高コレステロールは飽和脂肪酸が原因?
糖尿病ネットワークに「この30年間に日本人では、総コレステロール値の高い人の割合は体型とは無関係に増えている」という記事があったので読んでみました。
昔は太っている人にコレステロール値が高い人が多かったのが、最近は標準体型や痩せ型の人にも増えているというんですね。
そして「飽和脂肪酸の多い食事をとる人が増えたのが高コレステロールの原因である」と結論付けられていましたが、本当にそんなに単純なことかしら?
よっしーは糖尿病と診断される前、糖質はしっかり摂取して脂質制限をしていました。それで入院2日目の検査では前々日の夕方から何も食べていないのも関わらず中性脂肪88・HDLコレステロール51・LDLコレステロール183でした💦
おそらく普段は、もっと中性脂肪値も高かったと思いますよ。中性脂肪値は食事の影響があり、10時間も絶食すれば最低値になると言われていますから。
今は何を食べても中性脂肪・HDLコレステロール・LDLコレステロールが正常値をはみ出すことはありません。少なすぎたHDLコレステロールも70~80にまで増えました。
いまだにHDLコレステロールを「善玉」、LDLコレステロールを「悪玉」と呼び「コレステロールを下げる〇〇は要らんかね~」と一生懸命な業者さんは多いです。
でもコレステロールが高くなるのって、本当に世間一般で言われているようなことなのか?そしてコレステロール値を下げるために薬や高額なサプリを飲む必要があるのか?について考えてみましょう。
そもそもコレステロールってどんなもの?
ほとんどの方は「コレステロールは悪いものなので、多すぎると病気の原因になるから少ないほうが健康的だ」と思っているでしょうね。
そして「卵にはコレステロールが多く含まれているので、食べ過ぎたらいけないんだ」とも思っていらっしゃるかも、昔はそう言われていましたからね。
よっしーは糖尿病発症前は、卵は1日1個しか食べていませんでした。今は毎日3~4個食べていますが、今の方がずっとコレステロール値が低いです。
これはなぜかというと、コレステロールはとても大事なものなので、食事から摂取するコレステロールが少ない時は体内でたくさん作ってしまうからなんです。
ベジタリアンでもコレステロール値が高い人がいらっしゃることからもそれは明らかです。また妊婦さんのコレステロール値はかなり高くなるんですよ。
清水泰行医師は卵10個を3日間食べ続けるという実験をなさいましたが、コレステロール値はほとんど変化がなかったそうです。よっしーはもう4年近く卵をたくさん食べ続けています。
肝臓から「行きの船」に乗って全身に運ばれていくのがLDLコレステロールで、逆に「帰りの船」に乗って肝臓に帰ってくるのがHDLコレステロールです。
LDLコレステロールは傷ついた部分を一生懸命修復するのに、なぜ悪者扱いされてしまうのでしょうか?
糖質制限でLDLコレステロールが増加する理由
糖質制限を始めると、ものすごくLDLコレステロール値が高くなる人がしばしばいらっしゃいます。
よっしーの夫もそうだったのですが、大豆製品でもサバの水煮でもまったく解決しなかったのがナイアシン(ビタミンB3)ですっかり解消しました♪ナイアシンはすごく安価ですwww
本来、食事に含まれるコレステロール量が多い時は体はあまり吸収しなかったり体内でコレステロールを合成する量を減らしてうまく対応できるのですが、時にこれがヘタな体質の方がいらっしゃいます。
そして運動量が多い人や痩せて体脂肪の少ない人、少食であまりたくさん脂質を摂取できていない方の方がコレステロール値が跳ね上がりやすい傾向があるようですね。夫は体脂肪率が1ケタでよく10kmぐらい走るヒトです。
糖質制限してない人の場合、エネルギーとして糖質を使うことが多いです。しかし糖質制限をしている場合は糖質に代わって脂質が主なエネルギーとなります。
ハードな運動をする方はたくさんのエネルギーを必要としますし、体脂肪が少ない方や少食の方は十分な脂肪が足りないので肝臓が一生懸命「リポたんぱく」を作ります。
リポたんぱくとは、先ほど紹介した「コレステロールが乗っている船」のことです。コレステロールは脂質なので、そのままでは血液に溶け込むことができませんから船に乗っているんです。
このとき、コレステロールと一緒に中性脂肪も船に乗っています。身体が中性脂肪をたくさん要求しているときには、中性脂肪と一緒にLDLコレステロールもセットでどんどん作られるのでLDLコレステロールが増えてしまうわけです。
LDLコレステロールにも「良い奴と悪い奴」がいる!
ただし同じ「LDLコレステロール高値」でも、糖質をたっぷり摂取している人と糖質制限している人ではじつはその意味がまったく異なります。
LDLコレステロールの中には「デカくて無害な者」と「小柄で悪さをする者」がいて、普通の血液検査では両者を区別できずに一緒くたにカウントしてしまいます。
中性脂肪値が高くてHDLコレステロール値が低い場合は「悪さをするLDL」が多く、中性脂肪値が低くてHDLコレステロール値が正常なら「無害なLDL」がほとんどで心配はいらないそうです。
さらに血液中にLDLコレステロールがたくさんあるから悪いことが起きるのではなく、食後高血糖で血管内皮が傷ついたときにそこからLDLコレステロールがもぐりこむことによって動脈硬化が進行します。
だから糖質を過剰摂取している人はLDLコレステロールが正常値であっても動脈硬化が進行する危険性が高いわけです。上の図は岡部クリニック様のサイトからお借りしました。
糖質を過剰摂取していると、体が中性脂肪をエネルギーとしてあまり使いませんので中性脂肪とセットのLDLコレステロールもよほどひどい食生活をしない限りあまり増えません。
だからLDLコレステロールは正常値でも中性脂肪が高くて動脈硬化が進行中…なんてことも十分にあり得るわけですよ。
運動量が多い・体脂肪が少ない・少食タイプの方が糖質制限していてLDLコレステロールが高い場合は、まず脂質の摂取量を増やしてみてください。
糖質制限をしていてコレステロールが高くなった方が卵などを食べないようにしても一向に数値が下がらない場合がありますが、「卵を食べるから」というより「脂質が足りていないから」というのは盲点でしょう?
焼きあがった卵焼きにMCTオイルをしみこませたり、ナスをラードで炒めたり、プロテインと一緒にMCTオイルをシェイクしたりすることで無理なく脂質の摂取量を増やすことができます。
それでもどうしてもうまくいかない場合はナイアシンを試してみるといいですね。ただしよっしーのように、少量のナイアシンが著効するタイプは高血糖になることがあるので血糖値を慎重に観察してください💦
糖質を食べている人は卵を食べすぎてはダメかも!?
通常、肝臓は食事からのコレステロール摂取量をうまく調整することができます。それとは別の理由で、糖質制限すると無害なLDLコレステロールが増加します。
しかし糖質制限していない方のLDLコレステロールが高い場合は、これは大いに問題です。それは、コレステロールを食事から大量に摂取していて、なおかつ肝臓がそれをうまく調整できていないということだからです。
糖質をたっぷり摂取している方のLDLコレステロールが高い場合は、それは「小柄で悪さをするLDL」がたくさん含まれている可能性が高いです。
このような方は動脈硬化が進行しやすく、特にすでに糖尿病を発症している場合は一刻も早く対策を練らなければいけません。痩せている方にも動脈硬化は起こります!
よっしーは最初「リバロ」というコレステロールを下げる薬を処方されましたが、糖質制限を始めたら異常に数値が低くなり、怖くなったので主治医と相談してすぐにやめました。
この薬は妊婦さんは飲んではいけない薬で(私はもう予定はありませんが💦)副作用もいろいろ心配される薬です。まず服薬する前に他にできることがないか考えましょう。
そして昔のように「LDLコレステロールは悪玉!」と言って効果があるんだか無いんだかよく分からない高額なサプリや健康食品に手を出す前に、根本的な原因について考えなければ。
LDLコレステロール値が高くても何も悪いことが起きない場合もあれば、逆にLDLコレステロールが正常値でも動脈硬化が進行する人もいるのですから。