糖尿病の急性合併症「糖尿病性ケトアシドーシス」の原因・症状・治療法

糖尿病の急性合併症と慢性合併症

糖尿病の合併症と言うと、「しめじ」と呼ばれる「糖尿病神経障害・糖尿病網膜症・糖尿病腎症」のいわゆる3大合併症を連想する方が多いでしょう。

また「えのき」(壊疽・脳梗塞・狭心症や急性心筋梗塞)は命に関わる糖尿病合併症です。糖尿病患者の皆さんは「しめじ」「えのき」にはくれぐれもご注意ください。

さて今回はそんな慢性合併症ではなく、糖尿病の急性合併症である「糖尿病性ケトアシドーシス」についての話をしたいと思います。

3年ちょい前、よっしーは風邪が元でただならぬ体調の悪化を感じ「このままだと死んでしまうかもしれない!」と思って夫の車で救急外来に連れて行ってもらいました。

すると「血糖値が475もあるのですぐにこのまま入院してください」と。病名は糖尿病性ケトアシドーシスでした。そして16日間入院して治療しました…

後に当時の若い主治医に言われたんですけど「あなたのは教科書通りの典型的な糖尿病ケトアシドーシスだね」だそうです。だからよっしーの症状を振り返ることで、糖尿病性ケトアシドーシスの予防と早期発見につながれば…

にゃご
糖尿病性ケトアシドーシスの話は何度聞いても怖いぞ…

よっしー
他の方にはこうならないで欲しいけど、万が一糖尿病性ケトアシドーシスになったら少しでも早く発見して病院に行ってほしいわ。

糖尿病性ケトアシドーシスはどんな病気?原因は?

糖尿病性ケトアシドーシスは、糖尿病患者の体内で何らかの原因で血糖値を下げるホルモン「インスリン」が極度に不足するか、またはインスリンと拮抗する働きの「コルチゾール」「アドレナリン」などのホルモンが増えすぎてインスリンの働きが弱まることで発症します。

糖尿病患者は慢性的にインスリンが不足気味の方が多いのですが、これが極度のインスリン不足になると、血糖はたくさんあるのに体はそれをエネルギーとして利用できなくなります。

血糖はある、でも血糖をエネルギーとして利用できないので血液中には大量の糖があふれ、糖をエネルギーとして利用できないので体は代わりに脂肪酸などからケトン体を作ってそれをエネルギーにしようとします。

健康な方が糖質制限を行うとやはりケトン体が増えますが、この場合はインスリンがきちんと働いている状態であり、血液が酸性寄りになることもありません。

ところが糖尿病性ケトアシドーシスでは体内でインスリンがほとんど作用していない状態です。この状態だと、普段はインスリンによって制御されている肝臓がやたらと糖を放出して抑制が効かなくなります。

肝臓がどんどん糖を放出して血糖値が上がるけれど、体は血糖をエネルギーとして利用できない、高血糖によりますますインスリンが作用しなくなるという悪循環(糖毒性)に陥ります。

普段はケトン体が増えても呼吸によって調整が行われて血液は酸性にならないが、それも調整しきれず血液が酸性寄りになって全身がガタガタになって時には死亡することもある危険な状態が糖尿病性ケトアシドーシスです。

よく「肉を食べると血液が酸性になるよ」なんて言う方がいらっしゃいますが、何かを食べたからといって簡単に血液が酸性やアルカリ性になるはずがありません!

普段血液のpHは、非常に狭い範囲にキープされています。それがちょっと酸性寄りになるだけで死にそうになるのですからね。根拠のよくわからない俗説に騙されないようにお願いします。

なお糖尿病性ケトアシドーシスは、1型糖尿病の方がインスリン注射を打ち忘れた時に起こりやすいです。急激に発症・進行する劇症型1型糖尿病の場合もあります。

よっしーはHbA1cが非常に高い値だったため、劇症型1型糖尿病ではないことは素人にもすぐにわかりました。

2型糖尿病の場合も、清涼飲料水の飲みすぎやみかんの缶詰、アイスの食べ過ぎなどでケトアシドーシスを起こすことがしばしばあるそうです。

よっしーは入院する2か月ぐらい前からやたらと糖質が欲しくなり、桃の缶詰・みかん・乳酸菌飲料などを毎日摂取していましたが原因はこれかな?

また肺炎などの急性感染症、外傷、心筋梗塞、すい炎、脳血管障害、ある種の薬を使用した場合にもケトアシドーシスが起こりやすくなるそうです。

よっしーは家族の風邪がうつって数日前から寝込んでいて、風邪だから食べやすいものを…と思ってみかんやうどんなどの糖質ばかり食べていました。これがトドメとなったのでしょう。

糖尿病性ケトアシドーシスの自覚症状とは

糖尿病性ケトアシドーシスで入院する数日前から、体重が急激に減少しました。はっきり覚えていませんが3~4kgぐらい落ちたと思います。あまりにも急な減り方でした。

体重が急激に減ったにも関わらず、体脂肪率は逆に増えたような…もしかして筋肉が減って水分が抜けていたのではないかと思います。怖いです。

風邪で寝込んでいたので風邪の症状はもちろんありましたが、だんだんひどくなり、入院の前日からはなんども嘔吐して夜中もあまり眠れませんでした。

普通、風邪などで体調が悪くても横になればいくらか楽になりますよね?でもあの時は全然楽にはならず、布団で横になっていても呼吸すら苦しくなってきました。

苦しいので自然と、大きく呼吸をしていました。これはクスマウル呼吸と言って糖尿病性ケトアシドーシス特有の呼吸だそうです。体内の二酸化炭素をたくさん排出して酸性寄りになった血液を元に戻そうとするのでしょう。

そしてお腹が痛くなりました。動悸もありました。非常に強い倦怠感も…何かがおかしい、ヤバい、と思って夫に頼んで救急外来に連れて行ってもらったのは朝7時ごろでした。

最初に診察してくれた研修医の先生は「胃腸炎かな」と思ったそうですが、その時その場にいた先生は「ああ、ケトアシ(ドーシス)だな」と思ったそうですよ。

そのまま入院しましたが、初日はとにかく体がだるくて…病室は4人部屋で、自分のベッドのすぐ横にお手洗いが設置されていましたけど、そこまで一人で歩いていくことすらできずナースコールして看護師さんを呼び、肩を借りなければいけませんでした。

それとめちゃくちゃのどが渇きました…あまりにも水を欲しがるので看護師さんから「あのね、あまり飲みすぎると良くないからこのぐらいでやめておいたほうがいいわよ」と言われるぐらい。

子供の場合、脳浮腫を起こすことがあり、命を落とすこともあるそうです…また血糖値がかなり高い状態で意識がない状態で搬送されてくることもあり、この場合もとても危険だそうですよ。

元プロ野球選手の清原和博さんは糖尿病で血糖値が900になったことがあるそうですけど、本当に900なら糖尿病性ケトアシドーシスになったのではないでしょうか?心配です。

糖尿病性ケトアシドーシスの治療方法は?

糖尿病性ケトアシドーシスでは、脱水が起きているので生理食塩水を点滴します。よっしーは初日、3リットルを点滴で体内に入れたと主治医が教えてくれました。

そして血糖値を見ながら、インスリンを混ぜて点滴します。非常に高い血糖値を急激に下げるのも良くないので、ゆっくり下がるようにインスリンの量を調整するようです。

また低カリウム血症がある場合はその補正も行います。よっしーは何日目からだったか忘れましたが、カリウムの錠剤をもらって飲みました。

初日と翌日だったか、主治医が「ごめんね、しんどい時にこんなに痛いことをして…」と言いながら脚のつけねあたりから血液を採っていました。だるくて痛さはあまり感じませんでした。

これは血液ガス分析と言って、通常はpH7.4付近に保たれている血液の酸性度がどうなっているかを調べるものです。よっしーは7.009になっていました。

入院した日とその翌日は絶食でした。初日はだるくて食事どころではありませんでしたが、2日目の午後になるとお腹が空いて辛かったです。

主治医に「お腹空いた…」と訴えると「血糖値を見てから考えようね」そして「うーん、食事は明日からだね」と言われてめちゃくちゃがっかりしたのを覚えてます!

最初は夜中も頻繁に看護師さんが来て「ごめんねー、寝ているときに…」と小声で言い、血糖値を測っていきました。回復とともに血糖測定の回数はだんだん減り、自分で1日4回だけ測るようになりました。

最初は点滴にインスリンを混ぜていましたが、食事を摂るようになってインスリン注射を打ち始めました。食事前にアピドラ、寝る前にランタスの1日4回です。

看護師さんが注射をしてくれるのですが、だんだんやり方を教わって自分で打つようになりました。注射はほとんど痛みは無かったです。

入院して最初の数日は、糖尿病性ケトアシドーシスの緊急事態を何とかする治療、その後は普通の糖尿病教育入院と同じように糖尿病合併症の検査を受けたり講義を受けたりしました。

糖尿病性ケトアシドーシスで高血糖になっている状態だとインスリンを注射してもなかなか血糖値が下がりにくいです。この糖毒性と呼ばれる悪循環の状態から抜け出して、元通りインスリンが作用する状態に戻さねばなりません。

糖尿病性ケトアシドーシスの入院にかかった費用はどれぐらい?

16日間の入院にかかった費用はどれぐらいだったかというと、請求書には19万円ぐらいの金額が書かれていたと思います!まぁ16日間も入院しましたからね…

病院の事務の方が教えてくれるはずですが、高額療養費制度を利用して実際に支払った金額は9万円ぐらいで済みました。でもかなり痛い出費でしたね。

よっしーが入院した時は食事代の自己負担額は1食につき260円でしたが、2018年5月現在では460円と高くなっていますのでご注意を。入院中の食事の自己負担額については、高額療養費の対象から除外されています。

糖尿病性ケトアシドーシスは時に生命に関わることもある大変重大な病気ですけど、意識を失って倒れてしまう前に早く病院へ行って治療しなければいけません。

あの日たまたま夫が休みで家にいたので良かったけれど、もし平日の昼間誰もいない時に自宅で意識を失って倒れていたらどうなってしまったんだろう…と考えるとぞっとします!

にゃご
糖尿病性ケトアシドーシスになってもよっしーのように元気に暮らしている人はたくさんいるんだよな!

よっしー
そうよ、あの時助けてくれた先生たちのおかげなのよ♪みなさんも気を付けましょうね。

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