高血糖も低血糖も目に良くない…
糖尿病の3大慢性合併症のひとつ「糖尿病網膜症」は目に起こる糖尿病合併症です。私は糖尿病に気づかずに何年も放置しており、入院して糖尿病と診断された直後は「目は異常はないです」と言われました。
しかし16日間の強化インスリン療法（私の場合１日４回、２種類のインスリン注射を打っていた）の後、左目に違和感を感じ、いったん治ったのですが半年後に検査を受けて糖尿病網膜症が見つかりました。
糖尿病と診断されてから７年近く経ち、どうやら手術や注射などの処置は何もせずに良い状態を保てていますが油断は禁物です💦
さて、「糖尿病網膜症などの合併症は血糖値が高いから起こるのだ」と思われがちです。確かに高血糖も良くないのですが、じつは「低血糖」もやはり良くないことをご存じですか？
先日Web開催された第27回日本糖尿病眼学会での発表によれば、「他人の介助が必要なぐらい重症の低血糖は網膜症の発症リスクを約4倍に増加させる」そうです。
意識障害が出るような重症の低血糖は、注射したインスリンが食事に対して多すぎた時などに起こりますよね…💦
単に血糖値が高い状態が良くないと思われがちですが、血糖値が激しく乱高下することが目にとって危険だということです…たとえHbA1cがあまり高くないとしても。
HbA1cって過去の血糖値の平均値を反映するんだっけ？
そう。あくまでも平均値なので、高血糖と低血糖を繰り返していると数字はそこそこ良い感じに見えてしまうかも💦
そもそも糖尿病網膜症とは？
糖尿病網膜症とは、糖尿病が原因で目の中の網膜という組織が障害されて最終的には視力がかなり低下したり最悪の場合は失明してしまう怖い合併症です。
近視の場合は眼鏡やコンタクトレンズを使用すればよく見えますが、糖尿病網膜症は目の中の問題なのでこれらを使ってもよく見えるようにはなりません💦
最初のうちは目の中で小さな出血が起きていたりしますが、自覚症状は特にないことが多いです。私のようにたまたま運悪く「黄斑」という部分に水分がたまるとものが歪んで見えたりしますが、片目ずつ見ないと気づきにくいです。
病気が進行すると、目の血管が詰まったり、急ごしらえの脆い血管が作られ、そこが破れて出血したり緑内障を併発することもあり、放置すれば大幅に視力が低下してしまいます💦
治療はまず血糖コントロールを行い、進行すればレーザー光凝固術や必要に応じて注射、手術などが行われるそうですが、根本的な原因は糖尿病なので、血糖コントロールがうまくいかなければ難しいそうですね。
重度の低血糖を防ぐ方法は？
低血糖が起きる原因にはいろいろありますが、代表的な原因はSU薬とインスリン注射だそうです。稀に何も薬剤を使用していないにもかかわらず低血糖を起こす「自発性低血糖症」の方もいらっしゃるそうですが💦
私が通う病院の糖尿病教室でもベテランの糖尿病専門医の先生が「食事の内容だけで低血糖になることは基本的にはない、原因は薬かインスリンだよ」と仰ってました。
そういう薬やインスリンを使用していない場合、お酒の飲みすぎ・運動のやりすぎ・入浴などが原因で低血糖が起きることはあるそうです。
ただやはり、SU薬やインスリン注射、とりわけ基礎インスリンではなく食事用のインスリン注射が重症低血糖のリスクとなるのでしょうね。自分の細胞が絶妙の量とタイミングで分泌するインスリンとまったく同じというわけにはいきませんから。
インスリン注射は１型糖尿病の方などはどうしても必要ですが、食事の仕方によって食事用のインスリンの量を減らすことは可能です。
血糖値を全体的に高めでコントロールしようと思えば、高血糖の害はある程度は受けてしまいます。かといって低血糖も危険です。
血糖値の「乱高下」をなるべく小さく済ませるためには何をどうしたらいいか、必ずしも容易なことではありませんが今一度考えてみませんか？
重症の低血糖はどんなときに起こるかを考えないとね！
低血糖時にブドウ糖を摂取するのは対症療法として重要だけど、糖質摂取が根本的な問題の解決ではないということを忘れないようにね。
