ナイアシンと目の病気【黄斑浮腫】の意外な関係とは

黄斑浮腫

糖尿病網膜症に伴う黄斑浮腫なのです

みなさんは「黄斑浮腫(おうはんふしゅ)」という目の病気について聞いたことがありますか?よっしーは糖尿病網膜症に伴う黄斑浮腫があります。

目の奥の黄斑という、ものを見るために重要な部分があります。この黄斑部に何らかの原因で血液の成分が漏れ出して水が溜まってむくんでいるような状態になるのが黄斑浮腫です。

黄斑浮腫の程度が強いと、視力がかなり低下してしまいます…よっしーは4年3か月ほど前に眼科で黄斑浮腫と診断されました。

ただし視力にはそれほど影響はなかった(1.0ぐらい)ために経過を見るだけで特に注射や手術などの治療はしておりません。

 

黄斑浮腫とは何かを解説している漫画

 

糖尿病網膜症は糖尿病患者に多く発症する合併症ですが、網膜症の重症度には関係なくたまたま運悪く(?)早いうちから黄斑浮腫が生じることがあるそうです。

よっしーも左目の黄斑浮腫以外はとても眼底はきれいで血管の異常がないと言われています。「糖尿病患者にしては珍しいねぇ、普通はもっとあちこち傷んでいる」とも言われました💦

黄斑浮腫になると、上の漫画のような見え方になります。ただし浮腫が片目だけの場合、両目でものを見ている場合にはなかなか気が付かないかもしれません。

よろしければちょっと手のひらで右目と左目を交互に隠して片目でものを見てください。パソコンのモニターやスマホの画面が分かりやすいです。

 

患者の目を心配してくれる優しい内科医

 

もし片目でものを見た時に上の漫画のような見え方だった場合、早めに眼科を受診することをおすすめします。

さて今回は、ナイアシン(ビタミンB3)とこの黄斑浮腫の間に意外な関連があるのではないか?とふと気が付いたというお話です。

以前にもナイアシン大量服用で持続性タンパク尿が出たり高血糖が持続したことを紹介させていただきました。

すべての方がこうなるわけではもちろんありませんが、糖尿病患者の皆さんには特に知っておいてもらいたいと思って記事にすることにしました。

 

まじめん
まじめん

むむむ…ナイアシンは水溶性ビタミンだからいくら飲んでも問題がないわけではないんですか?

よっしー
よっしー

たぶん問題が起こりにくい方も多いと思うの、でも人によっては気を付けないといけないみたい。

いったん改善した糖尿病黄斑浮腫がまたぶり返した!?

2015年7月(糖尿病と診断されてから半年後)に何気なく近所の眼科を受診したところ「眼圧がかなり高い」「糖尿病網膜症で眼底出血した跡がある」「左目に黄斑浮腫がある」と言われて治療を開始しました。

眼圧は10~20mmHgが正常値とされていますが、その時は26と22でした。最初に処方された目薬の名前は忘れましたが、あまり効かなかったのでわりとすぐにラタノプロストに変えられました。以来ずっとラタノプロストを使用し続けており、どうにか眼圧は正常値で緑内障はまったくないと言われています。

さて、当ブログを立ち上げてから眼科や糖尿病内科を受診するたびに記事を記録として残してきました(特筆すべきことがないときは書いていないこともあります)。

過去の受診記録を振り返ると、最初は悪化したりなかなか改善しなかった黄斑浮腫は2018年4月から年末にかけて全く無い状態が続いていました。

 



 

ところが2019年2月に再び浮腫が生じ、ずっと続いています。眼科医からは「まぁ浮腫はまだ少しあるけど他はきれいだし、また自然に引くでしょう」と言われて経過観察しています。

そしてこのごろ、どうも黄斑浮腫が悪化していると感じていました。朝起きた時特に左目のかすみがひどく、とても見えにくいのです。

落ち着いて見え方の日内変動を観察してみると、夜遅くから少しずつかすみ始め、朝起きた時もっとも見えにくく、夕方に向けて少しずつ見えるようになっていく…の繰り返しです。

夜?夜に何かあったっけ?と振り返ってみると、夕食後にラタノプロストの点眼とナイアシン500㎎を服用していることに気づきました。

 

黄斑浮腫の目の見え方(かすみ目)

 

ナイアシンは以前、1000㎎以上飲み始めてから持続性タンパク尿と高血糖が生じ、服用をやめたらそれらも嘘のように解消したのです。

その時は目には異常がありませんでしたが…逆に今回はタンパク尿や高血糖はないですが、もしやナイアシンなのか?それとも目薬??

ラタノプロストの副作用を見ると、確かに「霧視(かすみ目)」「嚢胞様黄斑浮腫を含む黄斑浮腫,及びそれに伴う視力低下」とあります。

しかしラタノプロストはもう4年間ずっと点眼していますし、いまさら副作用が…?と思い、試しにナイアシンを中止してみることにしました。

 

 

夜のナイアシンを中止してみた結果どうなった?

毎朝左目がかなり見えにくいことにうんざりしていましたが、毎晩飲んでいたナイアシン500㎎を中止してみたところ、翌朝明らかに浮腫のある左目が良く見えました。

100%回復というわけにはいきませんが、かなり違いました。そしてその翌日も良い感じです。

ドクターシミズこと清水泰行医師によれば、「ナイアシンでドライアイ、目のかすみ、まぶたの浮腫、及び黄斑浮腫、上強膜炎、眼球突出、まつ毛の脱毛などの眼症状を認めることがあり、ナイアシンが中止されなければ、嚢胞状黄斑浮腫という状態に進行することがある」そうです。

ナイアシン大量投与で、重い黄斑浮腫が生じた方の報告があるそうです。他にも、抗がん剤の副作用で黄斑浮腫が生じて中止したところ改善した例などが報告されているようです。

 

オプトス社の広角眼底カメラ

 

通常はナイアシンのような水溶性ビタミンは過剰症が起こりにくいとされていますが、何らかの理由で少なめの量でも副作用が出る人がいるのかもしれません。

Twitterで自分の過去のナイアシンに関するツイートを振り返ってみましたが、2019年2月以降黄斑浮腫がぶり返してからはどうもナイアシンを飲んだり増やしたりやめたりと迷走していたようですね、私💦

ただ最近では10/5からナイアシンを再開したこと、それからしばらくして黄斑浮腫が悪化したらしいこと、ナイアシンをやめたら視力が改善されたことは間違いないです。

理由は分かりませんが、ナイアシンの副作用が腎臓や血糖値に現れることもあれば目に現れることもあるのかもしれません。

 

糖尿病患者はナイアシンを飲むべきか?

こんな記事を書くとメガビタミンの先生方からお叱りを受けるかもしれませんが、一応こういうケースもあるということは知っておいたほうがいいと思います。

特に持続性タンパク尿とナイアシン大量服用に関しては、時期が完全に一致していたので間違いないと思います。

ナイアシン服用によって糖尿病患者のインスリン注射の必要量が減った・変わらない・増えた場合があり、はっきりいって飲んでみないとどうなるか分かりません💦

この3つの割合はほぼ同じ(1/3ずつ)だそうですよ。藤川徳美医師のブログにも「ナイアシンを投与すれば糖尿病患者の1/3でインスリン投与量を減らせる」と書かれていますね。

 

『ナイアシンのポジティブな副作用とネガティブな副作用について~その2』
16)Abram Hoffer、ナイアシンのポジティブな副作用とネガティブな副作用について~その2Helen Saul Case:Orthomolecular…

 

おそらくよっしーは、1/3の「ナイアシンでインスリン必要量が増えるタイプ」なのでしょう。2型糖尿病で注射はしていませんが、血糖値が高めになったわけです。

血糖値が高めになっているということは、すい臓のβ細胞は頑張って精いっぱいインスリンを分泌しています(だけど少し足りないから高血糖になるわけですが💦)。

高血糖が続く→高インスリン状態が続く→糖尿病合併症の悪化、と考えれば辻褄が合いますよね。

2型糖尿病である程度インスリン分泌能力が保たれていると、頑張ってインスリンを分泌してしまうのでかえって良くないのかもしれません。

 



 

ナイアシンは夫が飲んでLDLコレステロール値が下がりましたし、メンタルの病気の方がナイアシンで劇的に効果があったという話も聞いております。

しかし糖尿病患者が大量服用した場合、1/3の方はインスリンの効きが良くなりますが1/3の方は逆に悪化する危険性があります

たまたま後者の方がナイアシンを飲み続けることで目や腎臓の糖尿病合併症が悪化する危険性を考えなければいけませんよね。

もっとも、ナイアシンで高血糖&高インスリンになるといってもその程度はたかが知れています。普通に糖質をたくさん食べながらの治療に比べれば、坂道を転がり落ちるように急激に悪化するとは考えにくいです。

 

糖尿病について話す女性患者

 

でもやっぱり、少しでも糖尿病合併症を悪化させないためにはわずかな体の変化に敏感になり、おかしいと思ったらすぐに中止することが大事です。

計算上、糖尿病患者のうち2/3の方ではナイアシンによる糖尿病合併症への悪影響はあまりないわけです(肝臓への影響などはまた別問題ですが…)。

糖尿病患者あるいは糖尿病発症のリスクの高い方などはどうか十分にお気を付けくださいね。これは他のどんなことにも言えることです。

 

まじめん
まじめん

同じように飲んでも血糖値が上がる人と下がる人がいるんですね。

よっしー
よっしー

そうね、だから自分の場合はどうなのかをよく観察することが大事よね!

Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.