元野球選手佐野慈紀氏 糖尿病からの感染で右腕切断手術へ

元野球選手佐野慈紀選手、糖尿病からの感染症で右腕切断手術へ

元野球選手の佐野慈紀さんが糖尿病から右腕を切断

私達糖尿病患者にとっては特にショックなニュースが飛び込んできました。

元野球選手の佐野慈紀さん(56歳)が明日5月1日に右腕を切断する手術を受けられるというのです。

 

佐野慈紀氏 右腕切断手術受けると告白 糖尿病からの感染症進み…「生きる為には乗り越えないと」(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース
元近鉄、中日投手の佐野慈紀氏(56)が30日、自身のブログを更新し、5月1日に右腕切断の手術を受けることを告白した。プロで41勝を挙げた右投手が、利き腕の右腕を切断する苦渋の選択となった。  3

 

昨年の4月に右足中指の感染が発覚、重症下肢虚血 緊急の為、右足中指を切断。何とか足は残す事ができたが12月に感染症が足から指先に転移し壊死、指先を2本切断なさったそうです。

実にお気の毒なことですけど、何も知らない健康な方たちが「どうせ真面目に糖尿病の治療をしないで好きなだけ食べていたのだろう」というように決めつけるのはどうかやめていただきたいなと思います。

糖尿病は、2型糖尿病の場合は初期段階で見つけて対処すればほぼ治ったも同然の状態まで回復することはよくあります。明らかに不摂生していた方は特にそうです。

 

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でも糖尿病合併症がある程度進行してしまうとそれが「完治」することは難しいですし、進行を止められない場合もあるそうです。

私も9年前、とんでもなく体調が悪化して緊急入院するまでは糖尿病と診断される機会がありませんでした。次男を産んだ後の検査でギリギリ正常値が出て、その後定期的に検査に来るようにと言う指示がなく専業主婦をしていたせいなのですが、こういう方は少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?

そして「主治医に言われたとおりにカロリー制限や適度な運動を頑張っていたのに腎不全or視力が大幅に低下してしまった」という話はここ9年間でいくつも聞きました。必ずしもその方が努力しなかったせいではないのです。

ヤフコメにも「糖尿病を甘く見るからだ」的なコメントが見受けられますけど、佐野さんは少なくとも入院されてからはずっと真面目に治療に取り組んでこられたのではないでしょうか?

 

にゃご
にゃご

ひどいね、何も知らないのに責めるようなことを言うなんて。

よっしー
よっしー

頑張っているのに良くならなくて困っている人は何人も知っているわ。

そもそもなぜ糖尿病だと感染症が悪化しやすい?

糖尿病患者だからといって必ずしも糖尿病「だけ」が原因で感染症が悪化するとは限らないと思いますけど、一般的に「糖尿病患者は感染症が悪化しやすい」と言われていますよね。

血糖値が高い状態が続くと白血球や免疫に関わる細胞の機能が低下したり、血流障害や神経障害、人工透析などは感染の重症化に影響すると言われているそうです。

新型コロナウイルス感染症が騒がれ始めた頃、なんとなく不安があったので糖尿病専門医の主治医に相談したところ「あなたの場合はそこまで重症化リスクは高くないはず、過度に心配することはない」と言われました。

 



 

「糖尿病だからワクチンを接種しなければ」という考えもあるでしょうけど、まず糖尿病でも感染症が重症化しにくい状態にするにはどうしたらよいかを考えるべきかも。

糖尿病が発覚する前の年は、目が痛くて目を開けていられないほど酷い結膜炎を3度も繰り返したり高熱で寝込んだりと明らかに免疫力が低下していると思いました…当時はかなり高血糖な状態が続いていたはずですからね。

だから「糖尿病になってしまった、もう駄目だ」という風に思わなくてもいいですし、怖い怖いと言ってもなんにもならないので、何をどうすべきかを考えて無理のない範囲で継続することが大事ではないでしょうか。

 

動脈硬化の進行を阻止せよ!

佐野慈紀さんによれば「重症虚血 血流の悪さに懸念が増える。動脈硬化が激しく回復がままならない」ということでした。

「糖尿病で血糖値が高いと動脈硬化になるんだろう」と思われるかもしれませんが、実はインスリン抵抗性(インスリンが効きにくい状態)の状態が強くなると動脈硬化が進行しやすくなります。

インスリンは生きていくためにとても重要なホルモンですが、健康な方では必要以上に「出過ぎる」ことはなく、2型糖尿病(肥満の1型糖尿病患者さんも!)で大量にインスリンを打ったり分泌している状態が続くのは良くないわけです。

「甘いものを食べまくってもインスリンを注射して血糖値を下げれば何も問題がないから」とは言えないのは、ひとつはこれだったりします…血糖値は比較的良いのに血管年齢がかなり高い方、いらっしゃるでしょう?


 

糖尿病は血管や神経が傷んでいく病気ですけど、言い換えればこれらをなるべく防ぐことさえできれば過度に恐れることはないのかもしれません。

動脈硬化の原因はいろいろあり、中には他の病気が原因になることもありますが、糖尿病患者の場合はやはり「高血糖」「高インスリン血症(インスリン抵抗性による)」を何とかしなければ。

高血糖を防ぎ、必要以上にインスリンを必要としないような生活はどんな生活でしょう?そこを考えてみませんか?

そして歩き始めてしばらくすると足が痛くなって歩けなくなり、少し休むと痛みはなくなり、再び歩き始めるとまた足が痛み出す…という症状がある方は糖尿病で下半身の動脈硬化が進行している可能性もあるので病院で検査してもらうといいです。

最後に…佐野慈紀さんや同じような事態に直面されている皆さまがこれ以上苦しい思いをなさることなく元気に過ごされるようにお祈り申し上げます。私も決して他人事ではない問題です。

 

にゃご
にゃご

糖尿病だからって絶望しなくてもいいんだね。

よっしー
よっしー

過去のことはもうどうしようもないけど、これから出来ることをしなければね!

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