若い女性の血糖コントロールが難しくなる時期って？
このブログを読んでくださっているみなさんの中には、10～40代ぐらいの女性の糖尿病患者さんもきっとたくさんいらっしゃるでしょう。
じつは、若い女性の糖尿病患者は「ある理由」により血糖コントロールが難しくなってしまう時期があるのです。
妊娠出産が可能な年齢の女性は、２種類の女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」の分泌量が周期的に変化しています。
女性ホルモンは糖尿病とは何の関係もなさそうなイメージがありますが、じつはそうではないことをご存知でしたか？
女性ホルモンのひとつ「プロゲステロン」は妊娠の維持などに関わる重要なホルモンですが、プロゲステロンはインスリン抵抗性をUPさせる…つまりインスリンの効きを悪くします。
もうひとつの女性ホルモン「エストロゲン」にはインスリンの感受性をUPさせる（インスリンの効きを良くする）働きがあると言われます。
だから女性の周期のうち、エストロゲンが多く分泌されている期間は血糖値が比較的良好でプロゲステロンが多く分泌されている期間は高血糖になる女性が少なくありません💦
ホルモンは自分ではどうにもならないから大変ですね💦
私も明らかに女性ホルモンの影響で血糖値が高くなるわ。20ぐらい上がると感じているわ💦
２種類の女性ホルモンが血糖値にどう作用するか？
月経終了後、まずエストロゲンが大量に分泌される時期が来ます。エストロゲンはインスリンの効きを良くして血糖値を良好に保つとされていますが、どういう機序なのか正直よく知りませんでした。
調べてみると、スイスの糖尿病専門医らの研究で「閉経後のメスのマウスにエストロゲンを投与したところ、すい臓と腸の特定の細胞に影響を与えることが分かった」とありました。
すい臓のβ細胞はインスリンを分泌しますが、α細胞はグルカゴンという「血糖値を上げるホルモン」を分泌します。
２型糖尿病患者の場合、インスリン分泌が低下するだけではなくグルカゴンの分泌が必要以上に増加していることが多いそうです。
エストロゲンはグルカゴンの過剰分泌を抑制し、また食後に腸から分泌されるGLP1（インスリン分泌を促し、グルカゴンの分泌を阻害し、満腹感を増加させる）というホルモンの分泌を促します。
そして排卵日を過ぎてしばらく経つとエストロゲンの分泌が減少し、代わってプロゲステロンが大量に分泌され始めます。
プロゲステロンは妊娠するとさらに大量に分泌され、他の何種類かのホルモンと共に妊娠後期にピークになります。このことが妊娠糖尿病の原因となっています。
プロゲステロンは重要なホルモンですが、インスリンの効きが悪くなる作用があるため、健康な女性では問題にならなくても糖尿病の女性の血糖値を上げてしまうというわけです。
ちなみに、糖尿病ではない女性の場合、この時期はインスリンをいつもよりやや多めに分泌してカバーするので血糖値は上がりませんが、いつもと同じものを食べてもやや太りやすくなるかもしれませんね。
よっしーの場合、エストロゲンが多く分泌されプロゲステロンがあまり分泌されていない時期はかなり血糖値が良好になることもあります。
それで「この調子なら次回のHbA1cはかなり良いのでは？」とウカレていると、魔のプロゲステロン大活躍期がやってきてどーんと落ち込むわけです💦
この傾向は特に１型糖尿病の女性で顕著だそうですが、よっしーのように２型糖尿病でも影響を受ける女性は珍しくありません。
自分ではどうにもならない時期だから…
はっきりいって、女性ホルモンによって高血糖になる時期は自分ではほぼどうしようもありません。インスリン抵抗性を下げる薬などもありますが、薬には副作用もあるので服用は主治医と相談して慎重に。
女性は30代後半になると女性ホルモンは２つとも分泌量が低下してきますが、エストロゲンよりもプロゲステロンのほうが急速に分泌量が低下していくそうですね。
…ということは、その時期は血糖コントロールは比較的良くなる？？と思ってしまいますが、だんだん肥満や脂肪肝になる方が増える年代でもあるので、そうとも言えないかも💦
自分ではどうしようもない時期は「他の女性たちもみんな同じなのだから」と割り切って、その他の血糖値に悪そうなことをなるべく控えればいいかもしれませんね。
過度の飲酒・果物の食べ過ぎ・糖質（特に果糖）の摂り過ぎ・運動不足・喫煙・ストレスなどインスリン抵抗性をUPさせる原因となります。
これらをできるだけ避けて、なるべくゆったりと過ごしてこの女性特有の期間を乗り切りたいものです。
自分で出来ることをして、後はいつも通り過ごすしかなさそうですね。
そうね、これ以上はどうしようもならないんだものね。
