赤血球はブドウ糖しか使えない
昨年、アニメ『はたらく細胞』を家族で観てすごく面白いなぁと思いました。各細胞の特徴がすごく上手に描かれているんです。
主人公の赤血球ちゃんたちが座って自動販売機のアイス(グルコースと書かれている)を食べながらひと休みするシーンがありました。
グルコースはブドウ糖です。脂肪酸やケトン体は細胞内の「ミトコンドリア」で代謝されるので、ミトコンドリアを持たない赤血球はブドウ糖しかエネルギーとして利用できません。
ヒトの体内でブドウ糖しか使えないところはごくわずかです。心臓や脳のニューロンもケトン体で動くことが出来ます。
その上、わざわざ糖質を大量に経口摂取しなくても健康な方であれば肝臓でアミノ酸やグリセロールなどを材料にして「糖新生」が行われるので低血糖にはなりません。
低血糖にならないということは、赤血球たちが欲しがっている量のブドウ糖は十分に足りているということではありませんか?
いくら赤血球たちがブドウ糖を好むからと言って、糖尿病患者が必要以上にブドウ糖をせっせと経口摂取する必要があるのでしょうか??
糖尿病って言うのは血糖値が高くなりすぎる病気なんだろ?
ただでさえ高血糖になりやすいのに、しっかり糖質を食べる必要があるのかしら…?
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)とは?
糖尿人のみなさんなら絶対に気になってしまう数値、それがHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)ですよね。
ヘモグロビンは赤血球内のタンパク質の一種で、全身の細胞に酸素を送る働きをしています。血液中のブドウ糖がヘモグロビンとくっついてしまうと「糖化ヘモグロビン」になります。
血糖値が高いほどブドウ糖がヘモグロビンにくっつきやすくなります。いったん糖化したヘモグロビンは、赤血球の寿命(約120日)が来るまでずっとそのままです。
困ったことに、ブドウ糖とくっついて糖化してしまったヘモグロビンを持つ赤血球は、全身に細胞に酸素を届けるという仕事をうまく行えなくなってしまいます💦
糖尿病ではない方の場合、この糖化ヘモグロビンは全体の4.5~5.5%ぐらいだと言われており、糖尿病患者さんでは6%未満を目指せればとてもコントロールが良いと褒められますよね。
4年前に糖尿病と診断された時のよっしーは、なんとHbA1cが15.0%もあったので普通の人の3倍ということになります。
もともと私は甘い物はそれほど好きではなかったはずなのに、入院の2か月ぐらい前からやたらと糖質が欲しくなり、ヤ〇ルトや桃の缶詰やみかんが食べたくてたまりませんでした。
自分でも「変だなぁ…おかしいなぁ」と不思議に思うぐらいでした。今思うと、異常な高血糖を維持するために脳まで支配されていたかのようです💦
必要以上に大量のブドウ糖は要らない
赤血球たちはブドウ糖を欲しがりますが、必要以上にたくさんのブドウ糖があるとヘモグロビンとくっついてしまい、大事な仕事がうまくできなくなってしまいます。
いったんくっついたブドウ糖は、その赤血球が寿命を迎えるまでずーーっと離れることがないというのが恐ろしいところです💦
そして若い日本人女性には「貧血」または「隠れ貧血」の方が非常に多いです。鉄が不足すると、体内でヘモグロビンの合成が低下して「鉄欠乏性貧血」になります。
また、タンパク質はヘモグロビンの材料となります。だから鉄とタンパク質、両方足りていないと鉄欠乏性貧血になってしまうのです。
鉄やタンパク質は、国が定めた「1日あたりの摂取推奨量」さえ満たしていれば足りているとは限りません。
よっしーはその量では足りていないことが血液検査で分かり、せっせと鉄やタンパク質を摂取していますがなかなか理想的な値には届かなくて苦労しています。
女性は毎月大量に鉄を失いますので、食事だけでは全然追いつかないこともあるんです。海外では小麦に鉄が添加されていますが日本で売られているものはそうではないので…
まず体に必要なものから食べるべき!
あなたが脂質をうまくエネルギーにできない特殊な病気をお持ちでない限り、わざわざ大量に糖質を食べる必要はありません。
必要のないものばかり食べて、本当に体にとって必要な栄養の摂取がおろそかになることがとても心配です。ビタミンB群などもとても大切です。
まして糖尿病は、糖質の処理がうまくできずに余計なブドウ糖が血液中にあふれてしまう病気。薬を飲んでまでわざわざ大量に糖質を摂取する必要があるのでしょうか?
アニメ『はたらく細胞』を思い出してみてください。私たちの体内で文句も言わずに毎日せっせと働いてくれている赤血球ちゃんたち。
過剰なブドウ糖が赤血球のヘモグロビンとくっつき、その仕事を邪魔します。その困った状態は、赤血球たちが寿命を迎えるまでずーーーっと続いてしまうのです。
そしてもちろん、アルコールやタバコも赤血球たちにダメージを与えます。どうか赤血球たちをいたわり、彼らを苦しめるような生活習慣に気を付けましょうね。
体の中で赤血球さんやその他のみんなが一生懸命働いてくれていることを忘れてはいけないんだぞ。
あなたの体を「ブラック企業」にしないようにね♪