すでにお読みになった方も多いと思いますが、滋賀医科⼤学等の共同研究グループによって『ケトン体が糖尿病性腎臓病における腎組織修復の鍵となる 』という研究結果がもたらされました。
ざっくり言うと「健康なマウスでは脂肪酸を材料としてATP(体内で使えるエネルギー通貨のようなもの)を作るが、糖尿病腎症になると脂肪酸を使う量が減り、ケトン体を求めるようになる」ということです。
それから糖尿病腎症のマウスにケトン体の元となる物質を与えたところ、腎臓でATPを作る量が増え、壊れた組織が修復され腎障害の改善が見られたそうです。
そして糖尿病患者の腎臓を保護する効果がある「SGLT2阻害剤(スーグラなど)」を体内でケトン体を作れなくしたマウスに与えた場合、腎臓保護効果が見られなかったそうです。
糖尿病患者が糖尿病腎症を発症する原因の一つである特定のタンパク質をケトン体が抑制することも分かったそうです。
↑これらの研究結果を見て思ったことを自分なりに記事にしてみたので、興味のある方は読んでみてくださいね。
言うまでもないですが、糖尿病性ケトアシドーシス(体内でインスリンが作用しないために起こる)でケトン体がいくら増えてもダメです。
私は風邪を引いてうどんやみかんなどの糖質ばかり食べていて糖尿病性ケトアシドーシスで緊急入院しましたが、そのときはタンパク尿が(3+)出ていて両方の腎臓が腫大していると言われましたからね。
ヒトの胎児が高ケトンなのがデフォであることからも(ママが糖質制限していなくても、成人の「基準値」よりもずっと高ケトンです)、ケトン体が毒なわけがないとは知っていましたが…
普通は血中ケトン体がほとんどないのが「正常」というわけではなく、みなさん糖質をしっかり食べているからそうなっているだけです。私でもうっかり糖質を食べすぎた時はケトン体は消えましたもん!
研究グループは今後、よりヒトに近いカニクイザルで研究を行う予定だそうです。詳しいことはこれから少しずつ分かってくるでしょう。とても楽しみですね♪
私が20年前に使った栄養学のテキストには「ケトン体は危険」的なことが書かれていたと記憶していますが、これからガラリと変わるかもしれません。なんといっても、病的な場合のみケトン体が出るわけじゃないんですから。
ケトン体がまったく作られない食生活だと、これらのメリットが享受できないかもしれませんね。
続報が待たれるけど、そうかもしれないわね!