学校給食は肥満と糖尿病を予防する効果がある?
以前たまたま次男が通う小学校の養護教諭とお話した時、学校給食の話になりました。先生は「学校の給食ってとてもヘルシーなんですよ、尿検査で糖が出る子はほとんどいませんし」
あのー先生、日本の糖尿病患者の95%は2型糖尿病で、しかも小学生で2型糖尿病と診断される子供はかなり少ないはず…この年代だと1型糖尿病の子より少ないぐらいでは?
もしかしたらすでに食後高血糖が生じている子供はちらほらいるかもしれませんが、朝の空腹時の尿に糖が出るほど空腹時血糖値が高くなっている子はさすがにまだほとんどいないでしょうね。
検尿で引っかかる子はほとんどいない=学校給食のおかげです…ってすごく話が飛躍してるなぁと思いました。
さて学校給食と言えば、東京大学のグループの研究で、学校給食のある中学校の男子生徒のほうがそうでない中学校と比較して肥満児が少ないことが分かったそうです。
ちなみに女子生徒の場合は、給食の有無によって肥満率に統計的に有意な差は見られなかったそうですよ。
「そうか、やっぱり学校給食は栄養バランスが取れていてヘルシーなんだ!給食と同じような食事を食べていれば太らないし糖尿病も防げるんだね」と思ったあなた、ちょっと待って!
学校給食と、病院で出される入院患者さんの食事、大差ないと思いませんか?本当にそれでみなさん健康になれるのでしょうか。
もっと食べたくてもこれだけしかないんだよね…
育ち盛りの男の子を2人育てているよっしーはリアルに分かるんですが、学校給食って成長期の男子にはかなり物足りないんですよ。
学校のホームページに「今日の給食」って画像が掲載されているのを見ても、あれれ、お肉はこれだけ??
しかもラーメンとパンとバナナが1度に出される日もあったりして…栄養面でつじつまを合わせようと頑張ってメニューを組まれたのだと思いますが…
長男のお友達で小学校6年生ですでに身長が175cmぐらいあった子はいつも「もっと肉を食いたい、少ない!」と文句を言っていたようです。そりゃそうだよね。
でも、食べ盛りの男の子たちがもっと食べたいと思っても、お弁当と違って給食は量に限りがあるので我慢するしかないわけです。
しかも運動部の子は、遅くまで部活に励んでいます。うちは18時ぐらいに帰ってきます。おやつの時間はとっくに過ぎているので、そのまま夕食です。
お腹が空いても食べられる量に限界がある学校給食。成長期の男の子は信じられないほどたくさん食べる子供もいます。
お母さんにお願いして好きなものを食べたいだけお弁当に入れて持ってこれる学校よりも、給食がある学校の方がいくらか肥満児が少ないとしても当然では?
学校給食で救われる子供もいるのは事実です
ただ中には、いろいろな事情でお母さんがちゃんとした食事を用意してくれない場合もあるんだそうです。
お弁当といっても菓子パンとジュースだけとか…それなら学校給食の方がずっとマシですよね!菓子パンとジュースではほとんど栄養がなく、糖質が多すぎます。
だから「学校給食を廃止してみんなお弁当持参にすべき!」とは思いません。それでは困ってしまう人が本当にたくさんいらっしゃいます。
小学校で年に数回しかないお弁当の日(遠足など)ですら「えーっお弁当なんて面倒くさいわねー!」とおっしゃるお母さんたちもいましたし。
それに、きっと学校給食用に食材を販売してきた方たちもきっと困ってしまうのでしょうね、まぁそれは分かります。
だからお弁当を持っていくor学校給食を食べる、それぞれの家庭で自由に好きな方を選択できるようになればいいと思うんですけどね。
お弁当を持っていく子が増えれば、アレルギー等でクラスで自分だけお弁当持参だった子も「自分だけみんなと違う」と思わずに済みますし。
学校給食のような定食スタイルなら大丈夫?
最近、ある学生さんから「どんぶり物より定食を選ぶべし」と講義で聞かされたという話を教えてもらいました。
よっしーも学生時代、栄養のバランスが大事だの高脂肪食は病気の原因だの言われたような記憶があります。確かに「主食と同時に」高脂肪食を食べるのは良くないんですけどねw
どんぶりで大量のごはんを食べたり、メガ盛りの焼きそばなんかを食べたりそういうのは明らかに良いことではありません。定食のほうがずっと良いでしょうね。
でも、それでは学校給食みたいな定食スタイルであれば糖尿病の予防及び改善に本当に役立つのかと言われると大いに疑問が残ります。
これまで異常に食べ過ぎていてそのせいで太って糖尿病を発症した方には確かに効果があると思いますよ。でもそうでない場合は?
結局、ああいう食事によって防げるとしたらそれは「肥満が原因の糖尿病」だけ。しかも絶対に太らないわけではありません。小学校にも肥満児はちらほらいました。
それに…アメリカなどでは規制されているが日本では野放し状態の「トランス脂肪酸」。日本の学校給食では普通にマーガリンが使われていますよ。そういう問題もあるんです。
子供たちの未来を守りたいと思います
栄養バランスについて考えるのはとても良いことですし、菓子パンやおにぎり、カップ麺など糖質だけの食事がとても良くないのは事実です。
でも、だからといって「学校給食はヘルシー」「学校給食は栄養バランスが取れている」と言ってそこで終わってしまって大丈夫なんでしょうか!?
小学時代に父が糖尿病と診断されたよっしーは、学校給食的な食事を理想の食事だと思って頑張っていたつもりでしたが結局糖尿病発症を防ぐことは出来ませんでした。
給食の後の5時間目、うっかり居眠りしてしまう中学生、多いのではありませんか?成長期だから仕方がないと思っている方が多いでしょうけど、もしかしたら原因は別の所にあるかもしれません。
私たち糖尿病患者の願いは、自分の病気の改善はもちろんのことですが、可愛い子供や孫たちに自分と同じ病気になって欲しくない…これ非常に大きな思いですよね。
自分たちの昔と何も変わらなければ、いずれ子供たちも同じ目に遭うことになります。そうならないで欲しい…糖尿病合併症の恐怖は、私たちの世代でもうおしまいにしたいものです。