1型糖尿病患者さんはみんな痩せている?
「2型糖尿病は遺伝+生活習慣、1型糖尿病は生活習慣とは無関係に発症します」と言われています。
そのため「1型糖尿病の人は痩せていて不摂生をしていない」というイメージがあるのではないでしょうか?
しかし「肥満や生活習慣とは無関係に発症します」というのは「肥満や不摂生をしていなくても発症する」ということであり「発症した人は必ず肥満や不摂生ではありません」ということではありません。
もともとご飯や甘いものが大好きで肥満だった方がたまたま2型糖尿病ではなく1型糖尿病を発症することも当然あります。
しかし急性発症型の1型糖尿病ではインスリン分泌が低下することにより、体重が減少して糖尿病に気づいたときには痩せてしまっていることも多いようです。
一方、進行がゆっくりなSPIDDM(緩徐進行1型糖尿病)では、20%の方がBMI25以上の肥満だそうです。
SPIDDMの方は発症から数年間はインスリン分泌がある程度保たれており、中には長期間にわたってインスリン注射が必要ない方もいらっしゃいます。
インスリンは血糖値を下げるホルモンですが、余った糖を中性脂肪として蓄える働きも持ちますからね。インスリンがちゃんと分泌されているということは、太る可能性もあるというわけです。
1型糖尿病でもインスリン分泌が保たれている場合は、2型糖尿病と区別がつきにくいこともあるんだってね。
だから最初2型と診断されていても実はSPIDDMだったという方もたまにいらっしゃるわけね!
食べ過ぎると1型糖尿病でも当然太る!
また当たり前のことですが、自分のすい臓のβ細胞が分泌するインスリンと同様、注射したインスリンでも太ります。
だから1型糖尿病の患者さんでも、食事療法を守れずにたくさん食べてインスリンをたくさん注射していると肥満になることがあるそうです。
昔は1型糖尿病の患者さんは痩せている方が多かったそうですが、この頃は「インスリン注射をすればなんでも普通に食べていい」ということで肥満気味の方も増えてきたそうです。
確かに、ずいぶんぽっちゃりした1型糖尿病のお子さんの写真を見かけたことはあります。成長期だといろいろ難しいですよね💦
1型糖尿病の方も太ると「インスリン抵抗性」が生じるので、かなり大量のインスリンを注射しなければいけない状態になってしまいます。
毎日スイーツや外食続きで「1型だから血糖コントロールが難しいんだ」という方もいらっしゃいましたが、その食生活だと2型でもきっと難しいだろうと思いましたよ。
大量のインスリンを注射していると、もし食事量とインスリンの量、タイミングがうまく合わなかったときに重症の低血糖が起こりやすく危険ですよね💦
「2型糖尿病患者と違って1型糖尿病患者は何を食べてもいい」と思いがちですが、やはり食事療法は重要だということではないでしょうか。
太ると良くないのはどの糖尿病でも同じだね!
そういうこと。血糖値以外にも良くない影響があるしね。