オーストラリアの糖尿病患者の心筋梗塞や脳卒中が20年間で大きく減少

オーストラリアでは糖尿病患者の数々の合併症が減少

アメリカ、オーストラリア、そして日本…

オーストラリアの糖尿病患者さんたちの心筋梗塞や脳卒中が20年間で大きく減少したそうです。糖尿病患者である私たちには嬉しいニュースです。

そういえばアメリカでも心臓病や脳卒中、腎臓病、下肢切断といった糖尿病合併症の発症率が、20年間に急速に低下して心筋梗塞や高血糖は60%以上減少したんでしたよね。

いわゆる先進国では、どこの国でも糖尿病患者が受けることができる医療、使える薬、インスリンなどには大差はないはず…では日本はどうでしょう?

日本透析医学会の統計調査によると、2018年末時点で人工透析を行っている患者は339841人だったそうです。その20年前(1998年末)は185322人でした

 

 

2018年に新たに人工透析を始めた患者さんは38147人で、1998年のそれは29641人でした2018年に人工透析を新たに始めた患者さんの42.3%は「糖尿病腎症」が原因でした1998年のそれは35.7%でした

つまり2018年に「糖尿病腎症が原因で人工透析を開始した日本人患者数」は38147×0.423≒16136人で1998年のそれは29641×0.357≒10582人ということになります。

あの…1998年に10582人だったものが20年後の2018年に16136人って…これって「大幅に減少」どころかかえって増加していませんか!?

日本の医学がアメリカやオーストラリアと比較して遅れているとは思えないんですけど…みなさんは何が原因だと思われるでしょうか。

 

チャーコ
チャーコ

え?日本の医学は劇的に進歩しているんじゃないんですか?

よっしー
よっしー

そりゃ薬の進歩でいくらか合併症は減っているけど、激減とは言えないんじゃないかしら…

糖尿病足病変や糖尿病網膜症は「激減」しているの?

人工透析に関しては詳細なデータがありますが、糖尿病足病変や糖尿病網膜症に関しては人工透析ほどはっきりしたデータがなかなか出てきませんでした。日本では足病変に関して大規模な疫学調査が行われていないのだそうです。

しかし医療関係のサイトを見ていると、「日本人の糖尿病合併症はアメリカやオーストラリアほどは減っていないのでは?」と思えてなりません。以下は引用です。

 

『糖尿病患者さんの中で足の潰瘍(かいよう)や壊疽(えそ)という病気(糖尿病足病変)にかかる人が増えています。糖尿病足病変の増加の背景には、足の神経がやられたり(神経障害)、動脈硬化により血液の流れが悪くなったり(血流障害)というような合併症を持った人が増加していることなどがあげられます』(京都医療センター・フットセンター外来様より引用)

『糖尿病患者が発症する足壊疽の頻度は、1997 年の0.4%から 2002 年には 1.6%に増加している』(厚生労働省HPより引用)

 



 

『約3,000人もの方が毎年失明を招いており、依然中途失明の上位を占めています』(日本眼科医会報道用資料より引用)

『さまざまな治療法が確立したことにより、失明を回避することが可能になりつつある。しかし、糖尿病患者の急増に伴い、網膜症患者は増加の傾向にあり、依然として中途失明の原因の上位を占めている(糖尿病ネットワーク様のサイトより引用)』

 

…どうですか?みなさんは「日本でも糖尿病合併症がここ20年ほどで激減している」と読めますか?私はそこまで激減しているとは思わなかったのですが…

 

そろそろ日本糖尿病学会も考えなければいけないと思う

Diabetes Research, Education, Advocacy | ADA
Leading the fight against the deadly consequences of diabetes for those affected by it through research funding, communi...

 

Diabetes Australia | Support for people living with diabetes
We want a future where diabetes can do no harm and we are leading the fight against Australia’s biggest health crisis. I...

 

オーストラリア糖尿病学会は、糖質制限をしたい人は一部のやってはいけない人を除いては医師や管理栄養士などに相談の上慎重にやりなさいと一部認めてくれていますね。

下の表はアメリカ糖尿病学会様のサイトより引用させていただきました。たったひとつの食事療法だけを勧めて他を否定するのではなく、いくつもの食事療法を選択肢として認めていてそれぞれの特徴を分かりやすくまとめてくれていますね。

 

 

イギリス糖尿病学会も『低炭水化物ダイエット、地中海ダイエット、超低カロリーダイエットなど、減量にはさまざまな方法があります』と選択肢をいくつか認めていますね。

日本が他の先進国と比較して特に医療が遅れているとは思えませんし、真面目な日本人の糖尿病患者だけが他国の糖尿病患者と比較して特別だらしない生活を送っているとも思えません。では、違いはどこにあるのでしょう?

言いにくいんですけど、糖尿病薬やインスリンが他の国と大差ないのであれば、やはり「食事の選択肢がないこと」がひとつの原因になっているのではないでしょうか?

 



 

選択肢が複数あれば、みなさん自分にもっとも合う方法を選んで継続することができます。でももし1つの方法しか許されなかったら、その方法がイマイチ合わない患者はどうしたらいいのでしょう?

第62回日本糖尿病学会年次集会に出席なさったしらねのぞるば様の証言によれば、匿名の医師たちは「糖質制限は現に多くの人が実行しているのだから無視はよくない」「糖質制限食は避けて通れない、現に糖質制限食でよくなっている人がいるのだから」などと呟いておられたそうで。

どんな事情が内部にあるのかは知りませんけど、早く日本でも正式に複数の選択肢が認められるといいなと思います。少なくとも患者側としては「選択肢が多いこと」を不満に思う理由はないはずですから。

 

チャーコ
チャーコ

そりゃ選択肢が多いほうがいいですよね、「患者」は!

よっしー
よっしー

でしょう?きっと日本もいずれ変わると信じているわ。

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