「生活習慣病」と呼ばれる病気はどんなもの?
「2型糖尿病は生活習慣病です」なんて言われると正直あまりいい気分ではありませんが、何らかの後天的な原因で病気が引き起こされるという意味ではそうなのかもしれません。
そもそも生活習慣病とは?と思い、厚生労働省のサイト「e-ヘルスネット」を見てみることにしました。
厚生労働省によれば、生活習慣病は「生活習慣が原因で起こる疾患の総称」であり「がん・脳血管疾患・心疾患・動脈硬化症・糖尿病・高血圧症・脂質異常症」などがこれに該当するんだそうです。
がんや心疾患のすべてが生活習慣だけで発症するわけではないと思いますが、とにかくサイトにはこのように説明されておりました。
また多くの方が悩まされる虫歯や歯周病も生活習慣病とされており、原因となる生活習慣を改善しなければ…と多くの方が思いつつ、なかなか簡単にはいかない現状があります。
さて、これらの「生活習慣病」と呼ばれる病気だけが「生活習慣によるもの」であって他の病気は生活習慣とは本当に関係がないのでしょうか?
生活習慣病は自分の努力で予防できるけどそれ以外はどうしようもない…っていうイメージがあるよね💦
そうね。予防できるって言ってもその方法を知らなくて…ってこともあるけれど…
1型糖尿病は生活習慣とは無関係?
「2型糖尿病は遺伝+生活習慣が原因で発症しますが、1型糖尿病は生活習慣とは関係なく発症します」とよく言われます。
まだはっきりしないこともありますが、1型糖尿病患者さんの一部では特定の遺伝子を持つ場合に家族内で複数の患者が出る(1型糖尿病になりやすい体質が遺伝する)こともあるそうです。ただし遺伝で発症する確率は2型よりもずっと低いです。
1型糖尿病になりやすい体質に何らかの後天的な原因が引き金となって発症することが多いと考えられているんですって。
その「引き金」は何らかのウイルス感染が有名です。新型コロナウイルスに感染することによって糖尿病を発症する人が増えているという論文もあります。
ただし一部の方では、糖質の多い食生活を続けることによって食後に大量に追加分泌インスリンが分泌されることを繰り返すことによってインスリンを作るベータ細胞に強いストレスがかかり、ベータ細胞がたくさん死ぬことで自己免疫反応が引き起こされやすいのではないかとのことです。
それはつまり、1型糖尿病になりやすい体質を持っている人が糖質を控えめにしていれば、好きなだけ糖質を食べている場合よりも1型糖尿病の発症率をある程度下げられる可能性があるということではないでしょうかね?まだすべてがわかったわけではないけれど、その可能性はありそうです。
その人の遺伝子配列によって、食後血糖値の上昇に伴う追加インスリン分泌がどの程度ベータ細胞にダメージを与えるかは異なるようですが、一部の方ではその影響が大きく出るかもしれないという点では決して「生活習慣は1型糖尿病の発症とはまったく関係がない」とは言えないのでは?
親御さんが1型糖尿病の場合、お子さんがちょっと糖質の摂りすぎに気を付けていれば発症の可能性を少しでも下げられる望みがあるのならそうしてみる価値はあるかと。
食生活の影響は想像以上に大きいかもしれない
食生活を改善することで慢性疾患が改善したという話はよく聞きます。食事を変えることで改善が見られるのであれば、それまでの食生活が原因でその病気を発症したor悪化した可能性はありますよね💦
近年の研究で、認知症の発症にも生活習慣が関わっていることが分かってきました。今までは「運悪くたまたま発症する病気」と思われていた病気も、あとで生活習慣の関与が判明するかもしれません。
一部の人しかやらないような生活習慣なら「あれのせいで病気になるんだ」と判明しやすいでしょうが、ほぼ全員が当たり前のようにやっている生活習慣の場合「これが原因だ」とはなかなか分からないでしょうね。
もちろん生まれつきの病気やまったく避けようのない病気も多いでしょうが、いわゆる「生活習慣病」とされる病気は今度、研究が進めば今よりも増える可能性もあるんじゃないかと思うのです。
「自分は糖尿病や高脂血症ではないから」と言って好きなものを好きなだけ召し上がっている方も多いと思いますが、意外な病気に苦しむことになる可能性もあるので油断は禁物ですね!
ある意味では、糖尿病を発症したことで気が付くことができた人は運がいいと言えるのかもしれません。
生活習慣がかかわっている病気はじつはもっと多いかもしれないよね。
その可能性は否定できないわ。だから生活習慣を改善することは想像以上に良いことをもたらすかもね♪