずっと多いのは事実。でも運悪く、自分がその「0.1~5%」の中に入ってしまったんだと思いました。
インスリンは、2型糖尿病の自分ならいずれやめることが可能かもしれないと思いました。
主治医に相談して糖質制限を初めてアピドラは即日中止、ランタスも血糖値を見ながら打つ量を調整し、1年目のうちに完全に終了となりました。
薬はなるべく飲みたくなかったから
また最初は、リバロ(コレステロールの薬)とグラクティブ(DPP-4阻害薬)を処方されて飲んでいました。
しかし糖質制限を始めたらコレステロール値が下がりすぎて72になって、主治医と相談して中止しました。いろいろ副作用が心配される薬だったので…
グラクティブも、思い切ってやめてみたら別に変りなかったです。主治医は「あ、そう」って感じで、薬をやめることに対して別に怒ったりはしなかったです。
インスリンの件もあり、できれば薬もなるべく飲みたくなかったんです。どんな薬にも絶対に副作用はあるので…
ただ「旅行とかでちょっと糖質を食べる時があるかもしれないので、グルコバイを3日分出してもらえませんか?」と主治医に頼んだところ「そーいう出し方はしないんだよなぁ…」と言われ、出してもらえませんでした(;^_^A
まぁ、薬があると思うとつい油断して調子に乗って食べすぎてしまいそうなので、これで良かったんだと思うことにします。
病気は糖尿病の他にもたくさんあるから
糖尿病だと、つい血糖値のことばかりに目が行ってしまいますよね。言い換えると「血糖値さえ良好なら何を食べても大丈夫だ」と思ってしまう人もいるかも。
でも、病気は糖尿病だけではありませんよね。糖尿病以上に生命を脅かす病気だってあります。
そして、それらの病気の中には糖質の過剰摂取と深くかかわっている病気もあるのだということを知りました。
血糖値を上手にコントロールできたとしても糖尿病以外の病気で死んでしまっては意味がないと思ったので、その他の病気の予防にも効果があるとされる糖質制限食を続けて行こうと思いました。
夫は花粉症で、しかも毎年冬にはインフルエンザにかかっていました。しかし、よっしーと一緒に糖質制限を開始してからはまったく花粉症にもインフルエンザにもなりません。
これはなかなかすごいことです。昔はインフルエンザの予防接種をしていても発症していたのに…ここ数年、インフルエンザの予防接種は受けていません。
お米よりもステーキのほうが食べたかったから
糖尿病と診断されて入院生活を送っていたとき、唯一の楽しみは食事の時間でした。
でも、病気のことが心配なせいでしょうか、あれほど大好きだったお米を食べてもちっとも美味しく感じられず「肉はこれだけ?」「おかずが少ない」といつも感じていました。
よっしーはサンマやサバなどの青魚が好きだったんですけど、病院の給食にはそういう青魚はあまり出ませんでした。調理の都合なのか、それともカロリーが高いからなのかは知りません。
特に朝食なんて「私の分だけ、おかずを1品忘れているんじゃないの!?」と言いたい日もありました。あまりにもおかずが少ないので。
お米とステーキ、どちらかをいっぱい食べられるとしたらどちらがいい?と訊かれれば、間違いなくステーキだと思いました。
とりあえず、入院中にスマホから江部康二先生の本を取り寄せて家族に持ってきてもらったりして勉強しました。
すでに病気がうんと重くなってしまったから
よっしーの糖尿病は、2型糖尿病の中ではかなり重いほうだと思います。すでに糖尿病合併症も出そろっていたことからも、発症してから7年ぐらいは経過していたと思います。
ごく軽度の方なら痩せるだけで劇的に改善することもありますし、それまで全然運動していなかった人であれば、ちょっと運動をするだけでもかなり効果が出るかもしれません。
しかし、よっしーは若いころから人並み以上に運動していましたし、糖尿病の家族歴もあります。残念ながら「ちょっと食事量を減らす」「運動する」程度では血糖コントロールは難しい段階になってしまっていました。
ひと口に「糖尿病」と言っても、ラクに改善できるイージーモードの方から、糖質制限と運動を行ってもそれだけではコントロールが不十分でインスリン注射や飲み薬を使用しなければいけない方までいらっしゃいます。
特に1型糖尿病の方でインスリン基礎分泌が足りない場合、どうしてもインスリン注射を中止することは出来ません。
その程度は本当に人それぞれなのです。よっしーは2型糖尿病ですが、普通に糖質を摂取するならどうしてもインスリン注射をしないとやっていけないほどの状態でした。インスリンを打ちたくないので糖質制限を選びました。
自分は糖質制限しますが他人には押し付けません
以上の理由でよっしーは糖質制限を選択しましたが、これはあくまでも個人の選択であり、すべての糖尿病患者が糖質制限しなければいけないとは思いません。
何より、やりたくても病気で出来ない方だっていらっしゃるんです。
ただ糖質制限に関して、明らかに事実と異なる批判がされている場合、その情報に惑わされる方がいるかもしれないので「これは違うと思うよ」という個人的な意見は書きたいと思いますけどね。
明らかに間違った糖質制限批判は困りますが、糖質制限するかどうかは、その人の自由だと思います。
最後に、糖質制限ドクターの江部康二先生のブログのコメント欄にあった言葉を引用させていただきます。
自分だけが正しいと思うと、世の中争いがおこります。
私は多様性を尊重することが大切と思っています。
(中略)
自分で考えて判断して糖質制限食実践を実践することを選択した人達が糖質セイゲニストになればそれで良いと思っています。
本当にその通りだと思います。
レストランで隣にいる人が自分と全く違ったものを食べていても、別に良いではないですか。
自分も美味しいものを食べているのなら、別に他人が食べているものなど気にならないはずです。「(お互い)美味しいね~」で済む話。
みなさんも、自分のやりたい食事療法を選択し、自分と異なる食事療法を選択している方がいても相手の自由を尊重してあげてくださいね。