糖質の処理が苦手なのは悪いことですか?
この世界には、間違いなく「糖質の処理が苦手な人たち」が存在します。その「苦手の度合い」も人それぞれです。
それは、まったくお酒を飲めない人から少しなら飲める人、どんなに飲んでも平気な人(?)がいるのと同じです。
どんなに飲酒しても平気な人から見れば、まったく飲めない人を不憫だと感じるかもしれません。とても信じられない!と思うかも。
しかし、毎日飲酒しても平気な人がいるからと言って、ヒトが生きていくためにどうしてもお酒は必要不可欠なものでしょうか…?
お酒が飲めない体質の方がお酒を飲みたいと思ったら、足りないアルコール分解酵素を何らかの方法で補う方法もアリなのかもしれません(できるのかな…?)。
でも、仮にお酒を飲みたいと思わなければ、ただ飲まなければいいだけの話ではないでしょうか。なんといってもヒトが健康に生きていくために絶対に必要なものではないので💦
自然界でもたまーに果実が発酵して、それを食べた動物が酔っぱらってしまうことはあるようです。アルコールは毒なので、うっかり食べてしまったときにそれを処理できる能力はあったほうがいいです。
でもだからといって「飲めるのが普通なのだから、飲めない人はなんとかして飲めるようにしなさい!」というのはおかしい気がしませんか?
少なくともお酒を飲まないからと言って何かの病気になることはないニャー!!
そうよね。飲み過ぎはとても健康に良くないけれど…
どの方法を選ぶかはその人の自由です
糖質の処理が苦手な人がうっかり自分の限界を超えて食べるような生活が続いてしまうと2型糖尿病になってしまいます。他にも運動不足、糖質+脂質、ストレス、薬の副作用などいろいろな要因が絡んできますが💦
「私はどうしてもお米やパンが食べたいの」という方は、薬やインスリン注射を使用することでそれが可能になるのなら別にいいんじゃないでしょうか。
ただ問題は、現在の日本では正式にはそれ以外の選択肢をまだ認めてくれていないということです…運動やカロリー制限でなんとかできない患者は薬やインスリン注射になります。
薬もインスリン注射もメリットだけではなく、人によっては副作用が出たり低血糖が起きるなどデメリットもあるということを忘れてはいけないと思うのです。
ひと口に糖尿病患者と言ってもいろいろで、体重を落とすだけで寛解する方・普通に主食を食べるならどうしてもインスリン注射が必要になる方・食事に関係なく生きるために注射が必要な方がいらっしゃいます。
さらに先天性または後天的な何らかの病気により糖質制限ができない方もいらっしゃいます。いろいろな方がいるのだから、選択肢がひとつしかないというのはおかしな話です。
どうして?同じものを食べているのに…
漫画の1コマ目においしそうなお弁当が登場しますが、仮にこのようなお弁当を日替わりで毎日まったく同じ内容で食べ続けたとします。
おそらく、主治医は糖尿病にはならないでしょう。私のような者は若いうちに糖尿病になるかもしれません。それは2人の「糖質を処理する能力」にかなりの差があるからです。
もしあなたが2型糖尿病になったとしても、それは必ずしも世間一般でいうところの「食べすぎ、飲みすぎ」だったとは限りません。
他の大部分の方ならセーフの量でも、もしかするとあなたには負担が大きすぎたということもあるんですから。
↑あなたの主治医のほうがあなたよりもたくさん食べている…なんてことは普通によくあることだと思いますよ。健康な先生方は何を食べてもそれほど血糖値は上がらないので。
そして逆に、このぐらいならセーフでも1回の食事をこのぐらいのお弁当一つだけで済ませるのが辛くてたまらないという方もいらっしゃると思うんですよね。
ともかく、必ずしも「糖尿病を発症した人は食べ過ぎていた、糖尿病ではない方は健康に気を付けている」というわけではないことだけは分かってほしいですねぇ💦
能力の限界まで食べる必要はないかもしれない
冒頭でアルコールに強い人と弱い人のたとえ話をしましたが、「飲める人」であっても自分のアルコール処理能力の限界ぎりぎりまで飲酒を続けることは決して健康に良くないです。
お酒を飲めない人が過度の飲酒による病気にかかることはまずありません。糖質を制限しなければいけない方は…もうお分かりですよね?
天然にも発酵した果実や甘い果実は存在するので、いざという時のためにそれらを処理できる能力はある程度高い方がトクであることは間違いないかもしれません。
でも、そのチカラはいざという時に発揮するためのものであって、普段から限界ぎりぎりまで使わなければいけないものであるとは限らないかも💦
糖質を処理する能力がとても高い方は、体に気を付けて好きなだけ召し上がってください。そうでもない方は、自分の限界をうっかり超えてしまうことが続かないように気を付けましょう。
そして、人生のある時点までは「私は大丈夫だ」と思っていても、だんだん能力が低下してしまうことだってあるんです。
糖質の処理が得意な人、少し苦手な人、うんと苦手な人…同じ糖尿病患者でもその程度は幅があります。ハードな運動療法が許可されている人とそうでない人、合併症がある人とない人、いろいろです。
この世界には実にいろいろな方がいらっしゃるのだということを忘れず、いろいろな選択肢が認められる日が来るのを願ってやみません。
いろいろな人がいるんだってことを忘れてはいけないニャ。
そうよね。選択の自由が欲しいわ!