糖質制限していなければ血糖値が高めでも当たり前?

糖質制限している糖尿病患者と糖質制限していない糖尿病患者

主食を食べているからちょっと血糖値が高いのは当たり前!?

「糖質制限をしている人たちは血糖値が低いのは当たり前、俺は普通に糖質を食べているからこれぐらい血糖値が上がるのはしょうがないんだ」という話をたまに聞きます。

よっしーが普通にごはんを茶碗1杯食べたら、きっとびっくりするほど血糖値が上がるでしょうね…確かに、ごはん1杯程度でそれほど血糖値が高くならない方は糖尿病が軽症なのかもしれません。

それで「普通にごはんを食べていて薬もインスリン注射も使用していない割には良い数値ですね」なんて言われたりすることもあるんじゃないでしょうか。

でもちょっと考えてみてください。血糖値が高かったり必要以上に体内にインスリンがたくさんあることは糖尿病合併症や動脈硬化などのリスクとなります。

 

糖質制限していなくても高血糖はダメだという内容の漫画

 

軽症の糖尿病患者さんが普通に主食を食べて食後血糖値が170~180になるのと、重症の糖尿病患者さんが糖質制限やその他の方法で食後血糖値を120~130ぐらいでおさめるのでは、前者の方が長期的には危険ではありませんか?

糖尿病の程度そのものが重いか軽いかよりも、いかに血糖値やインスリンをコントロールできているかが重要なわけです。

一生懸命勉強する友達を見て「あいつは真面目に勉強しているからテストの点数がいいのは当たり前じゃないか。手を抜いているだけで本当は俺の方が頭はいいんだ」と言って怠けていると、そのまま成績が悪いままで受験が終わってしまうかも…みたいな💦

勉強で言えばどれだけの成績を取るか、糖尿病で言えば血糖値やインスリンをどれだけコントロールできるかが大事です。どれだけ努力しているとかどんな方法を選んだかも大切ですが、結果が重要。

 

まじめん
まじめん

なるほど…「糖質を食べているわりにこの程度ならいいや」って妙な安心をしていると危険ですね。

よっしー
よっしー

糖質を食べていようがいまいが薬を飲んでいようがいまいが、その血糖値であることには変わりないんだもの。

食後血糖値が高いor高インスリンだと何が起こる?

医師の間でもいろいろな意見があり「低インスリンなら血糖値が高くても大丈夫だ」という説があります。

しかし、よっしーは糖尿病に気づかずに何年間もほったらかした後、かなりインスリン分泌能力が低下した状態(高血糖・低インスリン状態)で発覚しましたが、すでに糖尿病神経障害と糖尿病腎症がありました。

だから個人的には「高血糖も高インスリン血症もどちらも良くないのではないか?」と思っています。なんといっても健常者の方は「正常血糖かつ(それほどは)高インスリン血症ではない」のですから。

健常者の方は空腹時血糖値は70~109ぐらいで保たれており、糖質を食べてもインスリンが分泌されて血糖値はあまり上がりません。

 



 

ところが糖尿病患者は軽症の方は空腹時血糖値は正常ですが、糖質を食べると十分な量のインスリンを分泌できなかったり、分泌されても十分に効かなかったりします

2型糖尿病ではインスリン抵抗性があることも多く、同じものを食べても血糖値を下げるのに健常者の2~3倍もの大量のインスリンが必要だったりします。

アメリカの医師バーンスタイン先生いわく「2型糖尿病患者の追加インスリン分泌は食後血糖値を下げるには十分ではないが、太るのには十分である」…なんてこと💦

血糖値がある程度以上に高くなると、血管の内皮細胞が傷ついてそこにコレステロールがもぐりこんだり体内でタンパク質と糖が結びついてAGEs(最終糖化産物)となり、糖尿病合併症の原因になると考えられます。

 

AGEとは? What's AGE? | AGE エージーイー牧田クリニック
AGEについて。こちらはAGE牧田クリニックのサイトです。糖尿病を中心とした、生活習慣病の専門クリニックです。専門医療を通して一人でも多くの方の病気を治し改善します。

 

また血糖値が上がると、2型糖尿病患者の場合はその人の能力の範囲内で精いっぱいインスリンを分泌しようとします。1型の方はちょうどいい量のインスリンを注射する必要があります。

糖質をたくさん食べると、それが自己分泌であれ注射したインスリンであれ、体内にたくさんのインスリンが…これが高インスリン血症です。

むしろ軽度の2型糖尿病の方のほうがインスリンを分泌する能力が保たれているだけに、体内では大量にインスリンが分泌されることによる弊害を受けているかもしれません💦

国際糖尿病連合の「食後血糖値の管理に関するガイドライン2011」によれば食後血糖値のピークは160未満を目指すべきとありますが、いかがでしょうか。

 

どんな手段でもいいから目標範囲内におさめる努力をすべき

糖尿病の食事療法には人それぞれ合う合わないがありますし、食事の好みの問題でどうしても実践できない方法もあるでしょう。

どの方法を選択してもいいんですけど「高血糖」も「高インスリン血症」もどちらもなるべく起きないようにしたほうがいいと思います。

健常者と同じものを食べても、2型糖尿病患者はより多くのインスリンが必要になりがちなので高インスリン血症になってしまいますからね💦

「自分は薬を飲まず糖質制限をしていないけど血糖値はこの程度で済んでいるからマシなほうだ」などと油断しては危険かもしれませんよ!?

 

 

「オレのほうがずっと足が速いから…」と油断していたウサギはコツコツ努力するカメに負けてしまいました。まぁそういうことです。

どんな方法だろうと、自分で決めた目標の範囲内に血糖値をおさめる努力をするといいです。本当は血糖値だけではなくインスリン量も大事なんですけど、自宅でリアルタイムに測定できませんから💦

糖尿病の「重症度」がどうであれ、日ごろ血糖値やインスリンをどれだけ良好にコントロールできているかが大事だと思いますよ♪

良いコントロールのために一生懸命努力することは大いに結構じゃないですか。努力は少しもカッコ悪いことではありません。糖尿病合併症の進行を防いで元気に長生きしましょう♪

 

まじめん
まじめん

自宅ではインスリン分泌量は測定できないので、とりあえず血糖値が目標範囲内でおさまるようにすべきですね。

よっしー
よっしー

それがいいと思うわ。血糖値の乱高下はなるべく少なくね♪

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