医療マンガ大賞の季節がやってきた
先日、第3回医療マンガ大賞に応募するために「医療コミュニケーション 心房細動の治療 患者視点エピソード」というテーマでマンガを描きました。
これはあらかじめ用意された台本の通りにマンガを描くというコンテストで、たぶん勝手にストーリーを改変してはいけないので、いかに自分らしさを表現するかがなかなか難しかったりします💦
昨年初めて応募して特別賞をいただいた「カイトくんの絵本」もしよろしければ読んでみてください。今思うと「あら~ここをもうちょっと…」と思うところだらけですが。
上はマンガの1ページ目です。続きが気になる方は下のリンクからお読みくださいね。もちろん無料です!
↓こちらは同じ話を医師の視点から描いたものです。あわせてお読みください!(縦スクロール)
さてマンガを描くにあたって医学的な間違いがあってはならないのでいろいろ調べるうちに、ふと「心房細動って糖尿病患者はそうでない人よりもなりやすかったりするんだろうか?」と気になりました。今回はそんな話です。
心房細動って初めて聞きました!
なんと猫にもあるそうよ💦
心房細動とはどんな病気なのか?
心房細動は「不整脈」の一種で、心房内に流れる電気信号の乱れによって心房が痙攣したように細かく震え、血液をうまく全身に送り出せなくなる病気です。
短時間だけ心房細動が起こってすぐ元に戻るタイプと長時間続くタイプがあります。前者では健康診断などで心電図検査をしても、その時は異常が出ないこともあるそうですね。
心房細動が直接命を脅かすわけではなく、心房細動があると心房で血の塊(血栓)ができやすくなり、血栓が脳の血管まで流れて行って詰まる可能性があるので危険なのです💦
心房細動の原因として、もともと心臓の病気があったり、ストレスや不規則な生活習慣が考えられ、糖尿病患者はそうでない人よりも心房細動のリスクが高いそうです(後で詳しく解説します)。
治療は、薬で症状や発作をおさえる方法とカテーテルアブレーション(カテーテルという細い管を太ももの血管から心臓まで通して、異常な電気信号を発している部分を焼き、異常な電気信号が広がらないようにする治療)があります。
心房細動では動悸やふらつき、時に失神などの自覚症状が出ることもありますが、まったくない場合もあるそうです。自分で気づくのはなかなか難しいかもしれませんね。
糖尿病患者は心房細動になりやすい!?
血糖コントロールが悪い状態が続くと、インスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなる)や耐糖能異常、炎症や酸化ストレス、血をかためる成分である血小板の亢進、心臓組織の線維化などが起こり、これらが心房細動の発症につながると考えられるのだそうです。
心臓組織の線維化というのは、糖尿病などの何らかの原因によって心臓の正常な組織が減り、異常な組織と置き換わってしまうことです。
置き換わってしまったスジのようなその組織は、本来の働きをしません。心臓以外にも肺や肝臓などで「線維化」は起こり、魔法のように元通り…というのは残念ながら今のところ望めないようです💦
すでに起こってしまったことは仕方がないので、これ以上悪化しないために血糖コントロールに励み、きちんと通院を続けなければね。そのうえで栄養にも気を配れれば最善かと。
怖いので今とりあえず脈をチェックしましたが、不規則な感じはしませんでした。でも油断は禁物ですね。
心房細動がある人は激しい興奮や運動によって急に心拍数が増加し、息切れやめまいが起こることがあるそうです。運動は糖尿病に良いからと言っても無理をしないようにしましょう。
糖尿病患者さんは特に気を付けなければいけませんね。
少しでもリスクを減らすために何ができるか考えないとね。