糖尿病の高齢者が気をつけなければいけない4つのこと

加齢とともに糖尿病になる方は増えます

この記事を読んでくださっているみなさんの中には、お父様やお母様が糖尿病だという方もきっと多いでしょう。

また、あなた自身がそろそろ高齢者と呼ばれる年齢にさしかかり、今後の糖尿病のことが何となく不安だ…という場合もあるでしょう。

よっしーの父も70歳の糖尿病患者なので、今のところは特に問題が無いと言ってもやはりいろいろと心配だなと思います。

加齢とともにインスリンを分泌する能力は衰えるので、遺伝がなくても高齢になると糖尿病にかかる方が増えます。近所にもけっこういらっしゃいます。

遺伝の場合は気を付けていても若い頃から発症することが多いのに対して、高齢になって発症する方は長年のつみ重ねが負担となってとうとう…という感じでしょうか。

高齢の糖尿病の患者さんとその家族が特に気をつけなければいけないことがいくつかあるんです。今回は糖尿病の誰もが無関係ではない、そんなお話です。

にゃご
そうか…誰でも年を取るんだもんな。今は良くても、将来今と同じことができるかどうかと言われるとな~。

よっしー
ハードな運動も、いつまでもできるかどうか分からないしね。

高齢者は低血糖を自覚しにくい

通常であれば、低血糖になると脈が速くなったり汗をかいたり手足の震えや不安感などの症状が出てきます。

しかし高齢者の場合、これらの自覚症状が出ずにいきなり重症の低血糖を起こすことがあるのです。合併症の神経障害がある方はなおさらそうなりやすいです。

睡眠中に低血糖が起こると、通常なら怖い夢を見て目が覚めてしまうことが多いのだそうですが、そのまま気づかずに眠り続けること(無自覚性の夜間低血糖)もよくあります。

低血糖になるとインスリンの分泌が減り、血糖値を上げるためにグルカゴンなどのホルモンの分泌が増えてこれを受けて肝臓や腎臓で糖新生が行われ血糖値が上昇します。

しかし糖尿病患者の中には、低血糖時にグルカゴンが分泌されてもうまく反応しない方がいらっしゃるそうです。1型糖尿病の方および羅病期間が長い2型糖尿病の方に多いです。

また肝臓や腎臓の機能が低下していると、糖新生が十分にできない場合もあります。高齢者の低血糖は特に危険なので、できるだけ低血糖が起こらないように気をつけなければいけません。

低血糖時にはブドウ糖を摂取しますが、これはあくまでも緊急的な処置です。糖質を食べないから低血糖になるのではなく、糖質を食べて薬やインスリンで下げようとして失敗すると低血糖になるのです。

あれ?さっき糖尿病の薬を飲んだっけ?

高齢になると「あれ?さっき薬を飲んだっけ?」とふと分からなくなることもあるでしょう。若い人でも、服薬チェックをしないとうっかり忘れてしまうこともあります。

よっしーが糖尿病性ケトアシドーシスで入院していたとき、同室のおばあちゃんと看護師さんの間で何度も「まだ薬飲んでない」「いいえ、さっきちゃんと飲んだのを見たわよ」というやり取りが繰り返されたことか。

高齢になると認知機能がだんだんと衰えてきますが、糖尿病患者では認知症になるリスクが健常者の方より高いので特に心配ですね。

糖尿病薬の種類によっては1回ぐらい飲み忘れたりうっかり2回飲んでしまってもあまり心配がない場合もありますが、低血糖や高血糖は心配ですよね。

飲み薬よりもさらに怖いのは、インスリン注射です。さっきインスリン注射をしたのにうっかりもう1度打ってしまったり、2種類のインスリンを間違えたり、注射量を間違えたら??

インスリン注射を打った後、いつも通りの量の食事をとれなくて低血糖を起こすこともあるんです。

飲み薬やインスリン注射の管理は、家族がよく気をつけてあげることももちろん重要なのですが、2型糖尿病で食事前のインスリンしか打っていない場合は糖質制限するだけで薬やインスリンが不要になる事も多いのです。

上の表は日本糖尿病学会様のサイトからお借りしました。糖尿病の高齢者の血糖コントロールの目標は、かなり高く設定されているのが分かるかと思います。

これは「HbA1cが高めの方が健康に良い」という意味ではありません。高齢者でも糖尿病ではなく健康な方のHbA1cは低いのですから。

普通に糖質を食べながら飲み薬やインスリン注射で治療する場合、低血糖を起こさないように安全に正常血糖値を保つことはほとんど無理だ…ということです。だから目標値をこんなに高くしているんです。

アメリカの1型糖尿病のバーンスタイン医師は80代ですが、糖質制限とインスリン少量頻回注射(自己分泌ゼロなので最低限の量は注射なさっています)でHbA1cは4%台をキープなさっています。

カロリー制限で筋肉が減ってしまうかも

高齢になるとどうしても筋肉量は減りやすくなります。体脂肪が多いからとカロリー制限をきちんとさせようとすると、肉などを食べる量が減ってしまい、タンパク不足になりがち。

タンパク質が不足するとますます筋肉が減ります…当たり前ですよね、材料が不足しているんですから。そして骨も弱くなります。

加齢とともに筋肉の量が減少し、機能が低下した状態を「サルコペニア」といい、早ければ40代で始まることがあるんだそう。

筋肉量が減りすぎると寝たきりになりやすく、高齢者にとって非常に危険な転倒骨折を起こすリスクが非常に高まります。

よっしーの母方の祖母は糖尿病ではなく元気だったのに、タンパク質食品はあまり食べず白米やカボチャの煮物、ほうれん草のおひたしなど野菜中心の食事でした。

母はそのことを心配していましたが、本人が食べたがらなくて…ある時祖母は庭で転倒して大腿骨を骨折してしまい、それがきっかけで寝たきりになり1年後に亡くなりました。

サルコペニアは高齢者の10%以上に認められるが、糖尿病患者ではその割合は3倍に上昇するとの報告もあります。さらにサルコペニアと肥満が合併するともっと問題が大きくなります。

この状態を改善するには、日常生活の中でできるだけ体を動かすように心がけ、また高齢になると特に動物性タンパク質の摂取量が減るのできちんと摂取することが大事です。

高齢者は腎機能が低下している方も多い

糖尿病の飲み薬について調べてみると、高齢者の方には原則として使うべきではなかったり慎重に使用しなければいけないとされる薬がかなり多いことに気付きました。

その理由のひとつとして、高齢者は腎機能が低下している方が多いということが挙げられます。腎機能が低下していると、尿に出ていくはずの薬が体内に長くとどまり蓄積することがあります。

こうなると重い副作用や中毒症状を引き起こしかねないため注意が必要なのです。また副作用で腎臓に悪影響を与える可能性のある薬もあります。

腎臓のろ過装置である「糸球体」は、若い頃は一部が悪くなっても他の糸球体が補いますが、加齢により糸球体の数が減ってしまい、カバーしきれなくなって腎臓の働きが悪くなってくると考えられています。

このため、高齢者が何かの薬を服用するときは主治医から注意すべき点についてよく指導を受け、何か気になる症状が出た場合はすぐに受診しなければいけません。

特にメトホルミン服用中に乳酸アシドーシスになると死亡することもあり、とても危険です。過度の飲酒や脱水状態に気をつけましょう。

まとめ:家族の協力が不可欠です

高齢者の方で糖尿病のある方は多く、治療に飲み薬やインスリン注射を使用している場合は特に家族のサポートがとても大事です。

薬の飲み忘れやうっかり2回飲んでしまうこと、インスリンの注射量の間違いなどによる事故を防ぐことは非常に重要です。

また食事がきちんとできているかどうか、何か心配な症状などは出ていないか、などにも気を付けなければいけません。

いま現在はまだ若い糖尿病患者のみなさんも、この先必ず避けては通れない問題なので…よっしーももちろん気をつけていこうと思います。

にゃご
糖尿病は長い付き合いになる病気だから、先のことを考えないといけないよね。

よっしー
薬も、ずっと飲み続けることになるわけだからね。今のことだけを考えるのではなく、高齢になってからのことも考えたいわね。

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