この先も一生糖質制限!?
「あなたはこの先も一生糖質制限するんですか?そんなの嫌じゃないですか?」と言われたら「ぐぬぬ…」となる方も多いと思います。
「この先も」「一生」「ずーっと」なんて言われたら誰だって「そうだなぁ…」と思ってしまうのではないでしょうか。
しかし、これがたとえば「あなたはこの先も一生脂質制限(またはカロリー制限、禁酒、禁煙)するんですか?」だったらどうでしょう。
「あなたはこの先も一生薬を飲み続ける(またはインスリン注射を打ち続ける)んですか?」に変えても同じだと思います。
たとえば1型糖尿病の方は、たとえインスリン注射が嫌だとしても必ず必要じゃないですか。世の中には、たとえ気が進まなくても「そうしなければいけない」ケースがあります。
それが薬だろうがカロリー制限や脂質制限だろうが、「この先も一生」と言われればうんざりするのはどれも同じです…そうですよね。
一生って言われると何となく嫌だなって感じちゃうんだよ。
そうね。でもずっとしなければいけない場合もあるのね。
「一生」と言われると躊躇する!
何かを「この先も一生継続するんですか?」と言われたら誰だって「うーん」と思うでしょう。一生しなければいけない、と言われるとかなり「重い」からです。
しかしながら「禁酒しよう」「禁煙しよう」と思ってこれを試みる人は必ずしも「一生やりとげなければいけない」という悲壮なる決意を背負っているわけではありますまい。
いつまで続くかはわからないけど、とりあえず「今、必要だと思うから」やるのではありませんか?
病院で医師が薬を初めて処方するとき患者さんに「いま薬を飲み始めると一生ずっと飲まなければいけませんけど、いいんですか?」とは訊かないでしょうね。そんなことしたら、多くの方は嫌がって拒否してしまいそうです。
糖質制限でもスポーツジムでも、今必要だと思ったのならちょっとやってみたらいいじゃないですか(医師に禁じられている場合を除けば)。
「1度でもやってしまったら取り返しのつかないこと」と違い、食事療法なんて自分に合わないと思えばすぐやめればいいだけの話なのですから。
対症療法だとしても…
2型糖尿病には「インスリン抵抗性(インスリンが効きにくい)」と「インスリン分泌不全(インスリンが十分に分泌されない)」の2つの要素があります。
このうち「インスリン抵抗性」は食事や運動の改善などによって自力である程度改善が期待できます。劇的に改善することもあります。
しかし「インスリン分泌不全」は残念ながら、食事や運動など自分の努力によって「治す」ことは出来ないはずです。
インスリン分泌がどうしても少し足りないなら、インスリン注射をするか、それとも少ないインスリン分泌でやっていけるような食事をするか、食後に運動する等の「対症療法」をするしかないでしょう。
糖質制限を始めとした食事療法はすべて「対症療法」です。血糖値が上がりすぎないように食事内容を調整しているわけですから。
本当に耐糖能が正常であれば、何をどれだけ食べても食後に運動しないでゴロゴロしていても血糖値は大丈夫です。
同じ2型糖尿病患者でも、いわゆる糖尿病家系の方はインスリン分泌不全が早くから起こりやすいそうなので、たとえ対症療法でも上手に取り入れてやっていくしかないでしょうね。
そうこうしているうちに、きっといつかインスリン分泌不全も「完治」させることができるようになるでしょうから。
「一生しなければいけない」と落ち込んでも仕方がありません。今やれることをできる範囲で続けていきましょう。
あまり重く考えないほうがいいね!
この先一生かどうかなんてわからないんだものね!