年経れば 下がりゆくなり 耐糖能

高齢者は耐糖能が悪化する

年を取ると2型糖尿病になりやすくなる!

30代以下で2型糖尿病を発症する人はそう多くはありませんが(私のように遺伝で比較的早くから発症する人はいます)、40代以降になるとだんだん患者が増えます。

それは、加齢によって「インスリン分泌能力低下」と「インスリン抵抗性(インスリンが効きにくい)」の両方が起こってくるからだそうです。

インスリン抵抗性に関しては、ひとつの理由として「高齢になると筋肉量が減少して体脂肪が増加する人が多いから」というものが挙げられるそう。この部分に関しては努力である程度は何とかなるかもしれません。

 

年齢とともに耐糖能が悪化する

 

しかしインスリン分泌能力低下に関しては、自分の努力で食い止めるというのは可能なのでしょうか!?

日本人のインスリン分泌能力は欧米と比較すると平均的に低めと言われていますし、糖尿病家系の場合はさらにインスリン分泌能力が低下しやすいのでそうでない人よりも若いうちに発症してしまいがちです💦

「加齢とともにインスリン分泌能力が低下するので」と言われると「ふーん。老化現象じゃ仕方がないねぇ」と思ってしまいそうですが、今回はこの件について考えてみることにします。

 

まじめん
まじめん

インスリン分泌も減り、効きも悪くなるのですか。

よっしー
よっしー

だから年を取るとなかなか簡単にはいかないのね💦

ミトコンドリアの機能低下を食い止められる!?

ミトコンドリア

 

「ミトコンドリア」は、ほぼすべての細胞に存在する小器官で「エネルギー生産工場」のようなものと考えてください。

加齢によってこのミトコンドリアの機能が低下することにより、すい臓のβ細胞でインスリンが作られにくくなるそうなのです。

たまにプチ断食をすることにより、オートファジー(細胞内にある不要な物質を分解する仕組み)によって古いミトコンドリアも新しく生まれ変わるということが期待できるそうです。

 


 

 

また年齢とともに体内であまりたくさん作れなくなる「還元型CoQ10(コエンザイムキューテン)」はミトコンドリアが働くためには欠かせないものです。

この還元型CoQ10は加齢の他、コレステロールを下げる薬のスタチンの服用によって減ってしまうことが分かっています。

コレステロールとCoQ10は同じ合成経路で作られているため、スタチンでコレステロール合成を邪魔するとCoQ10も作られなくなるわけ…スタチンを飲んでいる方は特に気を付けましょうね💦

また私は飲んだことがないので実感として分かりませんけど、新しい糖尿病薬イメグリミン塩酸塩 (商品名ツイミーグ錠)ミトコンドリアに作用してインスリン分泌とインスリン抵抗性を改善する薬だそうです。興味のある方は主治医にご相談ください。

 

糖尿病患者は年齢を重ねるとどうなる?

健康な人でも加齢に伴ってインスリン分泌能力が低下したりインスリン抵抗性が生じたりして血糖値が上がりやすくなっていきます。ではすでに糖尿病を発症している患者の場合はどうでしょうか?

たまたま清涼飲料水をガブ飲みして短期間で急激に高血糖になり糖尿病の治療を開始した場合や明らかに高度肥満・食べ過ぎなどがたたって「インスリン抵抗性」によって糖尿病になった場合を除けば、2型糖尿病と診断された時点でβ細胞の機能は約半分に低下しているそうです。

 



 

そして残念なことに、どのような治療法を選択したとしても治療開始後もβ細胞の機能は年数に比例して低下していくようなのです💦…おそらく健常者のそれよりもずっと速く。

ただ上記は数年前のデータなので、新しい機序の飲み薬や糖質制限食などではひょっとするとβ細胞の機能低下が従来よりも緩やかになる可能性もあるかもしれませんよね。

 

女性は閉経後、血糖値が上がりやすくなる!

さらに女性の場合、閉経(50歳前後、個人差あり)後は急激に糖尿病になる方が増えるそうです。これは女性ホルモンが激減することによって内臓脂肪が増加しやすくなること、女性ホルモンのうちインスリンの効きを良くするエストロゲンが減少することなどによります。

また閉経により、血糖値が上がりやすくなるだけではなく脂質異常症や高血圧にもなりやすくなります…やれやれ💦

ただし先述の通り、LDLコレステロール値を下げる薬のスタチン(商品名など)には還元型CoQ10を減らす作用があり、インスリン分泌が低下して血糖値が上がりやすくなります

 

糖質制限でLDLコレステロールが大きく上昇する人の特徴
糖質制限をするとLDLコレステロールが上昇する人が結構な割合でいます。糖質制限反対派やLDLコレステロール悪玉…

 

↑そもそもその高LDLコレステロール値は健康上、下げる必要があるものなのかをよく考えて慎重にならなければ「数値が正常値上限を超えているから薬で下げましょう」と主治医に言われるままにスタチンを飲む羽目になります。本当は必要ない人もいるのに💦

私のように比較的若いころから糖尿病を発症した女性は、加齢+女性ホルモンの変化が加わるので特に血糖値が悪化しやすい条件が揃ってしまっています。特に気を付けたいですね。

 

年を取れば方針が変わっていくのは仕方がない!

 

若いころうまくいっていた方法でずっと同じようにやっていけるとは限りません。これまで述べてきたように年齢とともに耐糖能は悪化しますし、若いころと同じ内容の運動をずっと継続できるかどうかも分かりません。

「俺は絶対に薬は飲まない!」などいろいろな思いがあるでしょうが、そこにこだわるあまりに人工透析になるようなことがあっては意味がありませんよね💦

年を重ねれば状況も変化します。その時点で実践可能な、その時の自分にとっていちばん良いと思われるやり方で糖尿病をコントロールしていきましょう。

特に若い方は、まだまだ糖尿病とともに生きていく時間が長いのですから…そして、いつまでも元気でいましょうね♪

 

まじめん
まじめん

糖尿病は緩やかに悪化していくのは当然と考えて対処しなければいけませんね。

よっしー
よっしー

それなら、その時の状態に合わせた食事や薬で対処しなければね!

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