糖尿病患者必見!糖質制限、やるならしっかりやらないとかえって危険?

何か説明している女性の管理栄養士

エネルギー比で糖質35%の食事って糖質制限なの?

昨日、姉妹ブログの「もう失敗しない!正しい糖質制限ダイエット」のほうで記事にしたんですけど、どうやら全エネルギーのうち糖質が40%未満の食事と70%以上の食事が体に良くないらしいです。

糖質40%未満の食事って具体的にどんなバランスかと言うと、1日に2000kcal摂取する人の場合、マクドナルドのキャラメルラテSとてりやきマックバーガー1個でちょうどこのバランスになります。

うっかりさんは「糖質40%未満が危険なら、スーパー糖質制限なんてもっと危険に違いない」と思うかもしれませんね。

でもね、キャラメルラテSとてりやきマックバーガーのような「糖質35%ぐらいの食事」がなぜ危険かと言うと、このぐらい糖質を食べればしっかりと追加インスリンは分泌されます。

 

 

そして糖質の大部分がインスリンによって中性脂肪に変わる上、一緒に食べた大量の脂質も余ってしまい、行きどころがない中性脂肪は脂肪肝や内臓脂肪に…💦

また上記の食事バランスで1日2000kcalを3食均等に摂取する場合、1回の食事で糖質を約58.3g摂取することになりますよね。

糖尿病患者が糖質を58.3g食べれば、かなり食後血糖値が上がります。インスリンを打っていれば別でしょうけど、薬やインスリンなしでは血糖値は180は超えそうです。

食後高血糖が起こると、血管内皮にキズが付きます。この時コレステロールがキズの内部にもぐりこみ、動脈硬化が進行し、プラークがたまっていくんです。

 

 

そもそも1日2000kcalの35%を糖質から摂取しようと思えば、1日に175gの糖質を摂取することになります。

日本糖尿病学会の山田悟先生が推奨するゆるやかな糖質制限「ロカボ」でさえ、1日の糖質摂取量は最大で130g(おやつ10g、各食事で20~40g)です!

糖質摂取量が5gぐらいまでなら食後に追加インスリンが分泌されず、糖質10gぐらいならかなり少量で済みます。しかし糖質を50g以上も摂取すればインスリンはガッツリ出ます!

ロカボの上限の1.5倍も糖質を摂取する食事はまったく糖質制限とは言えず、「ちょっと体に良いことをしているつもり」で実は血管に最悪なことをしてしまっている可能性があるんです。

 

にゃご
なるほど、「私ちょっと健康に気を付けてます♪」という方が陥りがちなことかもしれないな。

よっしー
中途半端に糖質制限のことを聞きかじってよく勉強しないでちょっとだけやってみました、って感じね。

 

健康に良い食材をいろいろ食べているから大丈夫?

さて、マクドナルドのキャラメルラテSとてりやきマックバーガーを毎日食べる方はさすがに糖尿病の治療をしている患者さんたちには少ないと思います。

でも、健康に関心がある、いわゆる「意識高い系」の方々が日々の食卓に取り入れているものの中にはそこそこ糖質が多い物がたくさんあります。

これらを組み合わせていくと、先ほど紹介した「全エネルギーの35%を糖質から摂取する食事」に近づいてしまうこともよくあるのではないでしょうか?

 

 

Pasco 麦のめぐみ 全粒粉入り食パン 6枚切り1枚…糖質25.5g 155kcal

玄米ごはん 茶わん2/3杯(100g)…糖質34.2g 165kcal

明治 ブルガリアヨーグルト プレーン 100g…糖質5.3g 62kcal

バナナ Mサイズ 1本…糖質19.3g 77kcal

東海漬物 ごはんに合うこくうまキムチ 50g…糖質5.6g 24.5kcal

玉ねぎ Mサイズ 1/4個…糖質3.2g 16kcal

プチトマト 5個…糖質2.9g  15kcal

りんご Mサイズ 1/4個…糖質8.4g 34kcal

 

 

よっしーもこれらの食材が大好きだったわけですが、現在は気を付けています…たとえばプチトマトなら2~3個までで葉野菜の量を増やすとか、キムチを食べたいときはお店に並んでいる商品の中でもっとも糖質が少ない商品を選んでごく少量ずつ食べるとか。

ヘルシーっぽい食材を豊富に組み合わせて、一緒に「糖質制限って肉の脂は大事なんでしょ?」と言って高脂質の肉をしっかり食べると、糖質35%の食事になってしまうかも💦

これ、健康への意識が高い系の方たちがうっかり陥りがちな落とし穴だと思います。いちいちPFCバランスを計算して食べている方は少ないでしょうけど、気を付けてくださいね。

 

食の欧米化は確かに良いことではない、その理由は…

よく「食の欧米化が悪いんだ」と言われますが、これは半分は当たっているのです。糖質だけでも糖尿病になりますが、糖質と脂質を両方大量に摂取するともっとも体に良くないからです。

世間一般で言う「欧米化された食事」というのは、主食はガッツリ摂取しながら同時に脂質も大量に摂取する食事のことですよね。

昔の日本人は江戸時代以前は1日2食しか食べていなかったうえ、妊婦さんも含めて1日中働いていたので糖質の過剰摂取が肥満や糖尿病に結び付くことは少なかったのです。

 

 

まぁその代わり栄養不足により脳出血による死亡が多かったり、平均寿命もかなり短かったので何がいいかは分かりませんけど💦

糖質と脂質を同時に摂取するのが良くないなら、糖質はそこそこしっかり摂取して脂質を極限まで減らせばいいじゃないかと思われるかもしれませんね。

しかしエネルギーをしっかり摂取しようとすると、それでは結局タンパク質をめちゃくちゃ大量に食べることになるか、糖質をかなり食べなければいけなくなります。

しかもタンパク質と糖質を同時に摂取するときもっともインスリンが分泌されると言いますし、これはただでさえ高インスリン状態になりがちな2型糖尿病患者にとってあまりいいことではないですよね。

 

 

糖尿病患者の食事療法は実にいろいろなことを考えなければいけないので、非常に難しいものです。単にカロリーが低ければ良いとか、薬やインスリンを使って血糖値だけ下げればいいというものでもありません。

糖質制限が流行っているけど、ガチの糖質制限は良くないし辛そうだから…と中途半端なことをしちゃうと、かえって体に良くない結果になるかもしれません。

とても難しいことだからこそ、よーく考えて自分に合ったスタイルを見つけていかないといけないんですよね。みなさん、一緒に頑張りましょう♪

 

にゃご
糖質と脂質が一緒になった時に最凶パワーが生まれるってこと、忘れちゃ駄目だよね。

よっしー
みんなが好きなものってたいてい糖と脂質の組み合わせですもんね♪

 

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