低血糖はとても危険
血糖値が高い人たちは、高血糖が糖尿病合併症をもたらすことはもちろんよくご存じだと思います。
でも、実は低血糖はもっと危険なんですよ。
運が悪ければそのまま死亡する危険だってあるんですから…
昨年、こんな話を聞きました。
その方のおじさんは糖尿病で、糖質制限はしておらず、普通の食事をしてインスリン注射をしていたそうです。
1型か2型かまでは聞けませんでしたが、インスリン注射をしていたということなので、決して軽くはなかったと思われます。
そのおじさんは、ある日、車の中で低血糖を起こして亡くなっていたそうです…
また、慢性的な高血糖状態が糖尿病合併症の網膜症を引き起こしますが、じつは低血糖をよく起こしている人はやはり網膜症が悪化して眼底出血しやすくなるのだそうです。
複数の方の体験をネットで読みましたし、実際に経験した方の話も伺いました。
どうやら、高血糖と低血糖を繰り返すことが非常に血管によろしくないようです。
健康体の場合はそう簡単に低血糖にならない
よっしーはもう何年も前から糖質を1日当たり30gも摂取していませんが、低血糖を起こしたことは1度もありません。
ヒトはわざわざ糖質を食べなくても、肝臓の糖新生により必要な糖はかなり賄えます。
アスリート並みの運動量だとどうだか分かりませんが、少なくともジムで運動しても低血糖になったことは1度もありませんから、その糖新生の能力はすごいものがあります。
しかし病気をお持ちの方の中には、ちょっと糖質制限するだけですぐに低血糖になる可能性がある方もいらっしゃいます。
つまり病気で糖新生がうまくできない方たちです。
1万人にひとりぐらいの割合で、長鎖脂肪酸代謝異常症という難病またはその疑いのある方がいらっしゃるそうです。
この病気だと生まれつき長鎖脂肪酸をエネルギーとして利用することができません。
魚油、大豆油、オリーブオイル、ラードなど、多くの食品に長鎖脂肪酸が含まれていますので、これを利用できないとなると大変です。
この病気の方は空腹状態の時に脂肪をエネルギーとしてうまく使えないので、糖質の間食をしたりしないといけないようです。
重症の方は生まれてすぐに病気が見つかりますが、ごく軽度の場合、まったく症状がなく、大人になって糖質制限をしたときに体調が悪化して初めて分かることもあるそうです。
(詳しくはカルピンチョ医師のブログをお読みください、非常に詳しく解説されています)
糖質制限で体調を崩した方は病気の可能性も
もしこの記事を読んでいるあなたが以前、糖質制限を「正しく」試みたことがあるとします。
それで半日とか、1日も経たないうちに低血糖症状が出て倒れそうになった場合は、本当にそれまで気が付いていなかった病気をお持ちの可能性があるので、病院で検査を受けることをお勧めします。
長鎖脂肪酸代謝異常症は生まれつきの難病であり「治す」ことはできませんが、診断がつけばアシドーシスや高アンモニア血症などを起こさないための生活のアドバイスを受けられますから。