基本方針をざっくり言うと?
糖尿病で何が怖いかと言うと、単に血糖値が高くなったり尿に糖が出ることではありません。本当に怖いのはいろいろな「糖尿病合併症」が出てくることです。
よっしーは糖尿病と診断された時、すでに糖尿病神経障害と糖尿病腎症がありました。そしてインスリンとDPP-4阻害剤で治療を始めて少し経ってから遅れて糖尿病網膜症も出てきました。
糖尿病患者さんはガンや心筋梗塞などで死亡する確率も健常者の方と比較して明らかに高いので、そんなことにならないように気を付けなければいけません。
高血糖状態が続くことがよろしくないのは明らかです。そして、たとえ血糖値が良好でも高インスリン状態が続くこともやはりよくないこともわかっています。
だから、どんな方法であれ「高血糖にならない」「高インスリン血症にならない」ことを目指さないといけません。
糖尿病であっても血糖値をなるべく正常値に近づけ、インスリンが分泌されすぎる(あるいはインスリン注射を大量に打ちすぎる)ことを防ぐのが合併症予防のための基本方針と言えるでしょう。
糖尿病でも合併症にならなければ普通の人と同じぐらい長生きできるんだよね。
そうよ!たとえすでに合併症があるとしても、それを押し戻したり進行を止めることが出来ればいいのよ。
食後高血糖を防ぐためにはどうすればいい?
食後高血糖にならないためには、血糖値をダイレクトに上げる食品(糖質)を食べすぎないことが大事です。
運動で消費できる量には限りがありますので、それ以上に糖質を摂取してしまえば「すべてチャラにする」のは無理です。フルマラソンにでも出るのであれば話は別ですけど💦
脂質では消化吸収が緩やかになって血糖値上昇のタイミングが遅れることはあっても、脂質そのもので血糖値は上がりません。
タンパク質で間接的に血糖値が上がる方もいるそうですが、糖質ほどではありませんし、2型糖尿病患者さんの場合はまったく上がらない方も多いです。
それにタンパク質でも血糖値が上がる可能性があるなら、なおさら糖質だけでも控えめにしないといけませんね。タンパク質と糖質を同時摂取すると最もインスリンが多く分泌されます。
糖質は糖新生能力が正常な大部分の人にとっては必須ではありませんが、タンパク質は必須なので優先的に食べなくてはいけないのですから。
高インスリン血症状を防ぐためにはどうすべき?
次に高インスリン血症にならないためには「インスリンをたくさん必要とする食物の摂取を控えめにする」ことと「インスリン抵抗性をなくす」です。
インスリン抵抗性の改善方法としては、肥満を解消する・定期的に運動する・インスリン抵抗性改善薬を服用する方法があります。喫煙者の方はいますぐ禁煙しましょう!
負荷の強い運動はインスリン拮抗ホルモンの分泌を刺激する のでかえって血糖値が上がることもあり、運動の強度は中程度が良いようですね。
「果物なら血糖値が上がりにくいからいいわ」と思って毎日果物を召し上がっている方もいらっしゃるかもしれませんが、果物に含まれる果糖は肝臓のインスリン抵抗性を生じさせ中性脂肪を増加させます。
痩せ型の糖尿病患者さんは、太るために果物を食べることがあるかもしれません。でも、太っていないのに脂肪肝なんて困りますよね💦
別の病気で服用している薬の影響でインスリンの効きが悪くなることがあります。そのような場合はインスリン抵抗性改善薬などが必要になることもあるので主治医とよく相談なさってください。
自分に合っていて無理なく継続できる方法を
糖尿病は、いったん診断されると一部の例外を除いて「完治」することはありません。これはベテランの糖尿病専門医がおっしゃっていたことです。本当にそんな例があれば症例報告されますから。
だから糖尿病とは一生のお付き合いになります。運動だろうと食事療法だろうと、完全にやめてしまえばいずれ血糖値はまた高くなってしまうのは同じです。
重要なのは「継続すること」です。どんなに効果的な方法であっても、その人にとって辛すぎて結局継続できないようでは意味がありません。
効果が期待出来て、なおかつ肉体的・精神的に負担がなく継続していけるような血糖コントロールの方法を各自で模索していきましょう。
糖尿病でも一病息災、みんなで元気に長生きしような!
自分は健康だからと思って油断している人たちよりも長生きしちゃいましょうよ♪