ドラマ『白い巨塔』から学ぶ。

白い巨塔のドラマから糖尿病患者が学んだこと

名作医療ドラマ『白い巨塔』を観ました!

数年ぶりにフジテレビの2003年のドラマ『白い巨塔』を通して観ました。山崎豊子さん原作の小説をドラマ化したもので、唐沢寿明さんが主役の医師・財前五郎を演じています。

前半では「医学部教授選挙」、後半では「医療裁判」について非常にリアルな感じで書かれており、大学病院というところは想像以上に大変なところなのだなと…

このドラマは、考え方が異なる外科医の財前五郎と内科医の里見修二(医学部の同期)が、自分の信念に基づいて行動しつつ相手の優れたところは認めているというところが非常に良かったです。


 

私は子供の頃から医療ドラマが好きでよく観ているんですけど、正直、中には第1話を観ただけで「つまらん…」と観るのをやめてしまった作品や予告を見ても面白くなさそうなので観ていない作品もたくさんあるのです。

しかしこの『白い巨塔』は同じフジテレビの『振り返れば奴がいる』と同様、非常に面白く夢中になって観ることができました。

このドラマには糖尿病は登場しませんけど(糖尿病を患っている患者はいましたがそれがメインではない)、いろいろと思うところがあったのでひとつ記事にすることにいたします。

 

にゃご
にゃご

何度も映像化されている作品なんだってね!

よっしー
よっしー

多くの人の心を動かす作品だからだと思うわ!!

医者の不養生…

「医者の不養生」という言葉があります。「人に養生を勧める医者が、自分は健康に注意しないこと。正しいとわかっていながら自分では実行しないことのたとえ」です。

息子たちが小さかった頃お世話になった小児科の先生は「仕事が忙しいので毎日は行けないけど、プールに通っている」とおっしゃっててさすがだなと思いました。

医師だからといって必ずしも健康的な生活を送っていらっしゃるとは限らないですよね。別にそんなことは先生方の勝手だからいいんですけども。

 

医者の不養生

 

ただ、医師は重労働でストレスも多い仕事だと思います。やはり健康には気をつけていただきたいなと内心では思います。

父の糖尿病の主治医は父より若かったですが、突然亡くなりました。私の前の主治医は急病とかで退職されましたが、最近「医師免許検索」を見たら名前が消えていました…どうなさったのか、とても心配です!

病気の種類によっては、自分で気をつけようがないものもあります。しかし後で述べるように、生活習慣によってリスクがかなり上がる病気もあるのです。

 

生活習慣によって病気のリスクは変わる!

ドラマでは、財前先生は医師にもかかわらず頻繁に喫煙するシーンがありました。1999年にWHOが「医師は喫煙すべきではない」と提唱したことによるのか、近年、医師の喫煙率は下がり続けているそうです。

具体的には、日本医師会員で2000年の喫煙率は男性27.1%、女性6.8%だったのが2020年には男性7.1%、女性2.1%に減少したそうです。

うちは父も夫もタバコを吸わないので、2000年の段階で医師でさえこんなにタバコを吸う方がいらしたことに驚きを隠せないのですが…ドラマが作られた当初は男性医師で喫煙する人は結構いらしたのですね。

財前先生は肺がんになってしまうのですが、喫煙しなくても肺がんになることはあるとはいえ、やはり喫煙者ではそのリスクが上がります。

 



 

喫煙者は肺がんになるリスクが男性で約4.8倍、女性で約3.9倍になるそうですよ!!また、肺がん患者さんで喫煙していた割合は男性で55.0%、女性で16.1%と一般より高い傾向が見られたそうです。

診療科にもよりますけど、肺がんで亡くなる患者さんを見てきたはずの医師でさえ喫煙をやめられない方がいらっしゃるのです。決して「医師の喫煙率」はゼロにはなりません。

それは「自分は大丈夫」と思っているゆえなのか、それとも「分かっちゃいるけどやめられない」なのかは分かりません。

糖尿病に当てはめるなら、糖尿病合併症に苦しむ患者さんたちを多数見ていながら自分は夜中にお菓子やカップ麺をやめられない医師…みたいなものでしょうか。この先ずっと大丈夫かどうかは分からないのにね!

 

自分が正しいと思う方法に固執してはいけないのかも

財前医師は食道外科を専門とする外科医です。がんの治療法としてまず手術が第一と考えています。

しかし、手術だけではすべてのがん患者さんを救うことは出来ないという現実を認め、最も信頼している内科医の里見を新しく出来るがんセンターの内科部長になってほしいと強く望みました。

なるべく多くの患者さんを救おうと思ったら、ひとつの方法で不十分なら別の方法を選択肢として加えるのは当然のことですよね!

しかし糖尿病に関しては、カロリー制限食ではイマイチうまくいかない患者もたくさんいるにも関わらず他の食事療法は正式に認められていないのが日本です(アメリカなどいくつかの国ではすでに糖質制限など他の方法が認められています)。

 

アメリカ糖尿病学会が出した歴史的なコンセンサスレポート 糖質制限を推進!
先日アメリカ糖尿病学会が発表した栄養療法のコンセンサスレポートを読んで、びっくりしました。歴史的な瞬間かもしれ…

 

医師が「自分はこの方法がベストだと思う!」と考えても、時にその方法では患者を救えないことがあります。

もし自分が患者だったら…他にもっと自分に合う方法があるならそれを試してみたいと思うものではないでしょうか。8年前の私のような「崖っぷちの患者」はとにかく必死なのです。

がんの治療を専門とする医師もがんになるように、糖尿病専門医も糖尿病になることはあります。1型糖尿病やMODYだけではなく、当然2型糖尿病の医師もたくさんいらっしゃいます。私も知っています。

「自ら糖尿病診療の第一線にある者が糖尿病を上手くコントロールできず、糖尿病が原因で死すことを心から恥じる」なんて仰ることのないようにお願いしますね!

 

にゃご
にゃご

お医者さんも元気に長生きしてほしいし、患者の気持ちも考えてくれたらいいよね。

よっしー
よっしー

まだ糖尿病治療は完成されたものではないと思う。この時代に生きる私達だからこそ…真剣に考えないといけないのね。

 

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