コレステロールの事、どれだけ知っている?
アメリカでコレステロール管理の新しいガイドラインが発表され、糖尿病患者のコレステロール管理をより重要視することになりました。
つまり血糖値だけではなくコレステロールや血圧など、その他のことにも気を付けてトータルで糖尿病患者の健康に留意しようというわけですね、良いことだと思います。
糖尿病患者にとって動脈硬化がとても危険なのは確かですが、多くの方はコレステロールと食事と動脈硬化について正しくご存知でしょうか?
いまだにLDLコレステロールを「悪玉」と呼び、テレビの健康番組で紹介されていた何とか言う食材を買い込んで…という方が多いのでは?
コレステロール値を見ていろいろ考えることは大切なことです。しかし、ただコレステロール値だけを見ても、「その数値が真に意味することは何なのか」「なぜこうなっているのか」を知らなければ的外れな対策ばかりしてしまいます💦
たとえばあなたは、ただLDLコレステロールが高いだけで何か良くないことが起きるわけではないということはご存知ですか?
また、別にコレステロールを多く含む食材を食べ過ぎなくても、特に痩せ型で運動量の多い方が糖質制限するとLDLコレステロールが高くなりやすい理由は?
うーん、テレビではそんなこと説明していないから正直分からないです💦
テレビは基本的に何かの食材がすごい!と言ってそれを買ってもらおうというものが多いんじゃないかしら?
LDLコレステロールの数字だけ見てもダメです
LDLコレステロールの中には無害な者とめちゃくちゃ悪い者がいて、普通の血液検査では両者を区別できず一緒くたにカウントしています。
しかも一般的な血液検査ではLDLコレステロールの量を直接測定せずに計算式から間接的に割り出す場合も多く、この計算式は中性脂肪が低い人では実際よりも高めに出てしまいます。
中性脂肪が低めの方は実際よりLDLコレステロールが多めに計算されてしまい、直接LDLコレステロールの量を測定したとしてもその中身がいい奴か悪い奴か分からないというわけです。
中性脂肪が少なくHDLコレステロールが多めならLDLコレステロールはほとんどが「無害な者」と言われていますよね。
LDLコレステロールが多いだけで何か起こるのではなく、血糖値が上がると(180~)、血管内皮に傷がついてそこからコレステロールがもぐりこんで動脈硬化が進行していきます。
LDLコレステロールが正常値でも、食後高血糖が起こっている場合は動脈硬化が進行する場合があるのはこのためです💦
糖質制限をやめたらLDLコレステロール値が下がったけど?
よっしーは幸いそうではありませんが、糖質制限を開始したらLDLコレステロール値が跳ね上がって医師から薬を飲めと言われて困っている方は非常に多いです。
そのため糖質制限をやめてしまって「やめたらLDLコレステロール値が下がった、良かった!」と言う方も。でも本当に大丈夫?
よっしーは最初「糖質制限でLDLコレステロール値が高くなる人がいるのは、卵などをたくさん食べるからだろう」と思っていました。でも必ずしもそうではないかも…
糖質制限してない人の場合、エネルギーとして糖質を主に使います。しかし糖質制限をしている場合は糖質に代わって脂質が主なエネルギーとなります。
ハードな運動をする方はたくさんのエネルギーを必要としますし、体脂肪が少ない方や少食の方は十分な脂肪が足りないので肝臓が一生懸命「リポたんぱく」を作ります。
リポたんぱくとは、「コレステロールが乗っている船」のようなものです。コレステロールは脂質なので、そのままでは血液に溶け込むことができませんから船に乗っているんです。
このとき、コレステロールと一緒に中性脂肪も船に乗っています。難しい話は割愛しますが、コレステロールと中性脂肪は必ずセットになっていると思ってください。
身体が中性脂肪をたくさん要求しているときには、中性脂肪と一緒にLDLコレステロールもセットでどんどん作られるのでLDLコレステロールが増えてしまうわけです。
痩せている人、運動量の多い人、食事から十分な脂質を摂取できていない人は特に糖質制限ダイエットでLDLコレステロールが増加しやすいです。
糖質制限をやめるとLDLコレステロール値が下がるのは、体のあちこちに脂質を届けるために中性脂肪とコレステロールがセットになったヤツをたくさん作る必要がなくなるからです。
糖質制限をきちんとしているという前提では、このコレステロールは無害だということも知っておかなければいけません。危険なのは食後高血糖が起きることです。
そして「糖質制限でLDLコレステロール値が高くなったので糖質制限をやめたらLDLコレステロール値が下がった」というのは、必ずしも良いこととは限らないわけです。
なんでも数値だけ見て一喜一憂しないことです
コレステロール値にしても血糖値やその他の数値にしても、ただ数値だけ見て大騒ぎするのではなく「なぜこうなったのか?」を冷静に考えてみることが大事です。
血中ケトン体は糖質制限していると正常値をはるかに上回る高値になりますが、これは正常値が良くてそれ以上がダメだというわけではなく、単に糖質制限していない人はケトン体が作られないだけ。
血液検査の結果には正常値というものが設定されていますが、正常値の範囲内であっても低い場合には何らかの栄養素が不足していると考えられる場合もあります。
ちなみに日経メディカルOnlineの日本人医師2286人を対象に行ったアンケートによれば、21%の医師が脂質異常症だそうです。お薬飲んだからって治るわけじゃないのね💦
テレビの健康番組では決して教えてくれない「数値の真実」あなたは自分で勉強してみたいですか?それとも面倒くさいですか?
数値に振り回されるのではなく、その数値が意味する本当のことをきちんと理解しなければいけないのですね。
そうよ、テレビや雑誌ばかり見ていては真実はいつまでたっても見えてこないのね。