肝臓だけではなくすい臓にも脂肪がたまる!
本来、脂肪がほとんどつかないはずの臓器(膵臓、筋肉、肝臓、心臓など)にたまってしまった脂肪を「異所性脂肪」と呼びます。内臓と内臓の間にたまっているのは「内臓脂肪」です。
いわゆる「皮下脂肪」は過剰だと見た目は良くないですが、「内臓脂肪」「異所性脂肪」は皮下脂肪より健康に悪影響を及ぼすと言われていますよね。
で、肝臓に脂肪がつく「脂肪肝」はよく知られていますが、すい臓に脂肪がつくこともあるんですって!
すい臓に脂肪が蓄積すると、すい臓が「詰まった」ような状態になり、インスリンが正常に分泌されない状態になってしまうのだそうです。
このすい臓への脂肪の蓄積は、糖質制限やファスティング(断食)によって取り除くことが可能であるとカナダのジェイソン・ファン医師の著書にも書かれていましたね。
もっとも、発症してからかなりの年月が経過している場合、これだけでは簡単にインスリン分泌能力が元に戻ることは難しいようですが💦
すい臓にも脂肪がたまることがあるんですね!
重症の方はすぐわかるかもしれないけど、軽症の場合は分かりにくいんじゃないかしら。
「脂肪膵」ってよくあることなの?
余分な脂肪はまず皮下脂肪として蓄えられ、皮下脂肪として蓄えきれない時に内臓脂肪や異所性脂肪になるとされます。
このことから「うんと太った人だけが内臓脂肪や異所性脂肪がつくのだ」とイメージしやすいかもしれませんが、必ずしもそうではないんです。
日本人は欧米人と比べて皮下脂肪がたまりにくいそうで、つまり余った脂肪が内臓脂肪や異所性脂肪になりやすいです。
だからこそ、日本人は欧米人ほど太っている人は少ないのにかなりの方が糖尿病になってしまうのかもしれませんね。痩せている方は何を食べてもいいと油断しがちなのも問題ですよね。
「脂肪肝」はよく耳にする言葉です。私は糖尿病性ケトアシドーシスを発症したときに軽度の脂肪肝と言われましたが、ケトアシドーシスに伴って一時的に脂肪肝になることはよくあるようなので、それ以前も脂肪肝であったのかどうかは今となっては分かりません。
そして退院の少し前に腹部エコー検査をしたところ「脂肪肝なし」「すい臓も特に異常なし」との結果でした。以後6年あまり、肝機能検査で異常値が出たことはありません。
よくありがちな脂肪肝ですが、「脂肪膵」というのは脂肪肝ほどは聞かない気がします…果たして、「よくあること」なのでしょうか?
あなたも私も軽く「脂肪膵」かも!?
大阪大学の研究によれば、2008年と2014年に人間ドックを受診した方9933名のうち、腹部エコー検査で「脂肪膵」と診断されたのは223名だったそうです。約2.2%ですね。
ただ…脂肪膵が2型糖尿病の原因だとしたら、この数字はあまりにも少なすぎる気がします。もしかして、はっきりとエコー検査で「脂肪膵ですよ」と診断されない程度の軽度の脂肪蓄積状態の方が多いのでは!?
ジェイソン・ファン医師によれば「すい臓にたまった脂肪がたった0.6g減るだけで血糖値が改善する」そうですから。
脂質よりも糖質(特に果糖)やアルコールを摂りすぎていると脂肪肝になりやすいそうですが、それならこれらの摂り過ぎはまた脂肪膵をも引き起こしやすいと言えるでしょうね。もちろん、糖質と脂質とお酒の同時大量摂取は最も良くありません…
「病院で何も言われてないから私は大丈夫」と思わずに、もしかしたらちょこっと膵臓に脂肪がたまっているかも…!?気を付けましょう♪
少しの差が大きいとしたら油断できませんね!
不可逆的な状態になってしまう前に改善しましょう!