ビタミンDでヒトとネズミの血糖値が下がった!?
カナダのグループが、2型糖尿病患者へのビタミンD補充で血糖値とインスリン抵抗性が改善されると発表しました。ビタミンDを補充した患者のHbA1c、空腹時血糖値、インスリン抵抗性指数のいずれも有意に低いのだそうです。
ビタミンDは魚類やキノコに多く含まれる他、紫外線を浴びることで体内でも合成されます。日焼け止めを塗って1日中部屋に閉じこもっていると、ビタミンD不足になっているかも?
血中カルシウム濃度を調整したり、骨の健康を保つ働きはよく知られていますが、血糖値にも関係があるとは驚きです。
カルシウムが不足するとインスリンが正常に分泌されなくなりますが、カルシウムはビタミンDと一緒に摂取することで効果が高まります。
またアメリカの研究で、重い糖尿病のマウスにビタミンDを摂取させると2週間後には対照群と比べて血糖値が約半分になったのだそうです。
2型糖尿病は、炎症性ストレスとインスリン抵抗性によってすい臓のベータ細胞が機能不全になることで進行していくのです。
ビタミンDは炎症性ストレスで傷ついたベータ細胞の修復・再生と機能回復に役立つのではないかとのこと。
まぁヒトではなくネズミさんの実験なので、ネズミでうまくいったからといってヒトでも同じようになるかどうかは分からないんですけどね。研究のさらなる発展が期待されます。
ビタミンDは糖尿病に効果がないという研究結果も…
ただし、他の研究で「ビタミンD補充は2型糖尿病患者のインスリン感受性やインスリン分泌に影響しなかった」というものもあります。
結局、効果があるのかないのか、どっちなんだよという話ですが…興味がある人は自己責任で試してみるといいんじゃないでしょうか?
よっしーはビタミンDのサプリメントを1日あたり3000IU飲んでいます。これを飲んだからと言って劇的に血糖値が改善した…とは残念ながら思いません。
しかしビタミンDのサプリメントなんて安いものですし、よく分からない高額なサプリよりは買ってみる価値はあるんじゃないかと思います♪
なお「バランスの取れた食事をしていればサプリなんて必要ないんじゃないの?」という意見もあると思いますが、自分ではそうしているつもりでも実は足りていないということはよくあります。
またビタミンの必要所要量とはあまりにも低く設定されているのではないかという話もありますが、このあたりは個人の考えだと思うので皆さんが自分で調べて自分で判断してください。
ビタミンカスケード理論とは?
「ビタミンサプリなんて飲まなくても健康な人はたくさんいる」「同じ食事をしているのに病気になる人とならない人がいる」確かにそうですよね。
こんな疑問に対して、今のところもっとも納得がいくと感じているのが、カスケード理論です。興味のある方はじっくりと読んでみてください。
私たちが「体質の差」と呼んでいるものの正体が、何となく分かるような気がします。全ての人が同じ量の栄養で同じ効果が得られるわけではない理由は、これで説明がつくなと思いました。
さて、ナイアシンがコレステロール値を下げることを発見したカナダの故・エイブラハム=ホッファー博士は分子整合医学の第一人者でした。
彼の著書によれば、メガビタミンDは骨粗鬆症、がん、うつ病、高血圧、多発性硬化症、糖尿病、心疾患、ぜんそくなどの予防と改善に効果が期待できるのだそうです。
ただこれらの病気に効果があると言われるビタミンDの量はかなりのもの。3000IUでは効果がないのかもしれません。どこかで5000IUは必要だと読んだような…
「そんなにたくさん飲んで大丈夫なの?」と思われるかもしれませんが、アメリカでは1粒で10000IUのビタミンDが普通に発売されているんです。
ということは、その程度の量を1日1粒飲んでも健康上何かマズいことが起こる可能性は低いんじゃないでしょうかね。ビタミンD、もっと含有量が多いものに変えてみようかな?
とりあえず糖尿病患者はビタミンD不足に注意しましょう
さきほども書きましたが、ビタミンDは日光を浴びることによって体内でコレステロールから合成されます。しかし部屋に閉じこもっていたり、UVケアを徹底しすぎるとこれが十分に行われません。
また体内で合成できると言っても、何らかの原因で腸からのビタミンDの吸収が悪くなるとビタミンDの欠乏症になるそうです。やはり食事からのビタミンD摂取は大切ですね。
ビタミンDには魚など動物性食品に含まれるビタミンD3とキノコに含まれるビタミンD2がありますが、ヒトの場合D3が重要です。
玄米や豆類に含まれるフィチン酸、タケノコやホウレンソウに含まれるシュウ酸、食物繊維の摂りすぎはカルシウムの吸収を妨げます。
またセリアック病(小麦などに含まれるグルテンが原因で発症する自己免疫疾患)では腸からビタミンDを含む各種ビタミンやミネラルの吸収が悪くなります。
何か思い当たることがある方は、ちょっと食生活を見直してみてはいかがでしょうか?特に1型糖尿病患者さんの5人にひとりはセリアック病の可能性があるそうです。
糖尿病とはあまり関係があるようには思えないビタミンDですが、実はものすごく大事なものなのかもしれませんね。