痩せているのに2型糖尿病になりやすい!?
海外の医師が書いた糖尿病の本を読むとだいたい「痩せましょう」「糖質orエネルギーを減らしましょう」とあります。
欧米で2型糖尿病になる方はかなり太めの方が多いので、痩せてインスリン抵抗性が改善すると血糖値が劇的に下がる方も多いのでしょう。
しかし日本人の場合は事情が異なってくるようです。日本ではやせ型(BMI18.5未満)の女性の比率が先進国の中で最も多いそうですが、このような方は標準体重(BMI18.5~23)の方と比べて耐糖能異常が7倍も多いのだそうです。
痩せている女性は標準体重の女性よりもたくさん食べているわけではありませんよね(ごく一部の大食い芸人のような特殊な方を除けば…)。ではなぜ?
どうやら「痩せている女性は筋肉量が少ない」ことに問題があるようです。筋肉は体脂肪よりも重いですし、一般人で筋肉質な方が標準体重を大幅に下回っていることってあまり考えられないんですよ。
筋肉が多ければ糖尿病にならないわけではありませんが(筋トレ好きだった元プロ野球選手の清原和博さんや元プロレスラーのアントニオ猪木さんも重度の2型糖尿病になっています)、極端に筋肉量が少ないと血糖値が変動しやすくなるようですね💦
筋肉が少ない人は筋肉にグリコーゲンという糖を十分に貯めておけないので、食後高血糖になりやすいだけではなく、逆にちょっと空腹時間が長くなっただけで低血糖になりやすいそうですよ。心当たりはありませんか?
高血糖も低血糖も起きやすいなんて困りますね💦
筋肉がかなり少ない女性は糖質制限で低血糖になることもあるというけれど、こういうことみたいね。
やせ型糖尿病患者はどうやって筋肉を増やすべきか?
私がスポーツクラブで働いてた頃(20年ぐらい前!)は「筋量UPにはトレーニング後に吸収の早い糖質とタンパク質を同時に摂取し、インスリンを分泌させる」のが常識でした。
確かに糖質とタンパク質を同時摂取すると最も多くインスリンが分泌されますが、これって糖尿病になりやすい体質を持つ人にとっては致命的なんですよね…メリットよりもデメリットのほうが上回ってしまうかも💦
女性が血糖値を安定化させるために、何もボディビルダーのようなゴリゴリマッチョになる必要はありません。普通程度でいいのです。
そこそこ筋肉を増やすためには、必ずしも糖質の大量摂取は必要なく、タンパク質の摂取量が足りていれば良いそうです。
エネルギー収支がマイナスになれば筋肉も減ってしまいますが、エネルギーは糖質ではなく良質の脂質で摂取することができますし、脂質そのものが血糖値を上げることはありません。
むしろ痩せている糖尿病患者こそ、脂質を上手に増やすべきなのかもしれません。そしてタンパク質の摂取量が足りていない状態で筋トレをしても、筋肉が増えるわけがないですよね。
筋肉がつきにくい…ハードゲイナーはどうすべき?
みんなと同じように食べてトレーニングしてもなかなか筋肉がつかない「ハードゲイナー」と呼ばれる方たちがいらっしゃいます。
ハードゲイナーの方は栄養の吸収率が悪いとか消費エネルギーが多いのが原因と言われますが、なかなかトレーニングの結果が出ないのはとても辛いものですよね💦
いくらハードゲイナーだからと言って、手っ取り早くエネルギーを確保しようと糖質をがっつり摂ってしまえば糖尿病患者の血糖値は上がります。
ハードゲイナーの方はトレーニングをやりすぎると逆効果になるそうなので、短時間で効率よく全身を鍛えられる筋トレがお勧めです。この場合は有酸素運動もほどほどにしたほうがいいかも。
「筋肉を増やすためにはがっつり筋トレをしなければいけない」と思いがちですが、特別な高強度筋トレをしなくても、タンパク質をしっかり摂取してよく歩くだけでもある程度下半身に筋肉はつきます。ハードゲイナーの方はちょっと他の人より努力は必要かもしれません。
タンパク質不足ではまったくお話になりませんので、とにかく少しでも食べやすいタンパク質食品を摂りましょう。小食の方はゆで卵よりも温泉卵がツルッといけるのでおすすめです!
そして良質の脂質(植物性のアブラという意味ではないのでご注意を!私は糖尿病発覚前は脂質制限していて、使うときはキャノーラ油を使用していました💦)を上手に摂ることです。マーボーナスとか良いですよ!
痩せていれば大丈夫と思って油断すべきではない
2型糖尿病=メタボなおじさんに多い病気、と思っている方がまだまだ多いため「私は痩せているからどれだけ甘いものを食べても平気なの♪」と思っている若い女性は多いでしょう。
実際、学生時代に「運動大嫌い、甘いもの大好き、でも全然太らない」ってな友達は何人もいましたが、彼女たちは食後血糖値など測定したことはおそらくなかったでしょう。
若い時はそんな感じだったのに40歳を過ぎて「どうしよう、初めて会社の健康診断で血糖値で引っかかった…じつはお父さんが糖尿病なんだよね」なんて方も知っていますが、私の知る限り、ご両親のどちらかが糖尿病の場合はこういうパターンが多いかなと💦
痩せている=何も問題がないと思うのは大きな誤りかもしれません。もともとインスリンを分泌する能力が低いので食べても筋肉がつきにくく太れない人もいるかもしれませんよね。
特に高齢になってから筋肉量が少ないことは健康上、大きな問題につながりやすいのです。年を取ってから筋肉量を増やそうと言うのはなかなか大変なので、若いうちから気を付けたいものです。
太りすぎも痩せすぎも健康的ではないってことですね!
美容のために標準以下を目指す人が多いと思うけど、筋肉は健康のために大事なのね。