心電図は心臓の電気的な活動をグラフにしたものです
心電図は、心臓の筋肉の収縮に伴って発生する微量な電流を波形としてグラフに記録したものです。
心臓の決まった場所には微弱な電気を発生させる細胞があり、その電流が心臓全体に順序良く伝わることによって心臓は血液を全身に送り出すポンプの働きを果たしています。
心電図を調べることによって、心臓の働きが正常であるか、不整脈(心臓の動きが乱れること)がないか等が分かります。下の図は看護roo!様のサイトからお借りしました。
心電図には下の図のような波形があり、多少の個人差はありますが何らかの病気があると異常が現れます。
3年ぐらい前、よっしーの母が突然「胸が痛い!」と言い出し、父は驚いて救急車を呼んでしまったそうです。
ところが、大きな病院で徹底的に検査をしたのですが心臓にまったく異常はなく「あっ…そういえば昨日、ジムで久しぶりに胸の筋トレを頑張りすぎた(筋肉痛!?)」そうです💦
母の場合は笑い話で済みましたけど(?)私たち糖尿病患者にとって「心臓」はすごく気を付けなければいけないんです。
糖尿病患者は心筋梗塞になりやすい上、神経障害があると胸の痛みに気付きにくいこともあるので…そして今回はさらに怖い不整脈のお話です。
心臓の話か…なんだか今回は怖そうな話だなぁ…
怖いけど、何も知らないでいると大変なことになるかも!
QT延長症候群をご存知ですか?
心電図の中でQT時間と呼ばれる部分が通常よりも長い(時間がかかっている)状態をQT延長と言います。
QT延長は、生まれつきのもの(先天性QT延長症候群)の他、何らかの後天的な原因によって生じている場合があるのだそう。
QT時間が長いと、普段は何ともないのに突然、立ちくらみや意識を失う不整脈の発作(Torsades de Pointes)が起きることがあります。
この時ほとんどは回復しますが、運悪くそのまま心臓が停止して亡くなってしまうことがあるんだそう!!
先天性QT延長症候群の場合は、遺伝子検査により病気のタイプを調べて発作が起こりにくくなる薬を服用するなどの治療を行います。
しかし問題は、いろいろな病気の薬の副作用によって後天的にQT延長が起こるということと、糖尿病患者が睡眠中に低血糖を起こしたときなどにTorsades de Pointes が起こりやすくなることです。
糖尿病患者が低血糖を起こしたときはQTc(QT時間を心拍数で補正した数値)が延長するそうです。
特に夜間就寝中は、低血糖になると心拍数が低下してQT時間が延長し、眠ったまま心臓が停止して翌朝亡くなっていた…なんて悲劇が起こる可能性があるんです💦
薬の副作用や糖尿病神経障害でもQT延長が起こる
抗不整脈薬・向精神薬・抗菌薬・抗アレルギー薬などの薬の一部や抗てんかん薬のイーケプラ・逆流性食道炎の薬のシサプリド・抗悪性腫瘍薬の三酸化ヒ素の使用でQT延長が起こることがあります。
また糖尿病患者の場合、普段の心電図は正常でも低血糖を起こしたとき、ことに夜中眠っている間に低血糖が起こると最悪の場合そのまま突然死してしまう可能性もあります。
糖尿病神経障害で迷走神経が障害された初期には、まず「安静時頻脈」と言って安静にしているときに心拍数が100~130ぐらいになります。
よっしーも糖尿病で入院する前の年、安静時心拍数が120もあったんですよね実は…とても恐ろしいことです。
さらに神経障害が進行すると、心拍数は減少して正常値の上限ぐらいになるそうです。そして起立性低血圧が起こったり、QT延長が起こることがあるんですって。
よっしーは糖尿病性ケトアシドーシスで総合病院に入院したため、心臓を含めて一通り検査を受けました。
しかし、糖尿病と診断された後でまだ心電図検査を受けていない方は、ぜひ1度受けておいた方がいいと思いますよ。特に本格的に運動されている場合は…
糖尿病患者は心臓にくれぐれもご注意を!
糖尿病と心臓の病気はとても関係が深いです。国立循環器病センターによると、心筋梗塞や狭心症で入院した患者さんのうち、まったく糖尿病のケがない人は23%だったそう。
そして52%の患者さんが糖尿病で、残り25%は境界型糖尿病だったそうです。糖尿病+境界型糖尿病の患者さんが全体の77%を占める計算になりますね。
さらに悪いことに、糖尿病患者に起こる心臓のトラブルは心筋梗塞や狭心症だけではなく、QT延長によって危険な不整脈が起こって死亡することもあるんです。
これを防ぐには、まず心電図検査を受けたことがない方は検査を受けた上で医師にアドバイスをもらいましょう。
そして血糖コントロールを改善し、特に夜寝ている間に低血糖が起こらないように細心の注意を払うことです。
糖尿病患者が低血糖を起こす最大の理由は、なんといってもインスリン注射ですから…すでに神経障害のある方は特に気を付けましょう。
危険な低血糖が起こらないように気を付けることが大事なんだよね。
どうしたら低血糖をなるべく防げるか、よく考えてみてね!