血糖値が低いほうがいいのでは?
当ブログに興味を持って読んでくださっている方の多くは、血糖値が高めで悩んでいらっしゃることでしょう。
私は5年半前に入院した時は空腹時血糖値が475もあり、主治医から「たぶん、少なくともここ2か月ぐらいは食後血糖値が500~600ぐらいは行ってたはずだよ」と言われました。
知らないでいるということは、とても恐ろしいことです。あんなにひどくなる前に1度でも血糖値を測定していればこんなことにはならなかったのに…
その後糖質制限で頑張っていますが、あんなに何年も気付かずにほったらかして重症になってしまった糖尿病は、やはりインスリンに頼らずに完全に正常値をキープすることはなかなか難しいです。
ブログ読者の皆さんも、なかなか思い通りにならない血糖値がつい気になってしまうはず。ついつい「血糖値が低い人が羨ましい」と思ってしまいがちです。
確かに血糖値が高いのは大いに問題ですが、実は、血糖値は低ければ低いほど良いわけではないんですよ。今回はちょっと怖い話です。
血糖値は高いことが問題になりやすいから、いつも低めの人はいいなぁと思われがちかもしれないニャー。
明らかな低血糖は危険としても、慢性的に低血糖気味ぐらいだとHbA1cも低いしいいなぁと思われることもあるんじゃない?
インスリンを分泌する腫瘍とは
血糖値の正常値は空腹時で70~109とされています。健常者やごく軽度の2型糖尿病の方は、この範囲内におさまっている方が多いでしょう。
しかし糖尿病が重くなってくると、何も食べなくても空腹時の血糖値は高くなります。200を超える方もいます。
血糖値が下がりすぎた時に上げるホルモンはいくつかありますが、血糖値を下げるホルモンは、すい臓のベータ細胞から分泌されるインスリンだけです。
糖尿病の場合はこのインスリンの分泌が少ないか、ちゃんと分泌されてもうまく働きません。しかし逆に、インスリンが分泌されすぎる病気があります。
すい臓のベータ細胞が腫瘍化して「インスリノーマ」になると、たとえ血糖値が低い時でも関係なくどんどんインスリンを分泌してしまいます。
その結果、頻繁に低血糖気味になってしまうのです。ヒトのインスリノーマは90%が良性なので、手術して切除してしまえば大丈夫だそうですよ。
血糖値が乱高下すると辛い!!
何らかの原因によって食後グンと血糖値が上がり、その後にインスリンが急激に分泌されて血糖値が急に下がりすぎることによって、不快な症状が現れます。これが「機能性低血糖」です。
通常、インスリンが分泌される量やタイミングは絶妙に調整されているのですが、この調整がうまくいかない人は機能性低血糖になりやすいんです。
このような人がいまの食生活をそのまま継続すると、将来糖尿病になりやすい場合もあり注意が必要です。
高血糖と低血糖を繰り返すので、過去2か月の血糖値の平均を反映するHbA1cは正常値であることも少なくありません。
機能性低血糖があると「極度の疲労感や頭痛、めまい」「食後の強烈な眠気」「うつ、不眠、イライラ」などの症状が出やすくなります。
あなたの周囲にも、いつも甘いものを食べていて、甘いものを切らすとイライラして周囲に当たり散らしたり不機嫌になる人がいませんか?
その人はもしかしたら、自分でも気付かないまま「機能性低血糖」で苦しんでいるのかもしれません。私の友人は糖質制限で機能性低血糖と肥満を解消しました。
アルコールを慢性的に摂取していませんか?
お酒をしょっちゅう飲む方は血糖値がずっと低めになるかもしれません。糖質制限をしていると肝臓はアルコールという毒物の処理にかかりきりになるため、大事な「糖新生」が普段ほどきちんと行えません。
そのため糖質制限をしていてお酒を飲むと低血糖気味になります。私は30分ばかり歩いただけで血糖値が70台になったことがあります。いつもは絶対85以下になることはないのですが。
ではお酒を飲む時には糖質を摂取すればよいのかというと、そうでもないようです。アルコール摂取はインスリン抵抗性を引き起こすだけではなく、食欲を亢進する作用もあります。
脂肪肝になってしまうと血糖値は悪化しやすくなります。アルコールそのもので血糖値が上がりにくくてもやはり良くないですね。
またアルコールは糖尿病神経障害にも間違いなく良くないとされていますので飲みすぎに気を付けましょう。
血糖値は高すぎるのも低すぎるのも良くない!
血糖値が非常に狭い範囲内で調整されているのは、血糖値が高すぎるのも低すぎるのも健康に良くないからです。
空腹時血糖値70~109という数字が人間が決めたことなので、少しでもこの数字から外れていると異常と言うわけでは必ずしもないと思います。
でも常に血糖値が正常値を下回っていて、なおかつだるいとか何らかの不快な症状が出るのであれば、やはりそれは問題ですよね。
つい血糖値が高いことだけに目を向けがちですが、低いことも決して良いことではないということを忘れてはいけませんね。
高すぎるのも低すぎるのも良くないのは当たり前だよニャア。
常に血糖値が正常値より低い方は、なぜそうなっているのか一応振り返ってみてもいいかもしれないわ。