飲酒で糖新生がブロックされて血糖値が下がる?
以前「糖質オフなお酒でもやっぱり心配…アルコールが糖尿病を発症・悪化させる」という記事を書いたことがあります。
たとえ糖質が少ないお酒であっても、アルコールそのものが糖尿病に良くないのでなるべくやめたほうがいいというわけです。
しかし糖尿病で血糖値が気になるみなさんは「飲酒すると血糖値が下がる」というのを聞いたことはありませんか?
よっしーが糖尿病と診断されてしばらく経ったころ、仲間内で「夕食に赤ワインを飲むといいらしい」と話題になりました。
それはなぜかというと、飲酒すると肝臓はアルコールという毒の分解にかかりっきりになるからです。
それでしばらくは肝臓の糖新生が不十分になるので、糖尿病患者の血糖値の上昇も抑えられるのではというわけ。
よっしーの場合、残念ながら寝る前に赤ワインを飲んでも翌朝までに効果が切れていて結局朝の血糖値上昇を抑えることはできませんでしたw
漫画の3コマ目で男性が言うように「飲酒で血糖値を良好に保つ」というのはどうなのでしょうか?
オレたちはお酒なんて飲まないんだよな。人間はなぜ飲むんだ?
野生で敵の前で酔っぱらってしまったら、やられてしまうわね!!
血糖値さえ下げればいいというわけではない
普通に糖質を摂取している場合はあまり問題にならないかもしれませんが、糖質制限時の飲酒は低血糖の危険があります。
よっしーはフリースタイルリブレを使用しているので、たまに付き合いの外食で糖質が少ないお酒を飲んで血糖値の推移を見ます。
何故なら、外食では気を付けているつもりでもどうしても糖質量がオーバー気味になりやすいので💦
そのあたりのバランスがうまい具合に取れるものかどうか、低血糖になっていないか知りたいからです。
ちょうど糖質摂取量とアルコールによる糖新生ブロックのバランスが取れていい感じで推移することもあります。
逆に高血糖になったり低血糖気味になることもあり、非常に難しいと感じました。
何より、血糖値だけつじつまを合わせたとしても、これは肝臓などに大きな負担をかけることになりますよね。
大事な糖新生を後回しにしてまで急がねばならない「アルコールの処理」がいかに肝臓に負担をかけることか…
糖尿病患者は特にお酒に注意?
2型糖尿病患者さんの中には、「メトホルミン(商品名メトグルコなど)」という飲み薬を飲んでいる方も多いはず。
メトホルミンを服用していると、乳酸がたまり過ぎて「乳酸アシドーシス」という死亡率50%の危険な状態に陥ることがあります。
メトホルミンを服用しながらお酒を大量に飲むと、乳酸アシドーシスが起こりやすくなるとのこと。これは危険ですよね💦
また2型糖尿病と脂肪肝を併発している方は多いので、その点でも注意が必要です。
ちなみに日本人は「アルコールが原因ではない脂肪肝」も多いとのこと。糖質の摂り過ぎが大きくかかわっています。
「お酒で糖新生がブロックされるから」とこれ幸いと糖質の多いものをたくさん食べるようではいけませんね。
特に果糖は血糖値は上げにくいものの、肝臓で代謝されて中性脂肪に変わりやすいです。
果物をもりもり食べながら飲酒…なんてことを繰り返していると、痩せていても脂肪肝になるかも!!
ただ、意志のチカラだけで禁酒しようというのはなかなか大変。必要に応じて医師のチカラを借りましょう。真面目な話ですよ💦
お酒は健康状態を考えてほどほどに…
肝臓専門医の尾形哲先生によれば、肝臓がアルコールのダメージから回復するためには48時間かかるそうです。
だから血糖値が下がるとしても、毎晩飲酒するのは肝臓に良いこととは言えないわけ。
もちろん、すでに肝臓が悪くて主治医から禁酒を指示されている方はその指示を守りましょう。
アルコールの糖新生ブロック効果は強力で、よっしーでさえ飲酒すると血糖値が70ちょいまで下がることがあります。
ただ、これを利用してお酒を毎日飲むのはやめておいたほうがいいかもしれません。
これはツイッターでフォロワーさんたちから教えていただいたんですが、寝る前のお酒は癖になるようです。
そのうちだんだん飲酒量が増えたり、飲まないと眠れない…なんてことになりがち💦
糖尿病患者だからと言って血糖値さえ低く保てばよいわけではないことをお忘れなく!
糖尿病患者は特にお酒に気を付けよう!
飲む方は量や頻度に気を付けてね!