脂肪肝の2型糖尿病患者は低血糖を起こしやすい!
通常、大量に糖質を摂取しなくても体は「糖新生」という仕組みによって低血糖にならず、正常血糖値をキープすることが出来ます。
だってちょっと食べられないだけですぐ低血糖になってしまっては、昔などいくら命があっても足りなかったでしょう?人類の歴史は、飢餓との戦いの歴史とも言えますからね…
稀に低血糖が起こりやすい生まれつきの病気があり、その他「肝硬変」と言われる状態(肝臓に慢性的な炎症が長く続き、線維化し、通常の機能が果たせなくなった状態)では重い低血糖が起こりやすいことは有名ですよね。
ところが、肝硬変ほど重症ではない肝臓の異常にも低血糖のリスクがあるので気をつけたほうが良いということがわかったのです。
糖尿病患者で「非アルコール性脂肪肝(お酒が原因ではない脂肪肝)」がある人は、そうでない患者よりも重症の低血糖を起こすリスクが26%も高いことが韓国の研究でわかったそうです。
脂肪肝は、一見痩せている人にも起こり得ることです。特に日本人を含むアジア人はそうなりやすいそうです。
「ちょっと糖質制限しただけで低血糖になった!!」という糖尿病患者さん、肝臓の数値はすべて正常でしょうか?
低血糖になりやすいのは大いに問題ですね…
低血糖は、ひどい場合は命にかかわるものね!!
お酒以外で脂肪肝になる原因は?
お酒を飲みすぎると脂肪肝になることはおそらくほとんどの方がご存知だと思いますが、お酒以外で脂肪肝を引き起こすのは何なのでしょうか?
・内臓脂肪型肥満…内臓脂肪が多くても脂肪肝ではない人も居ますが、内臓脂肪が多いことは明らかに非アルコール性脂肪肝の原因となりやすいようです。
・糖質の過剰摂取…糖質(特に果糖)のとりすぎが脂肪肝の原因になることがわかっています。脂肪肝のイメージから「脂質が悪い」と思いがちですが、糖質が多すぎないか振り返ってみましょう。
・薬剤…ある種類の薬が原因で脂肪肝になることがあるそうです(薬剤性肝障害)。なにかの薬を飲んでいて脂肪肝になったら、その薬が原因である可能性を主治医に相談してみましょう。
・極端なダイエット(特にタンパク質不足)…タンパク質が欠乏した状態が長く続くと、なんと代謝に変化が起こって脂肪肝になることがあるそうです(低栄養性脂肪肝)!
・運動不足…他の要因と比べると小さいかもしれませんが(運動で食べたものをすべてチャラにするのはアスリートレベルでもない限り難しいので)運動不足だと余った中性脂肪が蓄積して脂肪肝になりやすいです。
低血糖対策として糖質を多く摂取することの意味は?
低血糖になった時にブドウ糖を飲むのは、素早く血糖値を上げるためです。つまり対症療法なわけです。
だからといって「私は低血糖になりやすいから」と毎日しっかりと糖質を摂りすぎて脂肪肝になってしまったら、ますます低血糖が起こりやすい体を自分で作っていることになります。
もちろん脂肪肝の原因も低血糖の原因もいろいろあるわけですが、糖質の過剰摂取が原因で脂肪肝になる人が多いのは事実ですし、従来は「肝硬変などの重度の肝障害でなければそれほど低血糖の心配はない」と思われていたのがそうではないとわかってきたわけなので気をつけましょうね!
脂肪肝にならないように気をつけなきゃ!
特に果糖大好きでタンパク質を減らしている方は気をつけましょう。